対人戦訓練と魔法士の身体術訓練
俺も9歳になって、後3年も経たない内に王都に行くことになる。
王都に行く前に身に付けておくべきこと、そして身に付ければエルン村でも役に立つことがある。
対人戦のやり方を学ぶことだ。
そして、対人戦の中でも、相手を殺さずに戦うことだ。
戦争なら敵を相手にして、相手を殺し尽くせばいい。
エルン村長はエルン隊でそうしていたし、俺もそうするだろう。
だが、学校で武術を学ぶ時や、軍で訓練する時はどうするのか。
敵だとしても、殺してはまずい相手と戦うケースもあるだろう。
今は相手に応じた力の加減に自信がないので、訓練では受けるだけか、軽く当てるだけにしている。
どの程度の相手だとどの程度の力で当てれば殺さなくてすむのか、その境界を学び覚える必要がある。
他者の体で身体術を使う時に、精密に力を制御することに苦労したが、その苦労のかいあって、出力のコントロールはそれなりにできている自信がある。
相手に合わせてどうコントロールをするか、その下限と上限の幅を掴む要領が分かれば、何とかなりそうな気もしている。
対人戦を問題なくこなせるようになれば、俺が対人戦の相手役をやったり、魔獣役を演じたりして訓練の質を上げられそうにも思う。
もう一点、気になることがある。
オレグとイリナのことだ。
王都に行ってからも俺と共にありたいと思ってくれているが、そうであればいつかは共に戦争にも参加するようになるだろう。
魔法士系のギフトを有しているということは、戦場において間違いなく強みになる。
ただ、魔法しか使えないのは不安要素になる。
仮に俺が魔法しか使えない魔法士を敵に回すなら、割とカモにできる自信がある。
オレグとイリナにも、対人戦の訓練をしてほしい。
何より、身体術を高いレベルで使えるようになってほしい。
身体術で機動力や継戦能力、復帰力のついた魔法士は、誰にとっても手強い相手になると思う。
生存可能性をできる限り引き上げたい。
俺の対魔法士戦の訓練、身体術を使える魔法士という強敵との訓練の相手になってほしいという希望もある。
対魔法、対魔術の考え方、やり方についても俺に考えがあるので、それについても一緒に試行錯誤したいと思う。
オレグとイリナは、俺がレフ兄さんにスパルタで身体術を仕込んでいるところを見て、ちょっとひいていたからなあ。
キリル兄さんへの訓練はスパルタどころではないので、2人には一切見せていないけど。
大森林探索に行くなら身体術は必須と伝えた時に、取り組む気持ちが戻ってきたようなので、やる気を引き出して取り組ませていこう。
2人のためにもなることだ。
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