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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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剣生成魔術訓練

さて、今日この南西開拓試験場でやろうと考えていたことを始めようか。


その前に、1頭だけいる小型魔獣を潰して、と。




1km四方に草以外は何もないこの場所で、俺は土魔術で刃渡り10mの剣を作った。


土の生成から始める魔術と、既にある土から生成する魔術があるが、今回は後者だ。


周りの土が集まり凝縮して剣の形を作り出していく。


全く精巧とは言えない、子どもが粘土で作ったような剣型の棍棒のようなものだが、長さと刃があれば十分だ。


片刃の厚みのある反りのない刀みたいな形になったが、これが俺の土魔術で作る武器の基本形だ。



土を凝縮させているので岩剣とでも言うべき頑丈なものだが、それでも子どもの手で持つので柄の部分は細い。


普通に持ち上げれば、柄で折れるので、身体術で剣を強化して持ち上げる。



エルン村長がエルン隊時代から使っていた刃渡り10m程度の剣よりも少し重いが、問題なく振れる。



一通り素振りして肩慣らしを終えた後、10mの剣を土に戻す。



さあ、これからが本番だ。




もう一度、土魔術で剣を作る。



今度は刃渡り100mの剣だ。



10mの剣を作ったのと同じくらいの時間で生成を終える。



10mの剣と全く同じ形で100mの剣を作ると、体積は1000倍になる。

長さが10倍なら幅も厚みも10倍で10の3乗倍になるからだ。



同じ密度で作っても10mの剣の1000倍になると、さすがに身体術を使って振るうのも大変だ。


体積1000倍の武器に身体術で強化を施したうえで、1000倍の重さの武器を子どもが端を持って振るう。


足場、この場合は脚が浮かないようにする足場と、持ち上げる腕力と、体幹の強化も全て同時にやる必要がある。



体積が1000倍になって射程が10倍になるだけというのは割に合わないので、俺が振るうには必要な幅と厚さを削り、体積が10mの剣の50倍くらいになる程度で細く薄い剣を作った。




刃渡り100mの剣を身体術で強化し、持ち上げてゆっくりと振るう。



きつい、が、ギフトに覚醒してから最初に試した時よりはかなり楽だな。


あの時は腕が飛んだり背骨を粉砕したり、悲惨な目にあったが、今は調整しながら動ける。



左右に素早く振り、振りかぶって上段から振り下ろす。



飛び上がって上空に足場を作り、地面スレスレに振り切る。


上空の足場の上で様々な方向に振り、高速移動しながらも振ってみた。



刃渡り100mの剣は、問題なく使えるようだ。




さて、ここからさらに実験的な試みを。


刃渡り1kmの剣を作って振ってみる。



刃渡り10mの剣と同じ形でつくれば、刃渡り1kmの剣の体積は100万倍になる。

100の3乗倍になるからだ。



幅と厚みを刃渡り100mの剣と同じにすると、刃渡り10mの剣の500倍で済むが、細すぎ薄すぎで、生成した瞬間にすぐに折れそうなので、幅と厚みを増して2000倍くらいで生成する。



南西の端に立ち、その端から基準となる柱に向けて土魔術を行使して刃渡り1kmの剣を生成する。



10mの剣、100mの剣よりも少し時間がかかったが、生成が終わる。


周囲の土を集めて作ったので、南西から北東に向けて、大きな空堀ができた。


手元の方では少なく、先の方では多く土を集めたので、北東に行くほど深くなる傾斜ができ、その空堀の中心に生成した刃渡り1kmの剣が横たわっている。



身体術で剣を強化し、そしてゆっくりと持ち上げる。


腰の強化が足りずに折れそうになったが、すぐに追加で強化して剣を縦に構える。


海の方に振り返り、振り下ろして海面につく前に止める。


体のあちこちが千切れそうになるが、強度も靭性も強化が間に合って無事だ。



風圧で海面が一瞬割れた。


振り下ろすのに1秒もかかっていないが、仮に1秒だとすると、半径1kmの剣を90°振り下ろす、剣先が動く円周の距離は、1km✕2✕π÷4で、剣先の移動する速さはマッハ5弱くらいになるのか。


それは海も割れるね。



振り下ろして海面の上で止めた剣を左右に振る。



左に振り、右に切り返したところで、体幹の強化が間に合わずに背骨が粉砕した。


そのまま剣を海に投げ捨て、痛みに耐えながら身体術で背骨を治す。


久しぶりに、脂汗と冷や汗を大量に流れでる。



ヤバかった・・・1kmの剣は慣れるまで時間がかかりそうだな。

というか、時間をかけてまずゆっくり振って慣れないとな。




土魔術で土を生成して、1kmの剣を作った時にできた巨大な空堀を埋め戻した。



そして、南西開拓試験場の基準となる柱から西方向と南方向に、柱と同じ100mの高さで厚みを10mにした壁を作った。


その壁の外側から土を集めたので、壁の外側は大きな空堀になっている。


その外側に生えていた樹木は根をむき出しにして倒れている。



高さ100m、厚み10m、長さ1kmの壁を西方向と南方向に2つ作る作業は結構時間がかかり、終わった頃には日が暮れていた。



仕上げに、火魔術を並列起動して南西開拓試験場で草木やあるかもしれない樹木の種を燃やし尽くした。




また1ヶ月後くらいに南西開拓試験場を見に来よう。


壁を築いて、壁がなかった時とどう変わるかだな。


草木の種も飛来しにくくなったと思うんだけど。


壁に対して魔獣がどういう行動を取るかも気になるところだ。



俺は南西開拓試験場を去り、エルン村に戻るために空中を駆け出した。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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