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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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現有知識の確認 ①人間関係

一番気になっていたギフトについてある程度考察できたので、次は身近な人間関係を確認しよう。



俺の妹のイリナ。

俺の2つ年下で今は3歳。


王都で周りに迫害されていたからか、大人が声を荒げたりすると、その人に悪気がなくても怯えていた。


辺境開拓村で受け入れられて、アルト同様に少しずつ心を開いて、今はゴツイ大人が大声を上げたりしても、その人が悪い人ではないと分かっているから気にせずに懐いている。

おかげで村の人気者になっている。


髪の色は俺と同じ焦げ茶色、目の色は母さんと同じ青色。

母親似で美人になりそうだと思っている。

父親似でゴツくなりそうな俺と違ってほっとしている。


アルトは遺された唯一の肉親として大事にしてきた。

今の俺にとっても大事な妹だ。




エルン村長。

辺境開拓村の村長。


男爵の爵位持ちで、ソーディスという姓もあるけれど、書類の署名に書くくらいで本人も含めて爵位も姓もあまり気にしていないみたい。

書類を見たから俺は知っているけれど、村では知らない人のほうが多そうだ。


辺境開拓村も正式名称は『南東辺境開拓地域』らしいけれど、みんなエルン村と呼んでいる。


剣士のギフト持ちで、この村とは別の辺境開拓村で育って、王都で軍人になり、出世してエルン村長の裁量で動ける独立戦闘部隊の隊長になったそうだ。


この部隊はエルン隊と呼ばれていて、この村は元エルン隊の人が多くてその流れでエルン村と呼ぶようになったとか。


エルン村長とエルン隊は多くの戦場で戦果を上げて王国でも有名な部隊になったそうだけど、そのせいで貴族たちに妬まれることになり、エルン隊を更迭されてエルン村に送られることになったそうだ。


そんな経歴とは裏腹に、普段はとても穏やかで、村の戦闘訓練中は叱ることもあるけれど、理不尽に怒ったりするところは見たことがないし、叱った相手本人のことを考えていることがよく分かった。


俺の父さんとは大違いで、筋肉の塊じゃなくて長身細マッチョな体型。

もちろん全く弱々しいカンジはなく、訓練でバカでかい大剣を振るっているときはすごい迫力だった。


俺とイリナが王都で死にかけていた時に助けてくれた恩人でもある。




アデリナさん。

エルン村長の奥さん。


農業のギフトを持ち、エルン村の生産面での軸になっている人だ。


王都では魔術の研究をしていたそうで、農業のギフトで使えるようになった魔術だけでなく、土魔術、水魔術、生命魔術を開発して、エルン隊ではエルン村長を筆頭に魔術を教えていたらしい。


戦争で水を出せるだけでも兵站に有利そうだし、生命魔術で怪我の治療ができれば継戦能力も向上するだろうし、エルン隊の活躍の重要な要素になっていたんじゃないかな。


優しくて人当たりがいいし、エルン村の農業を引っ張っていくリーダシップもある。

それに王都で研究していただけあって、とても頭のいい人だと思う。


俺にとって母親のような人だ。

俺の母さんは父さんほどではないけれど大雑把で男勝りだったからなあ。


アデリナさんは子どもが息子3人なのもあって、妹のイリナを初めてできた娘だと言ってとても可愛がってくれている。

イリナは俺と違って物心がつかないうちに母親を亡くしてしまったから、本当にありがたいことだ。




キリル兄さん。

エルン村長の長男。


今は11歳でギフトには覚醒しなかったみたい。


両親と次男にギフトに覚醒して、自分だけギフトがない、というのはコンプレックスになってもおかしくないように思えるけど、家族を妬んだりせず、自分にできることを努力しているみたい。


エルン村長に学んで身体強化ができるようになったり、アデリナさんに学んで魔術を使えるようになったり、本を読んで勉強したり、訓練や農業の手伝いもがんばったり。


俺たち兄妹に対しても優しく受け入れてくれた。

努力家で尊敬できる兄貴分だ。




レフ兄さん。

エルン村長の次男。


今8歳で7歳の時に鍛冶のギフトに覚醒したと聞いている。


天才肌で飄々としていて、いたずら好き。


それでも鍛冶のギフトを活かして武器を含めたいろんなものの製造や修繕、アデリナさんから土魔術を習って農業の手伝いなど、まだ子どもなのにフル活用されているけれど、口では文句を言っても大事なことは手を抜かない。


デキる三枚目、といったポジションで、親しみやすい兄貴分かな。




オレグ。

エルン村長の三男。


4歳でちょうど俺とイリナの間の歳の、エルン村長の家族の末っ子。


俺とイリナがエルン村長の家でお世話になることになって、歳の近い子どもが増えて喜んでいた。


俺、イリナ、オレグの3人でよく遊んでいて、年相応のやんちゃな子どもというところかな。

俺が父さん似で歳の割に体が大きいこともあって、一番歳の近い兄貴分として慕ってくれていると思う。




イゴール。

俺の父さんだ。


怪力のギフト持ちで、背も高くて筋肉の塊みたいな体格で、ギフトなしでも力持ちだったらしい。


いろいろ大雑把で豪放磊落といったカンジの人だったけど、家族にも周りにも優しくて好かれていたと思う。


俺が生まれた時にはすでにエルン村長はエルン村に更迭された後だったから、父さんが元エルン隊の隊長だった時に俺もイリナも生まれたことになるかな。


俺が4歳の時に亡くなってしまったから、父さんのことをそれほど知らないし、イリナは2歳だったからほとんど憶えていないと思う。


イリナは父さんが亡くなってから元エルン隊の人や家族に罵られた時の、父さんへの悪口の方が記憶に残っているかもしれない。

イリナに教えてあげるためにも、エルン村の人たちに父さんのことをいろいろ聞かないとな。




エレナ。

俺の母さん。


槍術のギフト持ちで、元エルン隊では副官みたいなポジションだったらしい。


美人だったけれど、父さんほどではなくても大雑把で男勝りなところもあって、槍術の上位のギフトと言われている槍士ギフト持ちの敵と一騎打ちして倒したり、武勇伝もいろいろあったらしい。


俺が生まれてから、戦うより子育てのほうが大変だと苦労していたそうだ。


イリナがお腹にいる時も訓練して周りに止められていたりしていた。


それでもイリナが生まれた時はがんばって世話をしているのを見ていたし、俺やイリナのことを愛してくれていたと思う。


母さんのこともエルン村の人たちに聞いてイリナに伝えてあげないとな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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