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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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王国建国再現実験①

東と南への大森林の果てを見て、大森林の大きさやその立地について理解することができた。



エルン村長一家とイリナに、南の果ての先も海だったこと、大森林が俺達のいる大陸の最南端から覆っていること、エルン村から東に4000km程度、南に2000km程度行ったところに、大森林でも一番濃度の高い場所がありそうだということなどを報告した。



オレグとイリナは相変わらず目をキラキラさせながら体を揺すって聞いていた。


エルン村長とアデリナさんが、今回は特に感慨深いようだった。


世界の概要の一端がわかったこと、自分たちが暮らしているエルン村の立地が、大陸を覆う大森林に対しての人間の最前線、楔のような場所になっていることなど、大森林の全体像が分かったことでエルン村の立地の特異さも思い知ることになったからだろう。




もう1つ、大森林で検証したかったこと、それは大森林を切り開くことだった。



一定の範囲で魔獣や瘴気獣、樹木や草木まで全て滅ぼし、更地にしたらどうなるのか、時間が経過するとどうなるのか、周囲の魔獣等への影響や、どのように復元していくかなどを確かめてみたかった。



思いついた時は、大森林でエルン村から離れた奥地、エルン村に影響しないのであればどこでもいいのでやってみようと考えていた。


エルン村長からもそれでOKをもらっていた。



大森林の立地や大きさ、魔素の濃度の分布などを理解でき、アクチュア王国が大森林を切り開いたことの特異性を理解することもできた。


なので、俺はアクチュア王国建国者に倣ってみることにした。



切り開く場所は、大森林の南西。

アクチュア王国の立地と同じように、大森林の中では魔素の濃度が低い端の立地だ。


1km四方を切り開いてみようと考えている。


接する縁の半分が海で、半分が大森林となるだろうか。


エルン村からまっすぐ南に4000km行った所は、海岸線が西北西から東南東に傾いていたから、そこから西に行ったところでも正方形にはならないだろう。


それでも、わかりやすい場所になるので、時間経過した後に再確認するにも便利そうだ。




朝にエルン村を出発し、南に4000km下る。


観察しながら向かう必要もないので、途中からスピードを上げ、マッハ4くらいの速さで1時間もしない内に南の海岸にたどり着く。



有仁の世界とは物理法則が違うのか、まあ魔素や瘴素なんてものがあるんだから違うんだろうが、音速の壁もソニックブームも発生しない。


面倒が少なくてありがたい限りだ。



世界が球体だったり、重力があったり、共通点もあるが、厳密には違うんだろうな。


どう違うかの検証も面白そうではあるんだけれど、有仁は物理学にそこまで深く造詣が深いわけでもなかったし、役に立ちそうな知識があれば、都度試してこちらの世界でうまくいくように検証するくらいに留めるのが丁度いいと考えている。




大森林の南の方に来ると、エルン村の周辺では全くと行っていいほど見かけなかった、鳥型の魔獣が飛んでいるところをよく見かける。


ちなみに、東の端の方ではこれまたエルン村周辺では見かけなかった虫型の魔獣が多く分布していた。



東の端に到達した時に周囲を確認したくらいだが、虫型の魔獣は大きさの割に魔素が濃いように感じた。



そして、今いる南の端の鳥型の魔獣は大きさの割に魔素が薄いように感じる。


鳥が大きさの割に軽い構造になっているからだろうか。


地面から離れて暮らすので魔素の影響が薄い可能性もあるか。




海岸線に沿って西に、正確には西北西の方向に向かう。


亜音速程度の速度に抑えて観察と警戒は怠らない。



進んでいくと少しずつ海岸線の角度が北寄りになってきた。


途中で北西くらいの方向になっている。


大森林は大陸から南方向に突き出している、半島のような地形である可能性が高くなってきたかな。



西側の海も見える地点に到着した。


海岸線は北北西よりも北寄りで、このまま海岸線に沿って進み続けると、南西辺境開拓地域に到達するだろう。


西と南にかけて、大地が緩やかな曲線を描くこの地点で、アクチュア王国建国の再現を実施する。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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