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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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4つの辺境開拓地域①

アクチュア王国の辺境開拓地域は、エルン村のある南東辺境開拓地域以外に4箇所ある。


北東、東、南、南西の4地域だ。



以前、エルン村長に、大森林に接した5つの辺境開拓地域が連携すればメリットが大きいのに何故していないのか、尋ねたことがある。


1箇所の危機に応じた一時的な人員の集約、知見やノウハウの共有など、いろいろできることが考えられる。


辺境開拓地域は全て王家直轄領であり、もう長年対大森林の最前線として、前進も後退もしていないため、位置もほぼ固定されている。


わざわざ点で管理せず、なぜ連携して面で大森林に対することができるようにしないのか。



エルン村長の答えはシンプルだった。


王家にその力はない。


貴族は、特に大貴族と呼ばれる者たちは、王家の力を削ることに熱心だ。


辺境開拓地域は王家の負担だが、それを重くすることはあっても軽くすることなど許さない。


そんな政治上の問題で、今に至るまで辺境開拓地域の間での連携はされていないそうだ。



ローゼルスタッド侯爵家主導のスタンピード誘引を阻止する過程で、大貴族は改善させないことで王家の負担を維持するより、積極的に破綻と再建に誘導することで王家の負担を累積させていたということが分かった。




エルン村長たちが戻ってきて、予定通り、移民の受け入れをエルン村長主導で行えるようになったと報告があった。


これで、南東辺境開拓地域では外部の介入の大部分を排除できる体制を確立できた。



それでも、他の辺境開拓地域との連携を進めるのはまだ早いだろう。


それこそ政治的な状況を変える必要がある。


何にせよ、俺が王都に行ってからの話になるだろうな。



他の辺境開拓地域と連携するのは今は無理だとしても、それぞれどうなっているのか、環境や体制、運営状況などを把握しておくのは、悪くないと思う。


良い点があればこちらでも検討すればいいし、悪い点があれば反面教師にもできるだろう。


将来必要になりそうな情報でもあるし、必要になった時は状況が変わっているかもしれないが、今と将来の違いを比較できるのも大きい。


今の内に収集しておくのはありだろう。




北西村潜入でオレグやイリナとの時間をとることができなかったこともあり、そちらが一段落してから、しばらくの間、2人と過ごす時間を大事にすることにした。



エルン村長たちが王都から戻ってから2ヶ月ほど経った頃、俺は他の辺境開拓地域の観察を実施していくことにした。


長期間出ずっぱりになるわけではなく、1箇所ずつ数日潜入してはエルン村に戻るつもりだ。


エルン村でもいろいろやることがあるしな。


再来年には鍛冶ギフト持ちのレフ兄さんが王都に行くことになっているし、1年と少しの時間で、レフ兄さんがいなくなった後の体制についてのフォローも必要になっている。




エルン村長とアデリナさんに予め各辺境開拓地域を観察する計画を伝えていたが、潜入して観察する日数と、観察全体の日数の差がほとんどないことで、他の辺境開拓地域に日数をかけずに移動する手段についてアデリナさんから尋ねられた。



上空に上がり、空に足場を作りながら空を駆けていく手段で、その日のうちに1000km離れた北東辺境開拓地域と南西辺境開拓地域に到達できる、と答えると、アデリナさんからとても驚かれた。


エルン村長は大森林探索で俺が魔獣を持って上空からエルン村の解体場まで運んでいるところを何度も見ているので、そこまで驚いてはいなかったが、1000kmの距離でも同じようなことができることには驚いていた。



長距離高速移動を、単独でも強力な戦力が使えること、これは貴族、それだけではなく王家にも大きく警戒される力になる可能性を、エルン村長から指摘された。


確かにそのとおりだ。


俺は真のギフトが為政者に必ず警戒、もしくは殺意を持たれると考えて隠すことにしたのに、同じような要素を、身体術で実現できることだからと、それほど警戒していなかった。



考えが足りなかったなと反省して、俺が長距離高速移動できることは、エルン村長一家とイリナ以外には秘密にしておくことを、エルン村長とアデリナさんと取り決めた。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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