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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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目覚め・自己確認

アルトがギフトに覚醒すると共に、有仁の人格や記憶が芽生えた。


俺(僕)はいったいどうなって何者になったのだろうか?


確認しよう。



二重人格というカンジではなさそうで、二人の記憶はあるけれど、二人存在するわけではない。


総合されたというより、統合されたというか、重なって整理されているカンジだろうか。



アルトの記憶も有仁の記憶もどちらも同じくらいの強度(濃度?)で存在しているように思える。


思考力は有仁が圧倒的に優位だからか、ほぼ有仁に寄っている。


家族に対する思いは、今存在しているアルトの家族、村長一家、村人たちに対してのアルトの思いが強く、有仁のようなドライなカンジはない。



記憶からの感覚としては、俺(有仁)は「元の人生で幸せだったし、転生なんぞ望んでもいないのに何で俺が?」という思いがあるし、アルトは「今までよりもいろんなことを考えることができるようになったし、いろんなことができるようになった。みんなの役に立てそうで嬉しいな」という思いがある。


有仁の思いはアルトの思いと対立するわけではなく、有仁的な考えとしても、アルトとして世話になった人たち、恩ある人たちに報いていかないとな、という考えになっている。


二人の人生が重なったのに混乱がないことが不思議に思えるが、そんなものかもなとも思う。



有仁は、それほど数は読んでいないが、ファンタジー小説・異世界転生モノも読んだことがある。


読む本はビジネス書や専門書がほとんどだったが、社会の前提が一つ変わればどうなるか、魔法や人間以外の知的生物などの要素が追加されるとどうなるか、という思考実験として面白いなと思ったこともある。


概ね息抜きとしてがメインだったが。


がっつり異世界転生するとは思っていなかったなとも思う。



有仁の人生がどうなったかは気になる。


特に死んだ記憶もない。


有仁は有仁としてそのまま元の世界で生きていて、人格や記憶がコピーされただけとかもあるのかなと思う。


ファンタジー小説やSF小説などでありがちだろう。


実際はどうなのか、考えてもわからないし検証しようもないし、今はアルトとしてここにいるという事実だけがあるな、と開き直り、元の世界の有仁のその後は特に考えないことにする。



いろいろ考えてみたが結論として、俺はギフトに目覚め、知識が強化されたアルト、それでいいだろう、と自身を定義付けた。

この作品を読んでいただきありがとうございます!


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