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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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2人の魔法士

俺が6歳になった年に入って半年足らず、正直なところ、可能性があるという程度の期待度だった取り組みの成果がついに出た。



オレグが土魔法のギフトに覚醒したのだ。



オレグがエルン村長一家と俺達兄妹の前で報告した時、俺とオレグ以外はとてつもなく驚いていた。



魔法のギフトに覚醒したものは魔法士として、ギフト持ちの中でも最上位の扱いを受ける。


ギフト持ちのための学校を卒業した時点で男爵に叙爵される。

今のエルン村長と同じ爵位だ。


まあ、エルン村長は承継可能な男爵で、魔法士が学校卒業で叙爵されるのは一代限りの男爵だけれど。


それでも、魔法士は学校卒業後にも優遇され、活躍の場も与えられるのでそれ以上の爵位に陞爵することがほとんどだ。


それほど稀少で貴重なギフトってことだな。



エルン村でも大騒ぎになった。


騒ぎが収まらない内に誰かが酒を持ち出してそのまま宴会になったくらいだ。


オレグがエルン村の中でどのような役割を果たしていくのか、近々決めた後で報告するとエルン村長がみんなの前で宣言し、何とか収まりがついた。


まあ、何がどうめでたい話なのか、誰もよく分かっていないままに「すごい」「魔法士すごい」とみんな勝手に盛り上がってしまったようだ。




エルン村長一家と俺達兄妹の7名で話し合いの場を持った。

まあイリナはおまけみたいな立場だったが。



まず、話の叩き台として、俺が方向性を示した。

・あったら便利な魔法を使えるようになってもらう

・アデリナさんとレフ兄さんの生産系ギフトの知識から、今まで技術的な面でできなかったことを挙げてもらい、魔法として使えるようになってもらう

・オレグが使った魔法を俺が術式に落として魔術として使えるようにする



特に俺の意見に対しての異論はなく、付随して次のことが決まった。

・エルン村長一家と俺達兄妹以外の村民から、あったら便利だと思うアイデアを思いついた場合、その窓口にキリル兄さんがなること

・キリル兄さんがエルン村長に報告を上げ、魔法として、そして魔術として開発すべきかどうかを判断すること

・オレグの時間のある時に、生産系の仕事を手伝うこと

・俺と同様にオレグの子どもとしての時間を必ず取ること


エルン村長がエルン村内で決まったことを報告し、エルン村内でも特に反対意見がでなかったので、オレグは魔法・魔術開発要員として、村の運営に参画していくことになった。




オレグが土魔法のギフトに覚醒したことは、偶然ではない。



俺の真のギフトで、オレグ個人の人間の原型、プログラミング的に言えばオレグのインスタンスの、ギフトと結合する箇所を、ほんの僅かずつ変化させて、土魔法のギフトを受け入れやすくしたのだ。


まだギフトに覚醒していない子どもで、俺が高頻度で定期的に対象の人間の原型にアクセスできることが必須なので、誰にでもできるわけではないんだけど。



土魔法のギフトを持つものがいれば、エルン村における既存の魔術の枠に捉われない土魔術が開発できる。


俺が欲しいと思っている魔術がいくつもあるんだけど、既存の魔術から外れすぎていて俺が開発すると「大力」ギフトとしてはおかしな話になってしまう。


エルン村に必要になる土魔術を、これで思う存分に行使できることになるだろう。



オレグには無断でやったことだけれど、俺と大人になっても一緒に行動したいこと、そのためにギフトが欲しいこと、魔術を行使することが楽しいこと、その中でも土魔術がオレグに合っていて気に入っていることを確かめていたので、オレグの望みには沿っていると確信している。




俺が6歳になった年が後3ヶ月となった頃、イリナが水魔法のギフトに覚醒した。



例によって、俺が覚醒させたんだけれど。



オレグが土魔法のギフトに覚醒してから、オレグによる新たな魔術の開発や生産活動における活躍で魔法士のすごさをエルン村では誰もが実感していたから、同じ年に2人目の魔法士が現れたことでまた大騒ぎになった。



今度は魔法士のすごさを理解しての騒ぎで、オレグの時以上のテンションの宴会に発展した。


基本的にオレグと同じ扱いにするとすぐにエルン村長が報告したが、それで収まるようなこともなく、夜明けまで飲み続けている人たちもいた。



イリナも、俺とずっといたいという望みがあり、またオレグの土魔法のギフトを羨ましがっていたので、とても喜んでいた。




オレグが土魔法ギフトに覚醒するまで、アデリナさんが王都で開発を続けた魔術と、レフ兄さんが使えるようになった魔術に加え、俺がそれらに改良を加えていた程度だったけれど、土魔術と水魔術についてはそれまでと段違いのスピードと規模で開発が進むことになった。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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