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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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大森林探索と盾役導入②

戦闘メンバーが小型魔獣4頭の処理を終えたところで反省会を終了し、また俺を先頭にして探索を始める。


「正面、10秒で接敵、小2、全て犬型。僕が戦います」


手頃なサイズと数の、先ほどと同じ犬型の小型魔獣が来たので、戦い方の見本を見せよう。



見学メンバーの1人からショートソードを借り、身体術は剣を振れる最小限に留めて、魔獣の方に向かって歩く。


1頭が少し先行して俺に飛びかかってきたので、躱しながら剣を斬り上げ、首を落とす。



もう1頭は俺に飛びかかるのをやめ、止まって唸り声を上げている。

1頭を瞬殺した俺を警戒しているようだ。



俺は魔獣に向けて歩き出し、顔に斬りつけた。


当たったものの、傷ができた程度でほとんどダメージを与えていない。


魔獣が俺に飛びかかろうと足に力を入れたタイミングでまた斬りつける。


出足をくじかれて飛び上がることができなかったものの、またあまりダメージは与えられていない。



少し下がった魔獣に向けて俺はまた歩き出し、今度は斬りつける剣を一度止め、タイミングをずらして顔に斬りつけた。


今度は深く傷が入り、血しぶきが上がった。



俺はひるんでいる魔獣の脇に飛び込み、首を切り落とした。




俺は見学メンバー3名を呼び寄せ、魔獣の傷を確認してもらった。


「剣が振れる程度の身体術に留めて戦ってみました。気づいたことはありますか?」


「こっちはいつも見ているのと同じようにあっさりと倒していたな。俺から借りた剣で、身体術の強化がそれほどでなくても、ここまでキレイに倒せるんだな」


俺が剣を借りた、最初に倒した方を見ていた見学メンバーが答えた。


「こっちは最初の2回はほとんど効いていなかったのに、同じくらいの力で振ったように見えた3回目の攻撃は結構効いていたな」


「一度剣を止めてフェイントを入れているように見えたけど、それが関係あるのかな?」


後で倒した方の魔獣を見ていた2人が顔の傷を見ながら答えた。


「よく見ていましたね。魔獣も身体術のようなものを使って魔素で体を強化しているみたいなんですが、ずっと限界まで強化しているわけではなくて、攻撃をするときや攻撃を受ける時に強く強化したりしているようなんです。なので、魔獣が攻撃を受けると思っているタイミングからずらして攻撃すると、魔素による強化が薄くなって傷が深く入るんですよ」


何度も大森林探索に参加して、魔獣の体の中の魔素の動きを見ていて気づいたことだった。


戦闘メンバーは基本的に安全に倒せる程度の魔獣を相手にしているからか、魔素による強化の濃淡とかあまり気にしていなさそうだったんだよな。



エルン村長やキリル兄さんは何となく感覚で分かりかけていたことだからか、納得しているような表情だ。


他の戦闘メンバー2人はかなり驚いていた。


「魔獣の大きさに限らず、同じような傾向があるので、中型とやり合うときには意識してみてください」


戦闘メンバー2人に伝えると、深く頷いていた。




それから4度ほど小型魔獣と遭遇し、見学メンバー3名に戦ってもらった。


慣れてきたこともあって、やり合う時間は短縮され、たまに一撃で仕留めることができるようになっていた。


まだ盾役なしだと危ないかもしれないけど。



一度、鼠型の全長2.5m程度の小型魔獣に遭遇して、そいつには苦戦していた。

元の動物が小さい型の魔獣は、同じサイズの魔獣より手強い傾向があることを体で学んでもらった。


鼠型で2.5mだと中型の弱い魔獣よりも強いくらいだったが、倒し終わるまでは内緒にして戦ってもらった。


サイズで大体の強さは決まってくるが、絶対にそうというわけではないことを、実体験として学んでもらえたことだろう。




中型の兎型魔獣3頭と遭遇した時は、エルン村長とキリル兄さん以外の戦闘メンバー2名に戦わせた。


この2人はまだ身体術で自分の体以外の強化ができないので、刃渡り100cm程度の厚めに作られた重量級のロングソードを使っている。


俺が他者の体を通して使う身体術を行使することで、この2人は身体強化を全身で2倍以上に強化できるようになっていたので、結構強くなっていたと思う。



俺が盾役として攻撃を防ぎ、2人は攻撃に集中できるので、初めは中型魔獣の固さになれず、戸惑っていたようだが、それほど時間をかけずに3頭を倒せていた。


中型魔獣にも自分たちの攻撃が通用するということが分かって、強くなった実感が湧いて感動していたようだった。




それから3度、中型魔獣と遭遇した。


全長5mの犬型魔獣と遭遇した時に、見学メンバー3名にも攻撃参加させてみた。

ほとんどダメージを与えることができず、小型魔獣との動きの違い、固さの違いに驚いていたようだった。


戦闘メンバー2名は全長9mの猿型魔獣にはかなり苦戦していた。


同じ中型でも型の違い、サイズの違いで強さが異なることを実感したようだった。




今日はあまり深くまで探索しないと決めていたので、4度目に中型魔獣に遭遇した後で引き返した。


帰りはできるだけ魔獣に遭遇しないようにルートを選び、小型魔獣と1度遭遇しただけでエルン村に戻ることができた。




大森林を出てエルン村の広場に戻ったところで、見学メンバー3名と戦闘メンバー2名が座り込んだ。


まあ、いつもとは違う緊張もあり、戦闘用の身体術をかけた状態で動き続けたこともあり、疲れる要素は満載だっただろう。



それでも、得た経験は大きく、強くなっている実感もあったようで、楽しそうに笑い合っている。


いい体験になっただろうし、今後の訓練への取り組み方も違ってくるだろう。



エルン村長とキリル兄さんと俺は、互いに今日の探索について労い、今後どのようにしていくかを話し合った。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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