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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

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PEST分析(2回目)

アルトと有仁が統合してすぐにPEST分析(政治・経済・社会・技術の4つの視点で外部環境を分析)を試みて、自分の既知・未知を整理したけれど、情報収集し、いろいろ着手して明らかになったこと、変化したこともある。


現時点で何がどうなっているか、何をすべきかを整理し直してみるか。



まずは再度PEST分析をしていろいろ整理してみよう。




政治:

エルン村を日本の住所みたいな言い方をすると「アクチュア王国 王家直轄領 南東辺境開拓地域」で、南東辺境開拓地域の中でも南東の開拓最前線を通称エルン村と呼んでいる、ということになる。



アクチュア王国は大森林を切り開いて建国された国で、南と東で大森林に接し、西は海に接する。


他国とは北のみで接している。


アクチュア王国は大森林と接しない北側の領土に対する野心があり、隣接する国家とは常に敵対している。



アクチュア王国は絶対王政より封建制に近く、王家は国のトップと認められながらも象徴のような存在で貴族を統制する力はない。


貴族領に対して王家の統制はほとんど取れておらず、貴族領から王家に対しての税などはなく、軍事や外交などにおいても貴族の有力者が実権を握っている。



ギフトの管理については王家の専権事項とされていて、年に1度、10歳になった子供はギフト確認の王都からの使者により鑑定を受けることになっている。


ギフト持ちは12歳までに王都に行き、ギフト持ちのための学校に通わなければならない。


ギフト持ちの学校に通う間は準騎士としての地位に置かれ、平民とは異なる階級となる。


ギフト持ちは魔法士系、軍事系、生産系の3区分に分類され、それぞれ異なる扱いを受ける。


魔法士系に該当するギフト持ちは、学校を出た後は一代限りの貴族とみなされ、男爵に叙爵される。


軍事系に該当するギフト持ちは、学校を出た後は騎士の地位に置かれる。騎士は貴族と平民の間の階級という位置づけだ。


生産系に該当するギフト持ちは、学校を出た後も準騎士の地位に維持される。



辺境開拓地域は王家直轄領ではあるが、王家への納税の義務はない。


大森林に対する防壁の位置づけであり、辺境開拓地域以外の王家直轄領や貴族領の貧民・難民に対する棄民政策の性格も持つ。



PESTの4区分のどこに該当するかに迷うところだがここに含めておく内容として、有仁の世界と大きく異なるのは、この国には『季節』が存在しないことが挙げられる。


1年を通して、1日の朝昼晩の温度変化はあるし、天候の変化はあるが、一定の気候が続いている。


アクチュア王国全体で季節の変化はなく、大森林もそうらしい。


隣国には季節の変化があると聞いている。


大森林と元大森林だった土地の特徴だろうか。




経済:

エルン村は衣食住全てにおいて自給自足可能な状態にある。


北西村はエルン村からの供給と、魔素に弱い人向けの食料を近隣の町から購入することで賄っていたが、現在では北西村への供給もエルン村のみで可能な状態にある。


ただし、外部からの情報、商品の多様性や様々な分野における情報が必要なため、完全自給はしていない。



農業についてはアデリナさん、村の防衛や狩りはエルン村長に依存しているが、特に後者については改善傾向あり。


レフ兄さんがエルン村にいる間は臨時で鍛冶による加工物、鉄具などを近隣の町への商品としている。


魔素をほとんど含まない農作物を大量に供給できる見込みがあるため、近隣の町への対価はこちらを主流にする予定。



近隣の町のニーズが分かればそちら向けの商品・サービスも検討できるかもしれない。


魔獣の肉は魔素に弱い人間には受け入れられないだろうが、皮や骨の加工品などは可能性がありそうだ。


サービス業は、武力かそれ以外、武力以外なら魔術のニーズがあるかもしれない。




社会:

こちらの世界は有仁の世界に照らし合わせると中世・近世・近代が混ざっているようなものになっている。


その違いのもとになっているのは、大元を辿れば魔素や瘴気の存在とギフトを始めとする神またはそれに類する者の関与、となるだろうか。


魔素や瘴気があるから魔獣・瘴気獣のような外敵が存在し、身体術や魔術のような人間を拡張するような技術も存在する。


ギフトや人間によるものでない神具などがあるから、発展した知識や習慣、貨幣制度などが成り立ったりする。



ギフトとは何か、というテーマに対する考え方は、大きく3つに分かれている。


当たり前に存在するものという考え方、禁忌の存在であるという考え方、神からの恩寵という考え方の3つだ。



ギフトが当たり前に存在するものという考え方は、後者2つの考え方の間とも言えるし、元はこの考え方しかなかったそうだ。


ギフトで強いかギフトなしに強いかに関わらず単純に強さで見る、ギフトにより得られる知識か自ら編み出した知識かに関わらず単純に知識だと見る、あったら便利だという感覚と、ギフトを有利な要素扱いはするものの神聖視はしない扱いで、ほとんどの国はこの考え方だそうだ。



ギフトが禁忌の存在であるという考え方は、アクチュア王国も接している隣国の1つ、ジェミニ聖国、単に聖国とも呼ばれる国における考え方だ。


ギフトは罪の証であると考え、ギフト持ちは隔離され、キャンセルのギフト持ちの制御下におかれる。


キャンセルのギフト持ちは例外として罪を罰する執行官のような立ち位置で、国に確保されるようだ。



ギフトが神の恩寵であるという考え方は、アクチュア王国における考え方になる。


建国した初代の王がギフトを3つ持ち、大森林を切り開く先頭に立ったこと、大貴族は初代がギフト持ちで活躍したことなどから、ギフト持ちを優秀な人間として平民より上の階層として扱うようになったようだ。


また、ギフトが遺伝しない一代限りのものだから貴族になりやすく、貴族家として実績がなければ次代以降で叙爵される、他の国と比べて階層の流動性が高い国になっている。

あそれも、形骸化して既存の貴族の権威が強まっているようだけれど。




技術:

井戸にポンプすらないのに薄い紙に多色刷りの絵本なんかがあったりして、技術が不均衡すぎると感じていたけれど、そういった高度な技術は基本的にギフトによる知識か、ギフトの能力によるものらしい。


「薄い紙に多色刷りの絵本」の場合は、薄い紙が製紙技術の知識で、多色刷りは「写本」「複写」などのギフトで実現しているそうだ。


通貨が現代日本と変わらないレベルで作られているのは、神具によるものらしい。

造幣の神具は、大森林やそれ以外の魔境で稀に発見されるらしく、材料を用意すれば通貨にできるそうだ。



人流・物流・商流・情報流など、モノの流れについて、人流・物流は馬車レベルで自動車などは存在せず、商流は現金決済か顔の見えるレベルの信用による決済で為替や先物のようなものはなく、情報流は都市では新聞のようなものがあるものの基本は媒体なしで人伝、というところのようだ。


モノの流れについてはあまりギフトなどが関与せず、発展していないように思える。

ヒト・モノ・カネを投資すれば、優位に立てそうな分野でもあるな。




整理してみると、自分の目で確かめられていないことは多いものの、それなりに自分の、そしてエルン村の置かれている状況、この世界のことが分かってきた気がするな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。

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