↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

253/256

南部辺境開拓村の運営引き継ぎ② 10年間の内容、見送り

資料の内容を中心に、記録の中で気になった項目も含めてジェニアに質問を重ねていった。


もちろん俺だけでなく、エルン村長夫婦とレフ兄さん夫婦も同席して質問している。


レフ兄さんとケイトさんはこれから南部辺境開拓村を統治していくので、真剣に検討している。



人の出入り、物の出入り、死亡者と死因、農業の生産量と人口の関係、魔獣の出現率や被害など、重要な内容については深堀りして確認していった。


南部辺境開拓村を運営してきたその苦労についてもよく伝わってきた。



貧民の終着点としての辺境開拓村、その中でも最も送りやすい場所とされて最大の人数を抱える南部。


魔素の濃い環境、魔素の濃い食物を受け入れることができなくて衰弱し、死んでいく者たち。


魔獣の襲撃で死んだ者、怪我をしてそれが元で死んだ者。


塩などの必需品を得る手段がないのでサウスガードの領主に頼ることになっていたが、サウスガードで作られた魔素の薄い農産物は必須ではないとしてなかなか支給はされなかったようだ。


サウスガード男爵としては辺境に対する前線の街として辺境開拓村が潰れないように支援する義務があるが、豊かにしたり暮らしやすくしたりする義務はなく、南部辺境開拓村が対価を払って購入することも難しかった。


魔獣の素材が南部辺境村が対価とできる唯一の物だったが、武器の購入や修理に充てるとそれ以外に回す余裕はなかったようだ。




ジェニアやその家族も10年過ごした南部辺境開拓村にそれなりの思い入れはあるようだったが、それ以上に辛い思い出が多いようだ。


状況が改善されることを喜びつつ、離れて王都で暮らせることを嬉しく思うのは、当然のことだとも思える。




3日間で南部辺境開拓村の運営について完全に把握できたとは思えないが、それなりに把握できたとは思う。


どうしても聞きたいことがあれば、王都で働く予定のジェニアに聞きに行けばなんとかなるだろう。



グローフィル子爵の馬車とアルト隊のメンバーが南部辺境開拓村に戻ってきた。


ジェニアたちは既に荷物をまとめている。


荷物は馬車への積み込みの手伝いが必要になるほどのボリュームはなかった。


服と書籍と資料くらいしか持って行かないらしく、残った日用品等は管理者の家を引き継ぐレフ兄さん夫妻に譲り、不要な物は処分して構わないと伝えていた。



「今まで、お疲れ様でした」


俺はこれまでの南部辺境開拓村の運営に敬意を表してジェニアとその家族に頭を下げ、労いの言葉をかけた。


レフ兄さんもそれに続く。



「ありがとうございます。


この辺境開拓村を、よろしくお願いします」


10年間務めきった、達成感を含んだ笑みを浮かべて、ジェニアが俺とレフ兄さんに挨拶を返した。



アルト隊のメンバー7人を護衛につけて、グローフィル子爵の馬車を送り出した。


エルン村長夫妻、レフ兄さん夫妻、そして南部辺境開拓村の村人たちも、ジェニアたちが乗ったグローフィル子爵の馬車を見送っていた。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。