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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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南部辺境開拓村の領有化⑤ 統治方針宣言、効果的な紹介

俺は高さ3mほどの演説台を土魔術で作り、その上に跳んだ。


「聞け!この南部の辺境村の民よ!


私がバウエルン子爵家のアルト・バウエルン、この地の領主となった者だ!


他の貴族領からこの地に移住したものは理解できるだろうが、今から俺がこの地のトップになったということだ!」


俺がそう告げると、村人の何割かは理解できたようだ。


よく理解できなかった者も、ジェニルのような管理者か、それ以上の立場の者と理解できれば、とりあえずはそれでいい。



「頭が代わっただけで、この辺境村が何も変わらないというわけではない!


この辺境村に住む全ての者の生活がこれから変わることになるだろう!」


俺が続けると、自分たちが変化の当事者となることは理解できたのか、騒めき始めた。


貴族領になったと理解したものは、どちらかというとネガティブ寄りに受け止めたようだな。



「まず、戦える者はこちらで用意する。


魔獣と戦いたい者がいれば、戦える力を持っていると認めた者のみ許す。


この辺境村の者は、基本的には農業に従事してもらうことになる」


想像の外にあった内容だったのか、ほとんどの者が呆気にとられたような顔をしているな。



「農業のやり方も変わる。


魔術を使って生産量を増やし、そして魔素の薄い農産物を作っていく。


辺境村の者全員が十分に食える量をすぐに生産できるようになることを約束する」


村人たちが俺が何を言っているのか分からないという顔をしだしたな。


ジェニルたちまで同じような顔をしている。



「さて、ジェニルに代わってこの辺境村の管理者となる者を紹介しておこう。


レフ・ソーディスだ」


俺がレフ兄さんを手招きすると、少し呆れた顔をしながらレフ兄さんが演説台に飛び乗った。



「このレフ・ソーディスだけでも、辺境開拓村を守り切ることができる戦力となる。


今からそれを見せよう」


レフ兄さんが『聞いてないぞ』という顔をするが、スルーする。



村人たちが広場の端の方にいるので、模擬戦を見せるスペースは十分にある。


俺はレフ兄さんの立つ位置を指差し、俺はその位置から10mほど離れた場所へ跳んだ。


レフ兄さんは軽くため息を吐いた後で俺の指差した位置に跳んだ。



俺が10mの剣を生成して構えると、『そういうことか』と理解してレフ兄さんも同様に同じサイズの剣を生成して構えた。



俺がその場から動かずに剣を振るうとレフ兄さんも同様に剣を振って俺の剣に当てる。


轟音が鳴り響く。



それから10合ほど打ち合って、俺は剣を土に戻し、レフ兄さんも同じように剣を土に戻した。



俺が演説台に飛ぶと、レフ兄さんも続く。



「今みたいな戦いができる男が、これからお前らの村長だ!!!」


俺が大声で叫ぶと、唐突に始まった模擬戦に引いていた村人たちは、村長となる者の力量を理解して、少しの間の後に歓声を上げ始め、それが大歓声になっていった。




魔獣に怯えながら防衛の当番を強制されている状況がなくなることを示し、うまくいっていない農業を今までと違う方法で行うことを示した後で、圧倒的な戦力を有する村長の紹介を目に見える形でしてやった。


村人たちは、これからこの辺境村が変わるということ、それが今までより良くなる方向であることが、実感できたと思う。



具体的な施策や進める手順はある程度決めてあるが、それを伝えるのはまだ早いと考えた。


次は、エルン村から持ってきた魔素を含まない農産物で料理を作って村人たちに振る舞い、希望を持ってもらうとしようか。



アデリナさんの指揮の元で、アルト隊のメンバーは俺が演説を始めたくらいから料理に取り掛かってもらっている。


連れてきたアルト隊のメンバーの中に料理ができる者はいないので単純作業をさせるくらいだが、アデリナさんならうまく使ってくれているだろう。



南部辺境開拓村にも、魔素の濃い環境に適応できず、魔素を多量に含んだ農産物に苦しんでいる者もかなりの割合で存在する。


そういった者たちには、これから提供する料理こそが、希望の光となるんじゃないかな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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