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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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南部辺境開拓村の領有化③ 統治の形、到着

南東辺境開拓地域と南部辺境開拓地域を統合してどのように統治していくかについての話もしている。


俺がエルン村を出る前から話はしていた。


まず南東辺境開拓地域を領地として譲り受け、それから隣接した辺境開拓地域を譲り受けていこうと考えていたので、一度に2つの辺境開拓地域を譲られたことだけは想定外だったが。


複数の辺境開拓地域を領土とした時の想定は当然していた。


基本路線としては、まず2つ目の辺境開拓地域を安定させ、それから2つの辺境開拓地域の間の空間も安定させていき、線で結べるようにして、大森林を面で抑えることができるようにすることを考えていた。


今の状況に当てはめると、北西村と南部辺境開拓村の間の500kmを100kmごとの区間に区切り、100kmごとに駅、小村のようなものを建設していく。



100kmごとの4つの駅にも辺境開拓村としての最低限の機能は持たせる。


魔獣に対抗できる戦力も置く。


1つの駅で耐えられないような魔獣の群れに襲われたら、狼煙などの信号を決めて隣接した駅やエルン村、南部辺境開拓村から支援を出すようにしてフォローする。



辺境開拓村は辺境開拓地域にポツンと置かれた点ではなく、道で繋がる他の辺境開拓村との結節点となる。


人や物の交流も盛んにしていくことができる。


他の貴族領と同じような形ではないだろうが、辺境も1つの領地として機能させていくつもりだ。



当面は、戦力面も産業面もエルン村の人員に頼ることになりそうだ。


そのことを見込んで、エルン村長にはエルン村だけのことを考えると過剰なほどの数の身体術や魔術を使える人員を鍛えてもらっていた。


しばらくその余剰人員に頼りながら、北西村でも南部辺境開拓村でも身体術や魔術を使える人員を育てていく必要がある。



まあ、まずは目先の、南部辺境開拓村の改革から手を付けることになるだろう。




南部辺境開拓村が見えてきた。


最後に見たのは俺がエルン村を出る少し前、3年近く前になるだろうか。


北西村やエルン村を見た時はその変化が気になったが、南部辺境開拓村はほとんど変わりがないように見える。


人の数はあまり変わっていないようだが、活気のない重苦しい雰囲気が感じられる。



元々大人のギフト持ちがおらず、子どものギフト持ちに防衛を頼っていたようなところで、俺が初めて観察した時は5人の子どものギフト持ちがいたが、その5人は全員王都に行った。


今は8歳の軍事系ギフト持ちが1人と10歳の生産系ギフト持ちが1人いるだけと聞いている。


子どもでもギフト持ちならそれが生産系ギフトでも防衛戦力とされ、ギフトを持っていなくて特に鍛えられていなくても防衛戦力に組み入れられる、一般的な辺境の開拓村だ。


魔獣に殺される者、魔素を多く含む食事が合わなくて衰弱する者、動けなくなって防衛戦力から外されて飢える者、それが当たり前になっている場所だな。




アルト隊のマクシ・ケニー・リビオの3人を先触れとして南部辺境開拓村に走らせ、南部辺境開拓地域の管理者である騎士の地位にある者へ、グローフィル子爵とこの南部辺境開拓地域の領主となる俺が来ることを伝えさせた。


先触れの3人も騎士の地位にある。


珍しく騎士らしい仕事で3人とも誇らしげに南部辺境開拓村へ向かったが、戻ってきた時にはなんとも言えない顔になっていた。


「元々聞いていた通りの辺境、てなカンジだったな。


生きているだけで精一杯、という者ばかりで、北西村やエルン村とは大違いだったぞ」


「管理者とその家族は、ここから解放されると明るかったけどな。


他のヤツとのギャップがすごかったぜ」


マクシとケニーが南部辺境開拓村の感想を述べる。


リビオは「ああ」と苦い表情で同意していた。



グローフィル子爵とその護衛のサンチェスとゴバロは、毎年訪問して知っているからか、いつも通りだと受け止めていた。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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