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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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南部辺境開拓村の領有化① 出発

馬車の馬が魔物化する前に一度辺境を出る必要があり、南東辺境開拓地域の儀式が終わった翌日には南部辺境開拓地域に向かうことになった。


隣の辺境開拓地域ではあるが、北西村から南部辺境開拓村まで500km離れている。


グローフィル子爵たちの馬車に合わせて移動するので、到着まで6~8日程度はかかるだろう。



南部辺境開拓地域の管理者、南部辺境村の村長になるレフ兄さんとその妻であるケイトさんは当然同行する。



エルン村のレフ兄さんと同じくらいか少し上くらいの年代で、大森林探索に参加できるようになっている者が5人ほど同行することになった。


この5人については居着いてもいいし、ある程度の期間で交代してもいい、自由度を高くしたテストの意味もある移籍だ。



南部辺境開拓地域は俺が調べた時は一番人口が多く、死亡率も高い、特徴がなくて暮らしにくい、一般的な辺境として運営されているところだった。


今も同じような環境ではあるが、相変わらず大人のギフト持ちはおらず、子どものギフト持ちが5人から2人に減り、軍事系ギフト持ちは覚醒したばかりの1人だけと戦力ダウンしているそうだ。



まず戦力面の底上げをして、産業面でも何とかしていく必要がある。


産業面では農業くらいしかやってなくて、その農業でも苦戦していた場所で、それは今も変わっていないそうだから、ある意味課題が明確だし、南東辺境開拓地域の成功例をある程度模倣しやすくもある。



レフ兄さん夫婦とテスト移籍の5人以外に、南東辺境開拓地域からの見届人としてエルン村長とアデリナさんも向かうことになった。


一から南東辺境開拓地域を開拓して整備していった2人なら、現地の状況の把握もその改革案も容易にこなせるだろう。


まあ、レフ兄さん夫婦との交流がメインの目的だろうなと思うけど。


昨日帰ってきて、儀式と宴会があって、その翌日に出発という忙しないスケジュールで、5年以上ぶりに返ってきたレフ兄さんと、レフ兄さんが連れ帰ってきた奥さんのケイトさんと別れてしまうのが忍びなかったのだろう。



エルン村長夫婦はエルン村と北西村のことをキリル兄さんに任せると言ってついてくることになった。


キリル兄さんは、そうなるだろうなという顔をして粛々として受け入れていた。


キリル兄さんは相変わらずの苦労人ぶりで、慣れきった諦めの表情が印象的だった。



キリル兄さん1人なら空中高速移動ができるから、エルン村から南部辺境開拓村まで1時間もかからずに移動できる。


キリル兄さんもレフ兄さん夫婦と交流したかっただろうけど、それで両親に交流の機会を譲ったところもあるだろう。




辺境組9人とグローフィル子爵とその護衛、そしてアルト隊のメンバーは、北西村からさらに北西に向かい、大森林からある程度離れたところで西に向かった。


馬車を牽く馬への魔素の影響を気遣ったのもあるが、グローフィル子爵たちも魔素の濃い環境に曝され続けるのは酷だろうからな。


身体術や魔術で魔素を扱うことに慣れたアルト隊のメンバーは問題ないと思うが。




大森林のアクチュア王国での北限から数十キロ離れるところまで、辺境開拓村以外の人の営みはほとんどない。


見渡す限りの草原、南を見れば遠目に大森林。


当然、道もない。



そのままでは馬車が進めないので、道を作りながらの道行きになった。


グローフィル子爵は南東辺境開拓地域と南部辺境開拓地域を担当する王都の使者の役目に任じられているが、南東にギフト鑑定のために向かって、そこから直接南部に行くことはなく、サストガードを経由して王都に戻り、改めて南部に向けて出発していた。


南部辺境開拓村へは、南東辺境開拓地域におけるサストガードと同じ役目を果たす街、南部辺境開拓村から真北の方向にあるサウスガードの街から伸びる道の1本しかなく、他に道はない。



南東辺境開拓地域と南部辺境開拓地域を一体とするためには、まず道を繋げる必要がある。


まあ、大森林から10km程度しか離れていないところに道を作っても、グローフィル子爵たちは使えないだろうが。


大森林から魔獣が出てくるリスクは排除できないからな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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