帰郷への旅路④ サストガードの街の観察、到着
サストガード男爵邸で一泊させてもらい、翌朝に出発することにした。
前日の食事とティータイムでの会話はあくまで非公式のもので、意見交換をしたくらいの位置づけになっている。
サストガード男爵が南部辺境開拓地域を安全保障面では認めていても取引先としては甘く見ていることが分かった。
俺のこともアルト隊の話で安全保障面では強固な戦力であっても商売では与し易いと思っていたようだしな。
まあ、俺が商売面でも適正なラインを引き直してやるつもりだ。
栄えているサストガードが廃れるようなことをするつもりはないが、エルン村と対等の立場くらいにはなってもらう。
サストガード男爵邸は朝に出発したが、サストガードの街を見て回る時間をとるつもりだ。
俺、ブライム、リュク、それと貴族家出身のロッドとガエルはサストガードで取引されている物の値段や商品の売れ筋などを見て回ることにした。
マクシ・ケニー・リビオの3人とグローフィル子爵たちには何も指定せずに自由に街を見て回ってもらう。
気になることや目についたことがあれば、後で教えてもらう予定だ。
夕方に集まって、サストガードの街を出た。
街から離れたところで情報交換しながら進む。
農産物の価格は、王都からサストガードの間にあった地域とそれほど変わらなかった。
エルン村産の農産物が少し高めに設定されているようだ。
エルン村から安価で仕入れているなら結構な利益が出ているかもしれない。
それ以外の商品の価格も大きな特徴は感じ取れなかった。
供給が多いものは安価に、そうでないものは高価になっていて、需給バランスがそのまま価格に反映されている印象を受けた。
特殊な価格形成もなさそうだ。
自由に見て回った者たちからは、エルン隊からアルト隊に至るまでの物語がいろんな場所で語られているとの報告があった。
南東辺境開拓村が王家直轄領からバウエルン子爵領になる話は、大力のアルトが辺境に戻ってくる話として歓迎されているそうだ。
サストガード男爵のように体制変更が街に影響するかどうかを危惧するような話は全くなかったようだ。
後はエルン村がどのように動いているのかを確かめて、具体的な動きを決めていくとしよう。
サストガードと南東辺境開拓地域のちょうど真ん中くらいまで進んで、そこで1泊した。
翌朝からまた進み始め、昼過ぎになった頃、大森林が近くに見え、記憶よりも栄えている様子の北西村が見えてきた。
ああ、もう南東辺境開拓地域に到着するのか。
北西村の先にはエルン村がある。
俺がエルン村を出てから2年半くらいになるのか。
いろいろあったからか、すごく懐かしくも思える。
俺は、帰ってきたんだな。
この作品を読んでいただきありがとうございます!
もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。




