↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

221/251

報告と報奨の儀① アルトへの報奨

謁見の間の国王の正面に、アルト隊の隊員や国軍の将軍、大隊長たちが並んで跪いている。


何度か俺が参加した戦争の指揮官を務めていたクレマン・ラングマンや、旧ローゼルスタッド侯爵家領都にアルト隊に次に駆けつけた騎馬隊を率いていたベルナール・ジェレミアスも並んでいる。



アルト隊が一番前、国王の目前に並べられている。


俺とダミエン以外の13人は緊張しまくっているな。



顔を上げていないので直接は見ていないが、国王が面白げな視線をアルト隊に送っていることが分かる。


まあ、見慣れない集団だ。

新鮮味はあるだろうな。




「此度の儀は、旧ローゼルスタッド侯爵家に関わる問題の顛末を報告するものであり、またそれに関わる報奨を授与するものである!」


国王が宣言すると、ざわめいていた謁見の間が静まる。



それから数人の政府の役人により時系列での旧ローゼルスタッド侯爵家の所業について報告された。



大部分は工作部隊の創設からその運用によるアクチュア王国の様々な地域での活動だ。


俺も知らなかった活動も多かった。


王家直轄領は政府が対応するが、貴族領ではその地を治める貴族家に旧ローゼルスタッド侯爵家の工作部隊の活動を伝えるに留め、現地対応させる方針で進めているらしい。


まあ、政府で全て対応するにはリソース不足だろうし、貴族領はその貴族家が治めることで完結して国家への租税なども免除されているから、妥当な方針だろう。



旧ローゼルスタッド侯爵家の所業の報告の次は、ヴァンサン捕縛と旧ローゼルスタッド侯爵家領の征圧、そして旧ローゼルスタッド侯爵家領の統治の経緯が報告された。




「これより、旧ローゼルスタッド侯爵家に関わる問題において、最も貢献した者へ報奨を授与する。


旧ローゼルスタッド侯爵家の犯罪の証拠を提出し、ヴァンサンを捕獲し、旧ローゼルスタッド侯爵家領の征圧において主要な役目を果たした。


アルト・バウエルン!


そなたを子爵へと陞爵させ、子孫代々にまで爵位を継承するバウエルン家を興すものとする」


旧ローゼルスタッド侯爵家の件で、証拠を揃えたのも、計画を立案して実行したのも俺だから、それなりに評価されるとは思っていたが、一代限りでない子爵になったか。


なら続いての報奨は・・・



「そして、旧ローゼルスタッド侯爵家領の一部を、バウエルン家の所領とする。


その功に鑑み、旧領都を含めた所領を与えよう」


所領までくれる流れか。


旧領都までくれるというのは大奮発だな。


俺を最大限に評価してくれていることが分かる。


だが・・・



「畏れながら、旧ローゼルスタッド侯爵家領を所領として与えていただくことは辞退させていただきたく。


王都に近い立地の旧ローゼルスタッド侯爵家領は、王家直轄領として王都と一体のものとして統治することが望ましいと愚考いたします」


俺が旧ローゼルスタッド侯爵家領の一部を所領とすることを辞退すると、国王は予想外だったのか、目を見開いて驚いている。



「ぬぅ・・・しかし、此度の、そしてこれまでのアルト・バウエルンの貢献に対し、子爵への陞爵だけで済ますことはできぬ。


他に何か、求める物はないか?」



「それでは、王家直轄領である南東辺境開拓地域を所領として求めます」


「なんじゃと!


・・・辺境開拓地域は大森林に接し、魔獣の脅威に晒される土地。


それゆえに王家がその負担を請け負っておる。


敢えて、その地を選ぶというのか」


「はい。


南東辺境開拓地域は私の故郷であり、エルン・ソーディスとアデリナ・ソーディスと共に統治のための試行錯誤を繰り返してきた地です。


旧ローゼルスタッド侯爵家の工作の可能性を潰せた今、大森林に接する立地を活用して治める自信がございます。


彼の地を私に与えていただくことを望みます」



「ふむ・・・」


国王が思わぬ要望に長考に入った。


国王の前に並ぶ報奨の授与を待つ者も、周囲の貴族たちもざわめき始めた。


旧ローゼルスタッド侯爵家領の一部を断って辺境開拓地域を求めることが、想像の埒外に当たることだからだろう。


まあ、アクチュア王国の貴族の常識からすると、狂っている者扱いされてもおかしくない話だろうな。




国王が長考から戻り、俺を見据えた。


「・・・あい分かった。


そなたが望むのであれば、南東辺境開拓地域をバウエルン家の所領として与えよう。


ただ、それだけでは足りぬ。


辺境開拓地域を治める自信があるのであれば、南部辺境開拓地域もバウエルン家の所領として与え、南東辺境開拓地域から南部辺境開拓地域の間にある領域もバウエルン家の管轄下にあるものとしよう」


「はっ。

ありがたく」


まだ謁見の間全体がざわめいている中で、俺への報奨の授与が終わった。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。