大きく動く『時』⑤ 城への突入、敵ギフト持ちの処理
この領都の城は王城に似た構造だ。
「自分たちは王に次ぐ権力を有する者だ」と代々考えてきたのかもしれないな。
何度かバレないように下見として潜入して、この城の構造ははっきりと把握している。
城門の奥は広場になっていて、通路でもある城壁がその広場を取り巻き、正面に本館があるという構造になっている。
広場でまた20mの巨大な柱を生成し、本館からその両脇の建物に繋がる通廊を順に破壊し、本館の正面玄関以外の出口になりそうな箇所を破壊し、本館の裏手に回って出口になりそうな箇所を全て破壊した。
これで、3階以上から飛び降りでもしない限りは、正面の出口以外に逃げ道はない。
城から外に出る抜け道も作られていたが、本館ではなく本館と繋がっている西側の建物にその入口があったから、そこから抜けられることもない。
ダミエンには本館の外で待機してもらい、柱を土に返し、リュクを連れて本館の中に入った。
本館のエントランスでは6人のギフト持ちが待ち構えていた。
6人全員が、俺たちと敵対することに疑問を持っていないようだ。
ローゼルスタッド侯爵家について調べていた時、対立派閥の領地の村を襲って赤子を攫い、残った村人を皆殺しにしている可能性に辿り着いた。
その赤子を草などの工作部隊の一員として育てていたらしく、成長してギフト持ちになった子どもは取り分けて出身を誤魔化してローゼルスタッド侯爵家領出身として確保していたようだ。
確定的な証拠は見つけられなかったが、分かった事実を組み合わせて浮き上がってきたことだ。
そうして育てられた内の1人が、エルン村でスタンピード誘引の実行役を担っていた斥候ギフト持ちの男だ。
生まれてすぐに攫われ、洗脳教育を受けてきたギフト持ちが、目の前の6人なんだろう。
武術系のギフト持ちが4人と、剛力ギフト持ちと剛腕ギフト持ちだな。
時間をかけていられないので、すぐに6人の首を剣で跳ね飛ばした。
ほとんど同時に6人の頭のなくなった首から血飛沫が上がる。
「ギフト持ち6人が、一瞬で!」
ギフト持ち6人から離れてみていた地位の高そうな騎士が叫んだ。
「6人ともギフト持ちだったのか!
・・・アルトにかかるとギフト持ちでも関係ないんだな」
リュクまで驚いていた。
他にも騎士や兵士がいたが、本館の周りから聞こえてきた轟音を聞き、建物が破壊される様を目にし、ギフト持ちたちを瞬殺したことで、すっかり戦意がなくなっているようだ。
先ほど叫んだ一番地位が高そうな騎士を捕まえて、「ローゼルスタッド侯爵家の一族がいるところに案内しろ」と言うと、すごい勢いで首を何度も縦に振り、「こちらです!」と案内しだした。
俺の後ろでリュクが笑いを堪えている。
まあ、なかなかコミカルな動きだったからな。
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