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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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5人となったアルト隊② 初陣、大きく飛躍する『時』

俺たちが拠点の兵たちの前に出た時点で、トロイト王国軍の足並みが乱れている。


いつものように整然とした行軍ではなかった上に、俺たちがいないことを前提に進んできたからかもしれないな。



トロイト王国軍が立て直す暇を与えるつもりはなく、すぐにトロイト王国軍の左翼に向けて走り出した。


マルセルたちも、変に考える時間を与えるよりも戦闘に入ってしまって訓練どおりに動くしか選択肢がないようにしてしまった方がいいだろうしな。


100m10秒ペースを保ったまま、トロイト王国軍左翼に真っ直ぐ斬り込む。


俺が斬り拓いたスペースの右側で、ボリス、マルセル、サブリナ、ダミエンがそれぞれ正面の敵を粉砕している。


マルセルたち3人は初陣だが、問題なく訓練通り動けているようだ。



そのままトロイト王国軍の最後尾まで斬り拓いて突き抜けた頃に、トロイト王国軍の前線がアクチュア王国軍と接触したようだ。


俺たちが突っ込んだ後で、アクチュア王国軍も前進して距離を詰めていたらしい。


割とまともな動きができているな。


拠点防衛の上層部の貴族出身の将士も自分たちの命が掛かっているからか、機に投ずることくらいはできるらしい。



俺はトロイト王国軍の最後尾を抜けた後は右に旋回し、トロイト王国軍を時計回りに迂回して戻り、前後で見るとちょうど真ん中あたりでトロイト王国軍を横断した。


俺に続く4人は左側、トロイト王国軍の前半分側に配置した。


トロイト王国軍の前半分は挟み撃ちされているように感じただろう。


そう実感できるように斬り飛ばした血肉が前半分の方に飛ぶように意識した。



俺たちがトロイト王国軍を横断して抜けた頃にはトロイト王国軍の前半分は総崩れになっていた。



「まだいけるか?」


「おう!」「おうよ!」「もちろんさ!」


俺が後ろに声をかけるとボリス、マルセル、サブリナからすぐに返答があった。


声に余裕があるし、3人とも高揚しているようだ。


ダミエンを見ると、俺だけに分かるように頷いたので、本当に問題はなさそうだな。



また右に旋回し、トロイト王国軍の最後尾に近いところでトロイト王国軍の右翼から左翼に横断した。


俺に続く4人はまた左側、最後方のダミエンがトロイト王国軍の最後尾の兵を逃さない位置取りになっている。


俺たちがトロイト王国軍の左翼に抜けた頃には、トロイト王国軍は軍としての体をなしておらず、戦場の勝敗が決定していた。



今回が初陣だった3人の討ち漏らしは、最初に左翼から縦断した時は0、左翼から右翼に横断した時はサブリナが1人、右翼から左翼に横断した時はボリスが1人、サブリナが2人、というところだった。


ボリスの討ち漏らしはマルセルが、サブリナの討ち漏らしはダミエンがフォローしてくれたので、途中で止まる必要はなかったが。


まあ、初陣としては上出来の部類だろうか。


3人の中では斧士ギフト持ちのマルセルが一番余裕があったみたいだな。




今回の参戦で、初陣の者を含めてもアルト隊は部隊として機能できるという自信が持てた。


次に隊士となるのは既に戦場に慣れている混成部隊リーダー格だったマクシ、ケニー、リビオと子爵家次男のガエル・ヘンリオンか。


マクシたち3人は最初から問題なさそうだし、ガエル・ヘンリオンも器用者だから大丈夫そうだ。


その次になりそうな傭兵出身3人とロッド・ダルモンも、参戦する時はフォローできる者が増えているから何とかなりそうだな。



そろそろ、大きく飛躍する『時』を迎えることができそうだ。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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