部隊外の活動② 王都の商会や商人への顔見せ
この前の休日は、ピエール商会でいろいろ話している内に日が暮れてしまったので、今日は付き合いのある他の商会や商人のところに顔を出した。
ピエール商会と同じくらい付き合いの深い商会といえば、ノバック商会だろうか。
新興のピエール商会と比べると老舗の商会だが。
ノバック商会の依頼でコミル村近辺の魔獣退治をして以来、いろいろと付き合いのある商会だ。
王都でも中堅どころの商会だったが、俺たちが初めて国内物流のサービスを提供したのもここで、王都以外との流通網を構築して手を広げ、今も成長中の商会になっている。
国内物流の利用はピエール商会よりも頻度もロットも大きく、世話になっていると言えるな。
ノバック商会は素材関連に強い商会だから、他の商会との付き合いも広く、深い。
コミル村の依頼も素材確保のためだったしな。
そのため、国内の様々な情報が集まる商会でもあり、情報収集の点でも俺たちは世話になっている。
昨年から戦争に勝てるようになってきたこと、そこに「大力のアルト」が関わっているということは、王都から離れても話題に出るらしい。
国内物流に関わる傭兵連中には、飲み代を出してやる代わりに現地の人間に話を広めることを頼んでいるが、それも効果が出ているのかも知れないな。
アクチュア王国内でもリュクから歌を学んだ駆け出しの吟遊詩人が、「エルン隊→エルン村→エルン村のアルト」の歌を広めているから、歌の内容と噂話の共鳴も起こってきているだろう。
人は別経路から同じ内容の話を聞くと、信用しやすくなるからな。
同じ町や村の噂話、他の町や村から来た行商人の話、流しの吟遊詩人の歌、いろんな経路で同じ話に接すれば、本当のことだと信じるようになるだろう。
国内でも情報拡散を始めてから1年は経つが、それなりに効果が出てきているようだ。
何かで上手くいっていると、上手くいっていないものも目立つようになる。
「大力のアルト」の貢献で戦争で勝てるようになってきたことが広まると、ローゼルスタッド侯爵家の失脚や、各領地の統治の良し悪しなども話題に上りやすくなっているようだ。
いろんな情報を仕入れ、こちらでも仕入れた情報を提供して、ノバック商会の本店を出た。
それから付き合いのあるいろんな商会や商人のところに顔を出して話をした。
取り扱う商品や商圏、顧客層や、商売の規模。
商会や商人といってもその規模などが違うと、また違う考え方をしていたり、違う情報を持っていたりする。
あることに対して、有利な情報だと思う商人もいれば、不利な情報だと思う商人もいるからな。
情報を多面的に仕入れることで初めて見えてくることもある。
それぞれの商会や商人に関わる利害関係者の動きもまた見えてくる。
今日一日でいろいろと情報をアップデートできた。
人を介して集めるのもいいが、たまに自分で集めて回ることで新たな気付きもある。
あと、俺が顔を出すことで「あなたとの関係を大事にしている」というメッセージを送ることにも繋がるからな。
今日は有意義な一日だったと思える日だった。
この作品を読んでいただきありがとうございます!
もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。




