プロローグ② 双寺 有仁
俺は双寺 有仁。
今は35歳で外資系コンサルティングファームのシニアマネジャーとして活躍している。
業務成績は同じ役職の中でも抜群で、パートナー昇格の打診も受けているところだ。
仕事だけでなく、プライベートも充実している。
学生・社会人のコミュニティーを俺が学生の頃から運営していて、結構な人数が今でも所属していて、仲間内で色々企画して国内外に大人数で旅行したり、サバゲーやいい歳をして鬼ごっこを真剣にやったり、楽しいことに事欠かない。
結婚をする気は更々ないが、大人な関係の女遊びは楽しめている。
コミュニティーもそうだが、それ以外にも人脈構築を続けていて、それが公私ともに活きている。
稼いだ金による資産運用もうまくいっていて、もう自分ひとりではどれだけ贅沢しても一生使い切れないくらいの資産はすでにある。
俺は二男一女の兄妹の一番上の長男だが、親にも弟妹にもまとまった金を渡し、毎月仕送りもしてやっているので、今は結婚を急かされることもなく、親の世話も弟妹に任せていられる。
今の俺の環境は、与えられたものではなく、自分で勝ち取ってきたものだ。
俺が生まれたのは田舎の方で、保守的な地域で保守的な家に生まれた。
周りも両親も弟妹も、その地域から離れずに就学・就職してその地域で生きていたし、それが当たり前だった。
俺だけが家族の中でそんな保守的な環境に馴染まず、小さい頃からずっとその地域を出ることを望んでいた。
中学生の時から動き出し、高校生の時に必要な人脈構築と資金集めと知識習得を実践し、自分の金とコネで都会の大学に行った。
大学生の時に今も続いているコミュニティーの土台を作り、事業を立ち上げて会社を設立したりして更に金とコネを作り続けた。
大学を出た時には会社の株だけ保有したままで役員を辞め、より大きな規模の会社がどのように回っているのかを知るために大手SIerに就職した。
大手SIerでは大規模プロジェクトを成功させて入社から3年が経った時に辞め、今のコンサルティングファームに転職した。
どちらの会社でも、大企業の看板を使って自分の力とコネをフル回転して仕事に取り組むのは、自分で事業を立ち上げて運営するより俺に合っていたのか、プライベートの時間も取りやすくなったし、今の俺の最適な生き方だと思う。
俺は、「もし人生を最初からやり直せるとしたらどうする?」と聞かれたら、「もう一度この人生を送りたい」と即答できるくらいには自分の人生に満足していた。
ふと気がつくと、俺はド田舎で5歳の子どもになっていた。
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