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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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たった2人のアルト隊④ 決着、ベルナール・ジェレミアス

今回の戦争は、もう残兵掃討のフェーズに入っている。


俺とダミエンがそれを眺めながら話していると、騎馬の士官が5人、俺たちの方へやってきた。


先頭にいた男が馬から降りて、話しかけてきた。


「私は第2大隊第1中隊を率いていた、ベルナール・ジェレミアスだ。


今回の戦争は、君たちアルト隊のお陰で勝利できたと思っている。


ありがとう」


そう言って、頭を下げてきた。



「あのタイミングで騎馬だけでの後背からの追撃、あのお陰でストング王国軍が混乱し、その動きを止めることができました。


こちらこそ、ありがとうございます」


俺は頭を下げてそう返した。



ベルナール・ジェレミアスはニヤリと笑い、


「それが分かったのか。


その武威だけでなく、戦場を俯瞰する視点も有しているのだな。


状況を踏まえての動き、そしてその結果。


本当に大したものだ」


と声をかけてきた。


ふむ。


このベルナール・ジェレミアスという中隊長も、中々の戦略眼を持っているようだ。


あの場で俺たちがストング王国軍を止めることができなかったとしても、後背からの追撃はストング王国軍の混乱を招いただろうし、歩兵も動いていたらならストング王国軍が拠点に到達する前に兵力差で勝利できていたかもしれないな。


歩兵をうまく動かしたのもこのベルナール・ジェレミアスである可能性もある。


俺が動かしたように、この中隊長も自分が動いて見せることで他の部隊も動かしたんだろう。



「それでは、私は残った軍の取りまとめに動くとするよ。


指揮官である将軍や幹部たちが討たれて、指揮系統が混乱しているようだからね。


では、また会おう」


他の4人の士官は何も話さなかったが、去り際にベルナール・ジェレミアスが俺たちに一礼すると、合わせて一礼し、ベルナール・ジェレミアスに続いて去っていった。




「あれは、なかなかの傑物だな。


貴族家の士官にもあのような男がいるのか」


ダミエンが俺に話しかけてきた。


ダミエンは以前国軍にいた時に貴族家の士官の上司に仕事を丸投げされて、他の貴族家の士官とやり取りを強制されていたから、余計に感慨深いようだ。



「確かにな。


まあ、今回無駄死にしたような無能な将士がアクチュア王国軍では普通だろうが、ああいった者もいるようだな。


前に俺一人で出た戦争の指揮官は、軍事についてはともかく立ち回りは貴族らしいままで見事だったりしたな。


どんな立場の人間でも中には優れた者がいるということだろうよ」


「そうだな」


ダミエンは頷いた。


「13歳のクセにやたらと分別くさい言葉を吐くヤツもいるんだ。


そりゃあ、いろいろいるんだろうな」


俺のことかよ!


まあ、いいや。




今回の戦争で、ダミエンを連れてきてよかったな。


俺に後ろに続く者の立ち回りと、どのくらいの実力ならどこまでついてこれるかのラインもある程度理解できた。


隊士の人数が増えた時にどんなことになるかもイメージできたしな。


マルセルたちを戦場に連れてくる時、ダミエンにフォローを頼めば何とかなりそうなことが分かったこともありがたい。


マルセルたちが隊士に認定するか悩むラインの実力だった時、ゴーサインを出しやすくなったな。


隊士が4人になるのも、そう遠くはなさそうだ。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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