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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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たった2人のアルト隊② 東と北東への対応、本陣壊滅

アクチュア王国の指揮官の将軍は、かなり愚か者寄りだったので、俺は相手にせず、独自で動くことにした。



アクチュア王国軍の兵数は1万、ストング王国軍の兵数は1万2千で、ストング王国軍は北、北東、東の3方向から4千ずつの兵で攻めてきていた。


3方向のストング王国軍が拠点から目視できるくらいまで近づいても、アクチュア王国軍は、拠点の周りに集まって陣を敷いてから全く動いていなかった。



俺はアクチュア王国軍の前線が東のストング王国軍と接敵しそうになる前に東に向けて出陣した。


出たのは俺とダミエンの2人だけだ。



「なるほど。

この状況で突っ込むわけか」


ダミエンが少し顔を引きつらせながら話しかけてきた。


ダミエンは4千対2人という状況は初めてだからな。



「ああ、いつも通りだ」


そう声をかけて、少し走るスピードを上げる。



ダミエンには俺から20m程離れた距離を保つように言ってある。


俺の進路より若干右側で、俺が斬り払った敵軍の、少し右側を斬り拡げることが今回のダミエンの役目だ。



俺は長さ10m剣を左右に振りながら、東側のストング王国軍に斬り込んでいく。


ストング王国でもリュクの歌が広まっているのか、俺を見て恐怖している者や逃げる者もいた。



ダミエンは2mの2つの棒を連結させた棒を身体術で強化し、俺が斬り払った半円の右側にはみ出た敵兵を打ち払っていた。


位置取りを変えながらいろいろ試しているようだ。


ダミエンが右に出すぎて対応できなかった敵兵が出た時に、俺は一度止まった。


ダミエンは「しまった!」という顔をしながら、生き延びていた敵兵を処理する。



ダミエンは戦場で今回のような戦い方をしたことがないだろうから、少々の失敗は構わないと思っている。


ダミエンでも失敗するということは、マルセルたちはどれくらい失敗するだろうか。


「アルト隊は敵中で時々止まる」のような噂が広まるのはマズイので、隊士には自身が相手にできる敵の数を保守的に抑えて戦ってもらうのがいいだろうな。


そういったことも考えながら、今ダミエンがいろいろ試してくれているのだと思う。



アクチュア王国軍の前線が戦いやすいように配慮しながら、縦横に何度か東のストング王国軍を貫いた。


東側のストング王国軍の兵はかなりの数が逃亡し、こちらで構えているアクチュア王国軍の兵だけでも対応できるくらいまで戦える兵が減っている。



「次は北東へ向かうぞ」


「わかった」


ダミエンに声をかけると落ち着いた声で返事があった。


特に息を切らしていないし、血に塗れたりもしていない。


ダミエンも、身体術で服の外側に膜を張って、血で汚れないようにできているな。


アルト隊だと分かるように深黄緑の制服がはっきりと見えるように維持する、戦場では結構優先度高めの技術だ。




北と北東ではアクチュア王国軍は劣勢になっている。


ストング王国軍の分散合撃が成功した形だな。


東を防いだ分まだマシだが。



アクチュア王国軍の指揮官は何も指示できていないようで、目の前の敵と戦うことに終始しているようだ。


ストング王国軍の北と北東の軍がもう少し奥まで押し込んで互いに連携が取れる距離になったら、アクチュア王国軍は一気に崩れそうだ。



アルト隊は、と言っても俺とダミエンの2人だが、北東のストング王国軍を何度も左右に貫いた。


ダミエンは討ち漏らしなく、自身にできる最適な位置取りで敵を処理できていた。


もう適応できているのか。

ダミエンはさすがだな。


マルセルたちの戦場デビューでは、ダミエンに最後尾にいてもらってフォローさせるのがいいか。


「アルト隊は敵中で時々止まる」は避けられそうだな。



北東のストング王国軍の圧力がかなり弱まり、そちらに対応していたアクチュア王国軍は立て直して押し返すことができていた。


一方で、北のストング王国軍はアクチュア王国軍のかなり奥まで切り込んでいるようだ。


このままだと本陣まで届きそうな勢いだ。


・・・別に構わないか。



北東のストング王国軍も逃亡兵が出始め、ほぼ壊滅というところまで追い込んだところで、アクチュア王国軍の奥から歓声と悲鳴が上がっていた。


北のストング王国軍によって、アクチュア王国軍の本陣が落ちたようだな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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