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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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たった1人のアルト隊⑧ 国王への報告、正式呼称『アルト隊』

「・・・このようにしてアルト隊、アルト・バウエルンが二度の敵軍への突入を行い、それに乗じてこちらの軍を進めたことで、終始優位に立って戦うことができ、トロイト王国軍を降伏させ、敵の将軍を捕虜にすることができました」



クレマン・ラングマンが虚飾などを交えずに国王へ報告している。


俺の動きも把握しているそのままに報告しているようだ。



国王から俺にも確認され、俺はクレマン・ラングマンの報告は正しいと保証したうえで、現場での視点で3点ほど補足した。



国王からは俺がなぜ1人で戦争に参加したのか、制服の色を深黄緑にした理由をは何か、クレマン・ラングマンの報告の『アルト隊』とは俺が率いる独立戦闘部隊のことか、と尋ねられた。


俺は、

・アルト隊の他の隊員は、俺の後に続いて活躍できる力量を身につけるまで鍛え上げている途中である

・制服の色は自分やエルン・ソーディスのルーツである大森林の樹木の色である

・過去にもエルン・ソーディス率いる独立戦闘部隊が存在したこと、一般にその独立戦闘部隊が『エルン隊』と呼ばれていたことから、自分の率いる独立戦闘部隊の呼称を『アルト隊』とした

と答えた。



国王はギフト持ちまで入隊させているのに訓練生扱いしていることに驚き、俺以外のものが戦場に出てくることを楽しみにしていると述べた。


制服の色については「そうなのか」と素直に感心していたようだった。


そして過去の独立戦闘部隊が『エルン隊』と呼ばれていたことは知っていて、過去の独立戦闘部隊と俺が率いる独立戦闘部隊を混同しないように、正式に呼称を『アルト隊』と定めることにする、と宣言した。


最後の宣言は何故か得意気だったな。


国王は名付けること自体が好きなのかもしれない。




謁見の間を出て、初めてクレマン・ラングマンから直接話しかけられた。


「アルト・バウエルン。

話には聞いていたが、戦場での働きは聞いていた話以上だった。


また同じ戦場で戦うことになった時は、よろしく頼む」


「はい」



クレマン・ラングマンは最後まで表情を変えずに、やり取りした後は取り巻きとともに去っていった。



最後まで絶妙な距離感だったな。


これまでの俺と国王のやり取りを謁見の間で見ていたのだろう、馬鹿な将官が自分たちを持ち上げる、もしくは恥を隠す説明をして失敗していたことから学んで、把握した事実を過不足なく説明していた。


本人と俺との距離も、阿ったりせず、疎んだりもせず、程よい距離のままで去っていった。



自身の立ち位置を弁え、周りの環境に応じて適切に動く。


失点を減らし、確実な得点のみを稼ぐ。


クレマン・ラングマンは優秀な人間だと判断して間違いなさそうだ。



貴族も個人で見るといろんな人間がいるもんだな。


面白いものだ。




さて、今回の戦争でも十分な報奨が得られそうだ。


アルト隊の隊員の給与はもちろん、追加投資のための資金も稼げただろう。


最年少の俺が隊員の給与の原資を出稼ぎで稼いでくる、俺がそのように設計したわけだが、やっぱり変な気もするな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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