たった1人のアルト隊⑦ 王都への帰還、クレマン・ラングマン
拠点を防衛する兵力を置いて、王都に帰還することになった。
来る時は現地集合で大丈夫だったが、凱旋を兼ねた帰還には一緒についていく必要がある。
帰り道で、混成部隊や第13大隊第5中隊のところに行って話を聞いたが、どちらも最前線で大きな戦果を挙げられたようだ。
どちらの部隊も俺がいる戦場での動き方、勘所みたいなものが分かっているからだろうか。
特に俺が切り裂いた箇所の浮足立っていた左右を狙い所として、うまく立ち回っていたようだ。
ある意味、アルト隊の隊士にやらせようとしていたことと似ているな。
どちらの部隊でも、何度か話をした顔が数人見えなくなっていた。
まあ、俺がかき回さずに軍対軍で正面から当たっていたら、最前線にいたこの2つの部隊は全滅に近い被害があったかもしれない。
いくらうまく立ち回ろうが、敵軍はこちら以上の兵数だったしな。
死んだ者を気にして暗くしているより、こいつらのように挙げた戦果ともらえる報奨への期待で浮かれている方が正しいだろう。
早馬を出して戦果を王都に先に報告していたらしく、俺たちが王都が見える位置まで戻ってきた頃には、外壁の東の大門が開いて、既に凱旋の準備が整っているようだった。
隊列を整えて王都へ行進する用意をしている。
俺もそれなりに目立つ位置に連れて行かれた。
第13大隊や混成部隊も、それなりに前の方に配置されている。
今回の将軍、クレマン・ラングマンだったか。
ラングマン家は軍事閥だがローゼルスタッド侯爵家の派閥とは距離をいている派閥の家だったかな。
なんというか、天幕での立ち回りといい、戦場での動きといい、今回の凱旋の配置といい、バランス感覚に優れているようだな。
今の俺の位置も、第13大隊や混成部隊の位置も、戦果との見合いでほどよい場所だと思える。
厚遇するでもなく、冷遇するでもなく、程よい距離を保つという意図が見える。
凡事徹底というのかな、当たり前のことを、当たり前に進めていくことは、意外と誰にでもできるという訳じゃない。
特にアクチュア王国の貴族だとな。
王都の外から王都の中まで歓声の中を行進して、内壁の前で軍を解散した。
クレマン・ラングマンとその配下、そして俺はそのまま王城へ向かった。
少し慣れつつある、謁見の間での報告だな。
この作品を読んでいただきありがとうございます!
もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。




