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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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アルト隊の始まり① 最低基準のテスト

オレグとイリナと共に建設した駐屯地に、アルト隊への入隊を決めた隊員が次々に入居してきて、声をかけた者は一通り集まった。



国軍に軍事系ギフト持ちとして以前入隊していた、棍術ギフト持ちのダミエン、斥候ギフト持ちのブライム、諜報ギフト持ちのリュク。


混成部隊のリーダー格だった、傭兵団のトップも務めていたマクシ、一匹狼のような傭兵のケニー、国軍のはみ出し者だったリビオ。


混成部隊に参加していた傭兵で、食事の用意に目を向けて手伝ってきた、目端の利く3人組、サリム、ガッド、トメル。


『御前武試』で俺と対戦したことがあり、国軍の他の部隊から移籍してきた斧士ギフト持ちのマルセル、体術ギフト持ちのボリス、剛力ギフト持ちのサブリナ。


国際行商に第1回から参加していた男爵家の四男ロッド・ダルモン、子爵家の次男ガエル・ヘンリオン。



俺を含めて15名が、アルト隊発足時からの隊員となる。



駐屯地の中央に作った、運動場のスペースに全員集まってもらった。


アルト隊で戦争に参加するのは隊士または術士の資格を認められた者だけだ。


それ以外の者は国軍の定義で言う訓練生として登録している。


今のところ、14人全員を訓練生として登録してある。



隊士と術士に共通する最低基準は、部隊に遅れずに走る能力だ。


100m10秒ペースで4時間走れることを数字として定めている。



まず、その基準がどういうものか、体で味わってもらうことにしよう。




朝8時から、この運動場の外周を走り始める。


俺がペースメーカーとなって、100m10秒のペースで走り続けるから、それについてくることが今回の訓練だ。


脱落しても罰則はない。


ほとんどの者が脱落するだろうし、基準を体で知ってもらうことが今回の目的だ。


遅れても走り続け、走れなくなっても歩いて動き続けるようには言ってある。




1周800mほどの運動場の外周を走り始める。


ギフト持ちの6人と元混成部隊リーダー格3人はついてくるが、傭兵出身のサリム・ガッド・トメルの3人と貴族の子息2人は早々に脱落だな。


まあ脱落した5人は自分のペースで走ってもらって、基準を体感して理解してもらえればいい。



2周目に入った所で元混成部隊リーダー格の3人が順次脱落していった。


この3人は俺の3度目の戦争、ストング王国との戦争で3つの戦場を移動して戦い続けた経験があるから、俺の指定した基準にもついていけると思っていたんだろう。


あの時は200人余りが全員ついてこれるように加減して移動していたからな。


疲労を回復する生命魔術を何度も使っていたが、本人の力量以上のスピードで動けるわけではないから、200人余りの中で最も遅い者の全力のペースに合わせていた。


戦場では俺1人で進んで他の者が後からついてくる形だったが、そこでも自然に合流しているように装いながら何度も待っていたからついてこれたんだよな。



マクシ・ケニー・リビオが必死な顔で追いつこうとしているところを申し訳ないが、基準の速度を出せなくなった以上、置いていく。




3周目に入った所で、剛力ギフト持ちで紅一点のサブリナが脱落した。


ギフトを持久力の維持に使うことに慣れていなかったんだろう。


息を切らせて絶望的な顔をしているが、置いていく。




5周目の途中で斧士ギフト持ちのマルセルが、6周目に入った所で体術ギフト持ちのボリスが脱落した。


悔しそうな顔としんどさが極まった顔が混じったような表情でこちらを見ているが、置いていく。



走り始めて7分足らずで、民間の軍事系ギフト持ちの3人以外が脱落したな。


棍術ギフト持ちで副官のダミエンと斥候ギフト持ちのブライムはまだ平気な顔をしている。


諜報ギフト持ちのリュクがもうしんどそうな顔をしているな。




21周目の途中でリュクがペースを落とした。


少し悔しそうだが、こんなものかと納得したような顔でもある。




4時間で180周を走り終えた時、最後までついてきていたのはダミエンとブライムの2人だけだった。


何度も何度も追い越されることになり、リュク以外の脱落者は基準に程遠いことを実感したのか、時間終了になった頃には悔しい顔をした者すらおらず、諦めきった顔か虚無の顔になっていたな。



ダミエン・ブライム・リュクには早い段階から一定の速度で走り続ける能力が必要になることを伝えていた。


ダミエンは訓練で、ブライムはギフトがその方向に向いていたことで、今回の基準は達成できた。


リュクは、ギフトが身体強化にそこまで向いていなかったから、持久力はそれなりだが、4時間維持できるスピードが基準に追いつかなかったようだ。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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