駐屯地建設① 土台、外壁
マルセルたちギフト持ち3人を案内した場所、王都の東門を出て東北東に1kmほど行った、高台になっているところに、独立戦闘部隊の駐屯地を建設する予定だ。
既に許可は取れている。
王都内だと軍事閥の貴族家の妨害で難航したかもしれないが、王都外だと王家直轄領で、少なくとも名目上は貴族家が口を出せない。
元々広めの土地が欲しかったから、王都外で許可を申請し、それほど日を置かずに許可が得られた。
今日は、オレグとイリナと俺の3人で駐屯地建設予定地に来た。
駐屯地を今日一日で整備するためだ。
名目上は、オレグがメインの作業者だ。
なんせ、土魔法士だからな。
実態としては、俺が土魔術でほとんどの作業をやってしまうつもりだ。
将来の構想を含めて、俺の考えた通りの駐屯地にしたいしな。
イリナはついてきただけ、ではあるが、せっかくなので、地下水の流れを変えてこの駐屯地に建設する井戸に繋げてもらおう。
オレグには、まず1辺500mの正方形に高台を均し、その上に1辺400mで囲う形で、高さ10mの壁を築いてもらった。
うん。
なかなかの速度で作業できているな。
ちゃんと、土魔法の訓練もやっているようだ。
自分でやるよりも、人でやっているところを見ている方が新鮮な気持ちで見れるな。
有仁の世界ではありえない、土が自発的に、生き物のように動いているような光景は、なかなか見どころがある。
イリナも楽しそうに見ているな。
オレグもイリナも学校の講義があるし、俺も仕事やその準備、継続的な人脈との交流なんかもあって、なかなか時間が取りづらい中、2人とお茶や食事をする時間は積極的に取るようにしていた。
今日みたいに1日一緒なのは久しぶりだな。
まあ、仕事の一環ではあるけれど。
オレグは離れた所で土魔法をコントロールすることはまだ慣れていないのか、魔法を起動する場所に合わせて動きながら作業していた。
俺とイリナは世間話、特にイリナたちの学校での講義や同年代の生徒との交流の話を聞いていた。
時折オレグが羨ましそうな視線を向けてくるが、今は作業に集中してくれよな。
オレグは2時間ほどで整地と4辺の壁の建設を終えた。
なかなかの作業速度だったと思うし、王都のベテランの土魔法士よりも格段に速かったと思う。
身体術で身体能力を強化して、10mの高さの壁の上に飛んだ。
イリナとオレグも同様に飛んでついてきた。
「うん。上から見ても、問題ない出来だな。
ちゃんと腕を上げているな、オレグ」
「まあね!」
オレグが得意気に答える。
オレグだけを褒めたからか、イリナの顔が少し不満そうだ。
学校の会議室で久しぶりに再開した時は、大人っぽくなったかなと思ったんだが、まあまだまだ歳相応だな。
この作品を読んでいただきありがとうございます!
もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。




