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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第三部 貴族立身

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独立戦闘部隊への勧誘② 混成部隊リーダー格3人組

マクシ、ケニー、リビオを呼んで、独立戦闘部隊の説明と勧誘をすることにした。


呼んだのは内壁の外でメイン通りからは外れた所の隠れ家的な店だ。


レフ兄さんに教えてもらったが、店主とも仲良くなって、あまりオープンにしたくない話をする時にはよく使わせてもらっている。


そういった用途の部屋をわざわざ作ってもらったしな。


改装費用はもちろん俺が出したが。



店で茶と摘むものを出してもらって、改めて独立戦闘部隊について説明を始めた。


隊規については、予め伝えていたはずだが、やはり処罰が厳しいと思ったようだ。


国軍に所属しているリビオはそうでもないが、傭兵のマクシとケニーは渋い顔をしている。


マクシについては傭兵団のトップでもあるわけだし、そこから引き抜いて、さらにその傭兵団からも募集するとなると、隊規に引っかかりそうな者がいくらでも思い当たるようだ。



隊規はオープンにするから、それを知って引っ掛けようとしてくる奴らも出るだろう。


訴えがあった時点で即処分するのではなく、必ず状況を検分してから判断するつもりではある。



マクシは特に悩ましい顔をしているが、話を先に進める。



隊士と術士の資格認定と、認定されない者は訓練生として届け出ることを説明すると、これは3人とも引っかかるものがあったようだ。


これは既に国軍に所属しているリビオが一番引っかかっている顔をしている。



続けて基本戦術と、その戦術についてこれる実力がある者が隊士の資格の認定を受けることができることを説明した。


そして3人とも現時点の実力では隊士にはなれないことを告げた。



3人とも、ストング王国との戦争の時には俺に続いて3つの戦場を戦った経験がある。


その自負もあるのだろう。



だが、あの時は混成部隊全員がついてこれる程度に加減した移動速度だったし、何度も休憩を取り、生命魔術で回復してやっていた。


あの時のような加減はせず、休憩も回復魔術もなしに移動し、かつ戦場で俺が切り裂いた敵軍を更に切り拡げていく実力が、隊士には求められる。



そのことを説明すると、3人ともキレた。


「できるかよ!

俺たちはギフト持ちじゃねえんだぜ!」


「ずっと訓練生として俺たちを飼い殺しにするつもりなのか?

ふざけんな!」


「さすがに現実を見ているとは思えない構想だな。

夢物語を語りたいだけなのか?」


マクシとケニーは率直に、リビオは冷静に怒りを見せている。


しばらく3人とも怒りのままに発言していたが、俺がじっと3人を無言で見ていると、次第に収まってきた。


初めてこの3人と出会った時は、3人がそれぞれ言いたいことを言い合って、俺が黙ってみていると落ち着いて、力比べをすることになったんだよな。



「何か、考えがあるということか?」


リビオが最初に落ち着いて俺に聞いてきた。


「ああ」


俺が答えると、マクシとケニーを黙って俺を見た。



「俺の独立戦闘部隊に入隊した者には、身体術を習得させる」



3人とも想定外の言葉だったようで、動きを止め、呼吸まで止めているようだ。



「身体術を習得・・・できるのか!?」


マクシが我に返って勢い込んで俺に顔を近づけて尋ねてきた。


ケニーも一瞬遅れて同じように顔を近づけてきた。


乗り遅れたリビオも前傾姿勢になっている。



「まだ王都ではごく一部の者にしか知らせていないが、俺は他者の体で身体術を行使することができる。

辺境開拓村ではこの技術で身体術を使えるものを増やしてきた」



また3人の動きが固まった。



俺はリビオを手招きし、「実演してやろう」と告げた。


俺の傍に来たリビオの左腕を掴み、リビオの体で身体術を行使した。


全身の力を2倍に強化してやった。


「おお・・・おおおおおおおお!!」


キレる時も冷静に怒っていたリビオが興奮して声を上げた。



すぐに身体術を止めると「おおお・・・」とテンションが下がっていった。


「俺も!」「俺にも!」とマクシとケニーが俺に掴みかかってきたので、2人の顔面を掴み、リビオと同様に身体術で全身の力を2倍に強化し、すぐに止めた。


「おおおおお」


マクシとケニーは少しの間だったが、身体術が自分の体で使われた感覚に浸っていた。



「俺の独立戦闘部隊は、戦争では俺と隊士と術士のみの精鋭で出陣し、圧倒的な速度と強度で勝利する。

・・・ワクワクしないか?」


「おお!」「違いねえ!」「正に」



隊規や訓練生扱いに渋っていた3人は、一気に乗り気になって独立戦闘部隊への入隊を希望してきた。


マクシは傭兵団を副リーダー格の者に引き継ぐつもりらしい。



給与については訓練生としての給与だけでなく、他の報酬で補填することを伝えたが、3人とも興奮してあまり聞いていなかったな。


訓練生である間は国際行商・国内物流・魔物退治・商隊護衛などに参加させることも、異議はないようだった。


まあ、マクシとケニーには国内物流を任せていたからな。


国際行商には3人とも興味があるようだった。


そちらにも参加させて経験させてやるとするか。



最後に、「俺は他者の体で魔術を行使させることもできる」と伝え、3人に発火の魔術を使わせると3人とも大興奮だった。


隔離されている部屋とはいえ、ちょっと騒ぎ過ぎだろうか。

あまり客のいない時間帯だが、店主には後で謝っておかないとな。




最初に厳しい話をしてから、身体術習得の話をすれば、厳しい話も呑み込んで入隊に意思が固まるとは思っていた。


最後のダメ押しに魔術についても伝えたが、興奮しすぎて隊規の話とかが頭から飛んでなければいいがな。


・・・念のために、また説明する機会も作ろうか。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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