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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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オレグ、イリナとの再会① ナンドとジュリーの辺境行き、再会

グローフィル子爵がエルン村へ出立する際に、王都の生産系ギフト持ちを連れて行ってもらうことを、予め依頼していた。


錬金ギフト持ちのナンド1人を連れて行ってもらうつもりでいたが、その話を生産系ギルド持ちの会合で話している時に、興味を示していた縫製ギフト持ちのジュリーという女性が自分も行きたいと言い出した。


ナンドに気があるから、という気配は全く感じられないので、純粋に辺境の素材に興味があるらしい。


生産系ギフト持ちが増えるのは大歓迎なので、即答でOKを出して、グローフィル子爵には2人連れて行ってほしい旨を改めて伝え、了承を得ていた。



グローフィル子爵が王都を出立する日に、ナンドとジュリーを引き合わせ、それぞれ紹介した。


ナンドは若干内気なところがあるが、ジュリーは明るく社交的なようで、サンチェスとゴバロともすぐに馴染んでいた。


まあ、どちらも魔術を使えるし、旅路で役に立てば、ナンドも馴染むだろう。

グローフィル子爵も貴族家では稀に見るほど親しみやすい貴族だしな。




拠点防衛戦争が終わってしばらく経ったある日、夜に自宅に帰ると、手紙が届いていた。


ギフト保有者養成学校の事務長、タムゴー子爵からで、オレグとイリナが昨日入寮したとの連絡だった。


そろそろだとは思っていたけれど。


明日、1年ぶりに2人に会えるな。


大きくなっただろうか。

成長して変わっているだろうか。


楽しみだが、何だか少し、緊張もするな。




翌朝、久しぶりにギフト保有者養成学校へ向かった。


事務局で事務長に用がある旨を告げ、少し待つと、事務長が自身の部屋から出てきた。


事務長はあまり変わりがないようだな。


事務長の俺に対する感想は違ったようで、「卒業して国軍に入ったと思ったら、もう独立戦闘部隊、今は独立遊軍だったかな、に着任したとか。先の戦争での活躍も聞いているよ」とにこやかに話していた。


そのまま2人で、俺がギフト保有者養成学校の登校初日に案内してもらった会議室へ向かう。


資料がテーブルに積まれているが、見慣れない資料もあった。

魔法士系ギフト持ち用の講義の資料だろうか。



しばらく事務長と談笑していると、会議室の扉がノックされ、続いて3人が会議室に入ってくる。


1人は受付の女性、そして2人はオレグとイリナだった。



イリナ・・・大きくなったな。

最後に会ったときよりも背が伸びて、大人っぽくなったように思う。


オレグも、身長がイリナに追いついて、少し落ち着いたように見えるな。



2人も俺に気付いたようだった。


「お兄ちゃん!」


イリナが真っ直ぐに俺の方に走ってきて、抱きついてきた。

そして頭をグリグリと押し付けてくる。


大人っぽくなったと思ったのに、やっぱりまだ子どもだな。

いや、1年会わないというのは初めてだったか。



「アルト兄さん、デカくなったね。


俺も背が伸びたと思ったんだけど」


オレグがイリナの様子に苦笑しながら声をかけてくる。


「いや、オレグもイリナも成長したなと思ったよ」


イリナの頭を撫でながら、オレグに応える。



「さあ、まずこちらの事務長に挨拶しなさい」


俺はそう言って、イリナの肩を持って引き剥がし、オレグの隣に立たせた。



イリナがいきなり走り出して驚いていた受付の女性は苦笑しながら「失礼しますね」と会議室を出た。


「おはようございます、事務長。

今日はよろしくお願いします」

「おはようございます」


オレグが丁寧に挨拶し、イリナが続く。


「ああ、昨日も挨拶はさせてもらったね。


さっきは少し驚いたが、兄妹仲がいいようだね」


事務長が笑いながら応える。


イリナは今更ながらに恥ずかしがっているようだ。


事務長が椅子に座るように勧めて、オレグとイリナが事務長の向かいに並んで座る。


俺は事務長の隣に座った。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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