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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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初めての戦争④ 戦果確認、戦後の計画、戦争のための戦争

第15大隊が陣を払い、出発できる準備ができるまで待機し、第5中隊を先導として、戦場となった丘へ向かった。


将軍に第5中隊に続くように命令された第15大隊の面々は不安そうにしていたが、事情を知らされていなければ、そうなるよな。



昨日、俺が突っ込む前に第5中隊を待機させた場所に到着すると、血が乾いて黒くなっているが、丘の下から上の方まで血の跡が一直線に伸びているところが見えた。


逃げたトロイト王国軍の兵士たちが置いていった武器や荷物も転がっている。



将軍とその取り巻きの所にいくと、全員が呆然としていた。


「この丘に1万以上の兵が陣を構えていましたが、将軍を討ち取った後にみな逃亡しました。

今回の戦争は勝利したと考えていいのではないでしょうか。


私は戦争の計画について知らされていませんが、勝利した後はどのように動くのでしょうか?」


国軍での職位から考えると明らかに越権行為だが、勝利をもたらした者という立場で今後の動きについても聞いてみた。


「ん?ああ、そうだな・・・」


事情がわかっていないような様子で、将軍が言葉を濁し、取り巻きたちに視線を向けているが、取り巻きたちも互いに視線を向けるだけで答えようとしない。


もしかしたら、とは考えていたが・・・


「戦争で負けた時のことを考えていない将は、将失格とみなされるようですが、戦争で勝った時のことを考えていない将は、どのように言われるのでしょうね?

そんなことはありえないので、どう評価されるのか分かりませんが・・・」


将軍や取り巻きは、目に見えて狼狽え始めた。


「通常は戦争の目的、敵国に入り、敵兵を追い出したこの地点を確保することを考えるものでしょうか?

この丘は、この近辺のエリアを確保する上の要地となるでしょうから、ここに拠点を構築するのが定石ですかね・・・」


それっぽい話をすると、「ワシもそう考えておった」と将軍が食い気味に乗ってきた。


それから取り巻きたちも各大隊に連絡してこの丘に集合するように騎馬の士官に指示をし始めた。




今回の戦争で不思議に思っていたのは、大隊レベルにも戦争目的、作戦などが伝わっている様子がなかったことだった。


10個大隊が集合した後、1大隊ずつ順に進軍するという動き方の意味もよく分からなかった。


馬鹿馬鹿しくてありえないだろうと思っていたんだが・・・

「戦争することが戦争目的」、なのか。


軍の存在理由のために、一定頻度で戦争を起こす。


軍が動く時に必要となる物資や食料は膨大なものになる。

その金の動き、そこに噛む利権も大きなものになるだろう。


戦争に勝つ必要すらない。

国軍の成果が王国に帰するのなら、軍事閥の貴族家たちからするとむしろ負ける方がいいのか。

軍の規模と利益を守ることができればそれでいい。


だから、神輿として無能な指揮官と、その取り巻きを軍のトップとして戦争をさせる。

軍のトップに勝利した後に何をするのかすら伝えないままに。



凄まじく杜撰だし、テキトーすぎる・・・が、それで成り立つほど、王家の力が弱く、軍事閥の貴族家の力が強いということだろうか。


国全体としては豊かだから無駄なこともできてしまう、という面もあるのかもな。



分かったことも踏まえて、俺も動いていく必要があるな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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