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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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民間生産系ギフト保有者との交流会、錬金ギフト保有者ナンド

民間の軍事系ギフト持ちの3人はこちらの用意した仕事に誘って仲間にできたが、民間の生産系ギフト持ちの者たちは、それなりに上手くやっている者が多く、急いで仲間にしようとはせずに、交流を続けていた。


レフ兄さんとケイトさんも交えて、定期的に交流会も開催していた。


堅苦しくはなく、単に飲み食いするだけ。


そのついでに日頃の愚痴や悩みなどを吐き出し、それを聞いてやり、時には解決してやる、という参加しやすさを重視した会にしていた。



レフ兄さんとケイトさんが、俺が王都にくる前に交流していた民間の生産ギフト持ちは20人を越えていた。


そのレフ兄さんやケイトさんの友人・知人や、そのまた友人・知人も交流会にふらっと参加することがあり、毎回なかなか盛況といっていい会になっていた。



生産系ギフトの定義は、魔法士系ギフトと軍事系ギフト以外、という大雑把なものだから、その種類は多く、様々な分野に亘っている。


鋳造、調薬、医療、製菓、醸造、建築、土木、縫製、採鉱、造船、林業、工芸、修理、木工、騎乗、清掃・・・

効果が重なっているものもあり、用途の広いものや狭いものもあり、王都で仕事を探しやすいものもあれば、探しにくいものもある。


中には、単独では効果を発揮しづらいギフトも存在し、そういったギフトに覚醒した者は、他の者に比べても苦労していた。



レフ兄さんたちが直接交流していた者の知り合いの知り合い、というふわっとした立ち位置で交流会に参加して、交流会のために借り切っている部屋の片隅で暗い顔をしている男がいた。


俺の真のギフトでその者のギフトを確認してみて、「ああ、なるほど」と納得するものだった。


俺が声をかけてみると、最初はあまり口を開かなかったが、話を聞いている内に自身の苦労を話し出した。



その男が覚醒したギフトは、『錬金』。


有仁の世界では錬金術を使って活躍する漫画や小説があったが、この世界ではニーズを探すのが難しそうな内容だった。

その効果と知識の方向は、どちらかと言えば、『化学』と言ったほうが近いだろう。


有仁の世界でも錬金術に取り組んだ者が化学という分野の先駆けになっているような話を聞いたことがある。


生産系ギフトで得られる知識は、正しく問いかけることで得られる内容が多い。

この『錬金』は、この世界に基礎知識があまり存在しないので、その問いかけ自体が難しいようだった。


それでも、他の生産系ギフトに類似することはできるし、そういった分野の魔術は使えるので、そこそこ仕事にはなっているそうだ。


ただ、自分のギフトを使いこなせていないという不全感が気になっていて、この生産系ギフト保有者の交流会にくると、他の充実している者と自分の差を感じてしまうらしい。



俺は、錬金ギフトは辺境向きではないかと思った。


魔獣の素材の加工、例えば毛を鞣すための溶剤の生成など、化学分野が役に立つことはいくらでもある。

それに、辺境で活躍するのなら、俺が教えられることもいろいろある。


急いで誘っても良い結果にはならなさそうなので、辺境だとできそうなことを仄めかすくらいに止め、また時間がある時は交流会に参加するように勧めた。



何度か交流会で会って、話している内に、その錬金ギフト持ちのナンドは、辺境に行ってみようかという気になってきたようだ。


辺境まで1人で行ってもらうというのは無理だろうし、俺やレフ兄さんが辺境までついていく訳にはいかない。


グローフィル子爵が王都の使者として南東辺境開拓地域に向かう時に乗せていってもらえないか、聞いてみようかな。



交流会では、俺やレフ兄さんがナンドに辺境の話をしているのを聞いていて、辺境のことが気になった者も何人かいたようだ。


ナンドが実際に辺境に行ったら、他にももっと興味を示す者が出てくるかもしれないな。


生産系ギフト持ちはいくらでも辺境に来てほしい。


この交流会を継続して開催してきた成果が出てきたな。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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