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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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哨戒任務⑥ 遭遇戦

1日目の夜と同様に2日目の夜を過ごし、3日目。


昼前に、敵の部隊らしきものを察知した。


200mほどに接近した所で、全体に敵部隊接近を伝える。

数は300ほど。

こちらの1.5倍ほどか。


それに動きの統制はこちらより段違いに取れている。


中隊以上がまとまらないのは、この世界の常識じゃなくて、アクチュア王国の常識らしいな。



俺は混成部隊の先頭に移動する。


マクシ・ケニー・リビオの3人も、それぞれ仲間や知人を連れて前に出てきた。



トロイト王国兵もこちらに気付いたようで、陣列を切り替えながら近づいてきている。


道は少し広めで5人が並んで通れるくらいだな。


道から外れて林の中を移動することもできなくはない。


曲りくねった道のこちらから見える所にトロイト王国兵の先頭が現れた。


やはり、弓兵と弩兵を先頭に編成したようだ。


俺はすぐさま突っ込む。


身体術で強化したスピードで、相手が第一射を放つ前にロングソードで首を飛ばした。


先頭に配置された5名はすぐに処理し、2列目の5名も続けて処理する。


前の方にいる弓や弩を持っている者はこれくらいか。


一度混成部隊の先頭まで下がる。



「弓や弩を持っている者を10人処理した。

先頭の方には他にはいない。

後方にいる可能性はある」


端的に伝えると、


「おう」

「すげえな」

「実戦でもこれか」


と声が上がる。


相手のほうがまだ人数は多いが、こちらの士気も上がっただろう。



トロイト王国兵は、重装の兵を前面に出して、列間の距離を縮め、密度を上げてこちらに進軍してきた。


俺という戦力を軽装の遊撃兵と見たかな。

それで対応しきれないように飽和攻撃に切り替えたというところか。


向こうの隊長はこちらの士官とは比べ物にならないほど優秀だな。



俺は今回の任務ではそれほど目立たないことを目標としている。

目立った活躍は戦争に出てからだ。


まあ、それなりには目立ってしまうが、一人で片付けるようなことはしない。


「乱戦になるぞ!孤立しないように気をつけろ!」


だから他の者にもがんばってもらおう。


ただ、戦力差くらいは埋めてやるさ。



俺は混成部隊の先頭の位置で、トロイト王国兵を迎え討つ。


先頭の重装兵の1人を蹴り倒し、穴ができたところから重装兵3人を横から斬りつける。


兵の数と統制度合いでは負けているが、兵単体では混成部隊の方が上じゃないかと見ている。

実戦経験もこちらの方が豊富だろう。



強めの兵を減らしつつ、後方を睨む。


屈強な兵に囲まれ、指示を出しているあいつがこの部隊の指揮官か。


飛び上がり、兵の頭を蹴って・・・と見せかけて空中に足場を作ってそれを蹴り、いくつかの兵の頭を経由して敵指揮官の方へ向かう。


敵指揮官と周りの兵が思わぬ事態に慌てているな。


周りの兵を避けて、敵指揮官の首を狩る。


そのまま道の脇の木に登り、首を掲げる。


「トロイト王国兵の指揮官を討ったぞ!

首はここだ!」


首をフリフリと振ってみせると、我に返ったトロイト王国兵が木の下に取り付き、弓で撃ってくる者や剣を投げてくる者がいたが、全て弾いた。


跳んで木を伝いながら混成部隊の方に戻り、その途中でも指揮官の首をトロイト王国兵に知らしめた。


・・・マクシ・ケニー・リビオを猿山のボスだと思ったが、今の俺のほうが猿っぽいな。


ふとそんなことを思いながらも、混成部隊の先頭に戻る。



「さあ、お前たちの指揮官はこの通りだが、お前たちはどうするんだ?」


大声でよびかけ、精神魔術でこっそり恐怖もあおる。


数人が背中を見せて逃げ始めると、次々に逃げる者が出始めた。


5人が横になって通れる広さがあるとは言え、当然渋滞になっている。


指揮官の仇と前に出てくる者と逃げる者がぶつかり合ったりして、大混乱だな。



全滅させる必要はないし、追い散らすことができれば十分な成果かな。


俺は前に出てくるトロイト王国兵を適度に討ち、他の混成部隊の兵にほとんど任せながら、こちらの被害を少なくする方向で動いた。

苦戦しているところに牽制を入れているだけだが、生存率は上がっているだろう。



混成部隊の方に向かってくる兵が1人もいなくなった所で、マクシ・ケニー・リビオに目配せをして、「俺たちの勝利だ!」と勝ち鬨を上げた。


マクシ・ケニー・リビオが続き、他の混成部隊の兵たちも大部分がそれに続いた。


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