表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第一部 辺境開拓村

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/44

エルン村長夫妻への相談③

ギフトについては一通り話したから、話を変える意味でも別の話もしておこう。



「ギフトを切った状態で、身体術や魔術が使えるかどうかも試してみました。もちろんギフトを使用している時ほどではないですが、ギフトを通して使っていた感覚があるからか、それなりに扱えていたと思います。ギフトを切った状態だと2つ目の魔素の動きを把握する能力はかなり落ち、3つ目の考え方や思考力に関してはそこまで落ちない印象です」


エルン村長もアデリナさんも気持ちを切り替えてこの話題についても考えをめぐらしてくれているようだ。


「3つ目の能力が落ちないというのは私の農業のギフトでも同じね。農業に関する知識や作物を見て感じることなどは、ギフトを切ってもあまり落ちなかったわ。2つ目の魔素の動きの把握については、1つ目と同様に本来の能力に戻るということね」


アデリナさんが自身のギフトの感覚と照らし合わせて同意してくれた。


まあ、帳尻を合わせるように考えた偽ギフトの設定だけれど、納得してもらえるとほっとするな。


「私の剣士のギフトでも同じだね。身体術についてはギフトを切ると能力が落ちるけれど、それまでに使った剣術の動きなどは忘れずに使えるからね。それにしても、ギフトを切ったときのことまで既に試しているのには驚いたよ。キャンセルのギフトを使われた時の対策かな?」


「はい。それとは別に、ギフトなしで身体術・魔術を使う感覚を掴んでおきたかったのもあります」


「それとは別に?」


「まだ可能性がありそう、という段階ですが・・・ギフトを持たない人たちに身体術や魔術を覚えさせる時に必要な感覚かなと」


エルン村長だけでなく、アデリナさんも身を乗り出してきた。


「ギフトなしの人たちでも身体術や魔術を使える人がいる、実際にこの村でもいるわ。ただ、どうやって身につけたかと言うと、ギフト持ちの人を見ていてたまたま感覚を掴んだとか、何となくできたとか、これというはっきりした手法は見つからなかったのよね。ギフト持ちの人だとギフトを使用している時の感覚が残っているからギフトを切っても使えるようになりやすいのだけど。実際に使えば感覚を掴める、でもギフトなしの人たちはその実際に使う感覚がない。その壁はどうやって越えると考えているの?」


「身体術で自分以外のものを強化する、その延長で、他人に身体術を使わせることができないかと考えています。また魔術も同じように身体術で使わせることができないかなと」


「身体術で他人の体を固くしたり、生命魔術をかけたりして、魔素の動きを感じさせることで使えるようになった者もいるよ。キリルのことなんだけどね。ただ、身体術や魔術を『使わせる』というのは試したことがないな。かなり高度な技術になりそうだけど」


エルン村長も試したことがなかったのか。

キリル兄さんはそうやって使えるようになったんだな。


「自分の体でさえ、それこそ腕がちぎれたり、骨が折れたりしているのに、他人の体で身体術のバランスを取ったり、魔術を構築させたりというのは無理がある、とは思います。ただ、可能性としてできそうな感覚もあります。それができるレベルまで習熟できれば、実現できるのではないかと。弱いレベルの身体術などから始めれば、治療可能な範囲に収めることができそうですが、受ける人の覚悟は必要になりますね」


「うーむ・・・それはとても魅力的な可能性だね。身体術や魔術を使える人を増やせるというのはこの村にとってとてつもなく大きなメリットになるだろう。ただ、気軽に試すわけにはいかないね」


「そうね。身体術や魔術は大森林での狩りだけじゃなくて、農作業などの村内の作業でも、広範にわたって使える技術だし、様々な面で物事が捗ることになりそうね。今すぐ取り組むことができないのが残念なくらい」


「ええ。ですので、もしかしたらできるかも、という可能性として話しました」


「うん。今後の展望が大きく開けそうな話だったね。着手できる可能性が高まってきたら、また教えてほしい」


「はい。もちろんです」



よし、身体術の訓練で今後も無茶をすることに、ある程度納得してもらえそうかな。


村民全体の能力底上げのため、身体術・魔術を使えるようにするのは俺としてはマストだと思っているからね。



後は、当面の俺の動きについて詰めておかないとな。


「今後の僕の動きとしては、訓練に参加して、使えるようなら大森林の狩りへの参加、魔術を教えてもらい、村内作業に参加、というところでしょうか?可能であれば、エルン村長の家に置かれている本に一通り目を通し、社会の仕組みなどについて学びたいとも考えています」


「そうだね。アルトには訓練に参加してもらい、身体術をどこまで扱えるか、剣術等含めてどの程度まで体を動かせるのかなどは見ておきたいね。問題ないようなら狩りのメンバーに入ってもらうことも考えよう」


「魔術の習得についてはできる限り早く進めたいわね。魔術の改良を含めて、作業の戦力になってもらえることを期待しているわ」


「地理や国の制度、社会の仕組みなどについてはぜひとも知っておいてほしいね。そういったことが分かれば、アルトがギフトから得た考え方と組み合わせて様々な意見が出るだろう。分からないことや、本に書かれていなかったことなどは、私やアデリナに遠慮なく聞いてくれたらいいよ」


「はい。よろしくお願いします」


「こちらこそ、これからよろしく頼むよ」



ギフトについて明かして後は順次信頼を得てからいろいろ決めていくつもりだったけど、想定していたよりもエルン村長やアデリナさんの考えが柔軟で、俺の考えていたことのいくつかは聞いてもらえたし、先に進められることも増えたな。



さて、実際に動き始めて、俺の立てた仮説や推定の答え合わせと、今後の方針を具体的に決めていくことも進めていこうか。

この作品を読んでいただきありがとうございます!


もしよろしければ、ブックマークと評価の方もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ