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大力(嘘)で身を立てる  作者: ろん
第二部 王都進出

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『御前武試』1日目④ 3回戦 アルト 対 剛力ギフト保有者サブリナ

司会の貴族が2回戦の終了を宣告した後、またすぐに3回戦が始まった。


3回戦は、8試合16人ずつの4回になる。


俺とは違う山の方から試合が始まる。


まあ、2回戦と同じで、忖度が溢れている。


貴族家同士で当たった場合は、親の爵位が高い方に譲っているようだ。


有仁の世界で相撲の八百長なんかがあったな。

最後の一番、白星がかかっている試合(7勝7敗で迎えた試合)だと勝率が8割を越えるとか。


その相撲も真っ青の八百長っぷりだ。


高台と観客席のテンションの差が更に広がったな。


国王が観る、御前試合でもこれがまかり通る。

これが王家と貴族家の今の力のバランスというわけか。



3回目が終わって、4回目、また俺の番が来た。


今度の俺の相手は剛力ギフトの保有者で14歳の女だ。


背は俺より高く、体に女性らしさは残っているが、ムキムキだ。

顔はキレイ系なのでギャップがすごい。


有仁の世界のボディビルに出場している女性に、同じようなカンジのがいた気がするが。



動きを阻害しないギリギリまで金属の武具で武装して、金属の棍棒、メイスというべきか、を持っている。


メイスだと刃引きとか関係なく、普通に危ない気がするが、特に禁止はされていないらしい。


随分と傷だらけのメイスだ。

ふむ。そういうことか。



「大力ギフト、アルト」


「剛力ギフト、サブリナ」


名乗りあって対峙する。


サブリナは様子見をせずに、メイスを振り上げて、俺に振り下ろしてきた。


俺は剣を水平に振り、メイスに当てて弾いた。


少し鈍い金属音がなり、サブリナは上体が流れる。


俺は追撃しない。



サブリナが歯を食いしばり、またメイスを振り下ろす。


俺は剣を下から振り上げ、メイスに当てて弾いた。


サブリナはメイスの柄が頭上にきたところで堪えて、また振り下ろす。


俺は剣を水平にして受け止める。


サブリナは顔を真っ赤にして、俺の剣を押し切ろうと力を入れている。


俺は剣でメイスを振り払った。


そのままサブリナが吹き飛び、地面で尻もちをつく。



サブリナは力負けしていることに気づいたのだろう。


それでも自分を奮い立たせ、がむしゃらに俺に向けて何度もメイスを振ってきた。


俺は振り払わず受けるだけでやり過ごした。



メイスと剣の当たる音がどんどん鈍くなっていった。


サブリナがハッとした顔をする。

メイスが凹んで歪んできたことに気づいたかな。


身体術を武器に通せていないせいで、メイスにダメージが入っている。

俺の剣がきれいな状態なので、その差はわかりやすいだろう。



またサブリナが突っ込んできた。

すこしヤケになっているようだ。


俺はサブリナの左側に回って、左脇を斬りつけた。


うん、ちょっと意識して左にした。


「そこまで!勝者、アルト!」


サブリナがうつむいて左脇を押さえている。


ちょっと心まで折れてしまったかな?


これを機に、武器に身体術を通して強化することも重視するようになればいいんだが。



サブリナが担架で運ばれるが、俺はこの場に残るように指示される。


今日勝ち残った他の31人が集まってきた。


最後に国王が労いの言葉をかけて今日は終わりというところらしい。



俺の相手は回を重ねるごとに弱くなっていったような気がしたが、これも意図的に組まれていたんだろうか。


一応、相手の見せ場を作るようにがんばっていたんだが、明日もその傾向が強くなると、それが難しくなってくるな。


違う山の方のお遊戯みたいにならないように、明日はよりがんばる必要があるのかもしれない。


この作品を読んでいただきありがとうございます!


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