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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
第2章 救って巣くう人でなし編

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第39話 ポメ太郎やる気満々ー容疑者候補との対峙回(参)ー

「おい……」


 俺の腕の中にいるポメ太郎が突然低い声を出した。


「ん、なんだい?」

「貴様、八尾雀姫(やおのすずめびめ)様のことを知っているか」

「やおの……ふむ」


 雨木(うき)和豊(かずとよ)はやや考えるような素振りを見せてから「ああ~」と何か思い出したような声を上げた。


「アレなら、うちのご主人様が連れて行ったよ」

「な、なに!?」

「雀の女神様でしょう、今頃一体どうなってるかなぁ」


 雨木(うき)はおどけたように首を傾げて笑う。


「あの方はグルメだからね、あの女神様は最上の贄(ディナー)になるだろうよ」


 え、なんだよ……それってつまり雨木(うき)のご主人様とか言う奴が、ポメ太郎の主人の神様を攫ったうえに、食べちゃってるかもしれないってことなのかよ!?

 俺が衝撃で固まっていると、益々上機嫌の雨木(うき)はクスクスと歌うよう告げる。


「ふふふ、残念だったね神獣くん、もうきっと手遅れだよ。そもそも君たちはここで終わりだろうしね~!!」

「……まれ」


 そんな中、ポメ太郎が呟くように言った。


「ん?」

「黙れっっ!!」


 今度の声は激しく吠えるように鋭い。それを聞いてすぐに分かった。……あ、コイツ完全にキレてやがる。まぁ気持ちは分かるけども。


「貴様などの戯言にコレ以上付き合ってやる気はない!!そして八尾姫様のご無事はコチラで勝手に確かめる……!!」


 そう言い切ったポメ太郎はブルンっと身体を震わせ、俺の腕から飛び降りると堂々と雨木(うき)と対峙した。


「おい、シキヒト!!」

「お、おう……」

「やるぞ、準備しろ!!」


 ヒシヒシと殺気を滲ませながら雨木(うき)を威嚇するポメ太郎を見て、状況が状況なのに俺はただこんなことを考えていた。

 …………コイツ、俺の名前ちゃんと覚えてたのか。

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