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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
第2章 救って巣くう人でなし編

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第36話 ポメ太郎荒れ狂うー犯人捜索回(玖)ー

 なんやかんやあったけど、どう見ても怪しい雨木(うき)はその場では何もして来なかったし、撮影も終わってポメ太郎も取り返した!!


 ——……はぁ、何も起こらんとはつまらんなぁ


 いやいや、冗談じゃないですよ!?流石にこのまま逃げますからね……!!


 今俺がいるのはテレビ局の廊下。ポメ太郎を受け取り、抱きかかえて小走りで逃走中。

 とにかくアレに関わるのはまずい、場所を移して作戦の練り直しだ!!


「……う、う」


 今まで静かだったポメ太郎がようやく元気を取り戻したのか、フルフルと震えている。

 ん、いや、待てよ、これは……。


「なんだアイツは許さん!!噛み殺してやるぅ!!」


 やっぱりブチぎれてたぁ!?

 ぎゃんぎゃんと吠えまくるポメ太郎は、俺の腕の中で手足をばたつかせ暴れ狂っている。


「あ、あぶねぇ!!」

「そもそも何が悪霊に憑かれてるだぁ!?この神獣たる自分がっ!!」

「落ちるから、落ちるからやめろ!!」

「悪霊程度にどうこうされるものかぁ!!!!愚弄するのも大概にしろぉぉ!!!!」

「そもそも喋るなぁ!!誰かに聞かれたらどうするつもりだ……痛っ!!」


 ああああ、ポメ太郎が暴れまわるせいで、爪で腕に傷が!!


 ——もう放したらいいのではないか?


 そうしたらコイツ絶対、雨木(うき)のこと探しに生きますよ!?ダメに決まってるでしょ!!


「おやおや」


 そう聞こえてきた声の方に意識を向けると、丁度俺が向かっている曲がり角の方から誰かが出てくる。


「神獣くんは随分とご立腹のようだね」


 そこに居たのは先程、俺が足早に立ち去ったスタジオに残してきたはずの雨木(うき)和豊(かずとよ)だった。……は?


「しかし随分慌ててスタジオを出てきたようだけど、何か心配事でもあったのかい?」

「…………」


 待ってくれよ、この状況は……。


 ——逃げようとしていた相手に回り込まれたようだな


 ですよね!!ちくしょう!!というか師匠、如何にも楽しそうな声でいいますね!?


 ——はは、気のせいだろう~


 絶対に気のせいではない!!ああ、最悪だ……。

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