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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
第2章 救って巣くう人でなし編

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第33話 ポメ太郎堪える ー犯人捜索回(陸)ー

 師匠の言葉を相手にしている余裕がないほど、俺はハラハラしていた。

 なぜなら雨木(うき)和豊(かずとよ)が目の前までやってきて、ポメ太郎をじっと見つめて来ているからだ。


「やっぱりそうか……」


 な、何なんだよ……。


「その子さ」


 雨木(うき)はおもむろにポメ太郎を指さす。


「悪霊に憑かれているよ」

「は?」


 ——ぷははは!!


 呆気に取られる俺をよそに、師匠の大爆笑が俺の頭の中に響いた。

 う、うるせぇ……。


「いや、信じられないのは分かるよ。でも間違いないんだ」


 絶対に間違っていると思いますけども。

 いや、待て、こんなことを言うとポメ太郎が……あ、案の定ぷるぷる震えてブチ切れる寸前だ。ここでキャンキャン吠えたてながら喋ったりされたマズい!!

 俺は慌ててポメ太郎の耳元に顔を寄せ、小声で声を掛ける。


「ポメ太郎分かってるよな……ここで暴れたらヤバいことくらい」

「っっ!!」


 ポメ太郎は低い唸り声を上げたものの、どうにか怒りを堪えてくれたようで吠えたりはしなかった。

 どうにか抑えたけど、まだまだ油断できねぇぞ……。


「だからさ」


 あ、なんか知らんけど雨木(うき)がまだ話を続けている。正直、これ以上余計なことを言わないで欲しいんだけども!


「君の犬を除霊させてくれないかい」


 だから除霊する霊なんていないんですって。確かにポメ太郎自体が悪霊的に性悪ではあるけども。


「いや、結構で……」

「そして折角だから、その子も番組の撮影に参加すればいいと思うんだよ」

「……は」

「絶対に面白いものが見れると思うんだよね~」


 いやいやいや、本当に何を言ってるのこの人は!?というかまずは人の話を聞けって!!


「あのスミマセン、だから……」

「いやー、良い提案ですねー!!和豊(かずとよ)さん!!」


 今度は雨木(うき)ではなく、後ろからそんな声が聞こえて俺は間髪入れず振り返る。

 そこには如何にもな、テレビ局の偉い人っぽい人物の姿があった。


「それ採用、是非実際に除霊してみせてよ」

「ありがとうございます、山場プロデューサー」


 プロデューサーって……。


 ——確か番組制作とかでは一番偉い人間ではないか?


 はぁ!?勘弁してくれよー!!

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