第30話 ポメ太郎再び消失 ー犯人捜索回(参)ー
仕方ない何故かアイドルに抱きかかえられてた、ポメ太郎を追いかけるぞ……。
——まぁ、そうするべきであろうな
「はーい、それじゃあ皆さん移動しますよ」
ん、ちょうど高校生の集団も移動を始めたな……。
——しかも、犬っころが連れていかれた方向と一緒だぞ
ここは一緒に移動するべきか……?
——まぁ、制服が違うとはいえ、そちらの方が目立たないであろうな
……なら、部外者だとバレないように少しだけ距離を置きつつ、あの集団から離れすぎないように移動するか。
——おう、頑張れよ
……まったく、アイツが姿を消さなかったら話が拗れなかったものを!!
そんなことを考えつつ、俺は動き出した高校生集団と一緒に移動を始めた。
しばらく歩くとガラス張りの渡り廊下を抜けて、長い廊下を通り、階段を降った先で大きな扉を開いて中へと入っていく……ここは?
——恐らくスタジオというヤツではないか
そうですね、それはそれとしてポメ太郎がいないんだが?
——途中から見失っていたから、もしかしたら別の部屋かもしれんなぁ
いや、だとしたら最悪だぞ!?
あの毛玉犬、あとで見つけたらタダじゃ……っ!!
妙な気配を感じて、俺は思わず気配の方を振り返る。
——ほぅ
そこはスタジオ中央、ライトで照らされた先にソレは立っていた。
…………師匠、あれは人間ですか?
——ああ、恐らくシキが思った通りの存在だ
人外、か……だとしても正体が全然分からない。
——まぁ、そこは一度自分で考えてみろ
やっぱりそうなりますよね……。
それはそれとして、タレントとしてのあの人のことは噂程度には知っている。
長い薄紫色の髪に、年齢も分からない中性的な容姿、実際はともかく人格者と評判で不思議な力もあるといい、信者のように崇拝するファンも存在する著名人。
雨木和豊 、熱心なファンからはウキ様と呼ばれるタレントだった。




