第28話 ポメ太郎はただいま行方不明 ー犯人捜索回(壱)ー
靴を回収した俺は霊道内でそれを履き、ポメ太郎の後を追った。なぜ靴を履いたかと言うと先も師匠から言われた通り、霊道から出た先が野外である可能性もあるからだ。
そして霊道の中は暗いというか黒っぽいのに、周りのモノは視認出来るという、霊界あるあるの謎仕様である。
——まぁお前にもう少し実力がアレば、辿り着く先の見当も付いたかも知れんがなぁ
そんなことまで出来るんですか!?
——まぁダメな時もあるがな
いや、どっちなんですか……と、そうこう話している内に、霊道の出口が見えてくる。さて、その先にあるのは果たして……
——ふむ
ここは何かの建物の中か?
白い壁にそこそこ幅のある長い廊下。床には灰色のカーペットに、一定間隔で天井には蛍光灯が並んでいて、そこそこ明るい感じがするけど……どこだココは?まさか何処かしらの会社か、扉も少し先に扉もあるが……。
——よし、開けよう
いやいや、勝手に開けるのはマズイでしょ。
——勝手に建物中に入っている時点で、そんなことは今更であろうが
そう言われるとそうなんですけどね……!!
でもさ、流石に人としての良心というか、倫理観的に……。
「ちょっとそこの君!!」
あ、やべっ誰かに見つかった。声の方を振り返ると一人の男性が、こちらへ足早に迫って来ていた。
——シキは注意力が散漫だから
誰のせいですか!?と、師匠に気を取られていると、先程の男性が俺の目の前に到着してコチラを睨んでいた。うげ……。
「勝手に一人でこんなところまで来たらダメだろう!!」
「あ、すみません、少し道に迷いまして……」
俺はそっと目をそらしながら、苦し紛れにそう答えた。ここが何処だか分かってないし、一応嘘ではない。しかしこの男性の服装、随分とラフなTシャツにキャップをかぶっているな。会社員にしては随分と緩い服装に思えるけども……。
「はぁ、まったく仕方ないな……それじゃあ皆のところに案内するからついてきて」
いや、皆のところって何処ですかね……。
先程出した光る縁の糸は、この男性が向かう先へと続いている。ちなみに普通の人には見えないので、不審がられる心配もないとの師匠談である。
——まぁ丁度いいではないか、その男に付いて行ってみろ
……分かりました。どうせ他に当てもないですしね。というか一人で駆け出して行ったポメ太郎は何処に行ったんだよ!?
——まぁ糸の先だろうな
ところでポメ太郎は普通の人の目には……?
——あやつはバリバリ見えるぞ、元が現世の存在であるのと、あの犬っころ自身が未熟だから姿を隠す術を持たぬ
なるほど最悪な情報をありがとうございます!!
くそっあの犬が誰かに見つかる前に回収する必要が出てきたぞ……。
——なんだったらもうとっくに見つかってるやも知れぬぞ?
そういうこと言うの止めてくれませんかね!?
——いやー、楽しくなってきたではないか
人の苦境を楽しまない……!!




