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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
第2章 救って巣くう人でなし編

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第28話 ポメ太郎はただいま行方不明 ー犯人捜索回(壱)ー

 靴を回収した俺は霊道内でそれを履き、ポメ太郎の後を追った。なぜ靴を履いたかと言うと先も師匠から言われた通り、霊道から出た先が野外である可能性もあるからだ。


 そして霊道の中は暗いというか黒っぽいのに、周りのモノは視認出来るという、霊界あるあるの謎仕様である。


 ——まぁお前にもう少し実力がアレば、辿り着く先の見当も付いたかも知れんがなぁ


 そんなことまで出来るんですか!?


 ——まぁダメな時もあるがな


 いや、どっちなんですか……と、そうこう話している内に、霊道の出口が見えてくる。さて、その先にあるのは果たして……


 ——ふむ


 ここは何かの建物の中か?

 白い壁にそこそこ幅のある長い廊下。床には灰色のカーペットに、一定間隔で天井には蛍光灯が並んでいて、そこそこ明るい感じがするけど……どこだココは?まさか何処かしらの会社か、扉も少し先に扉もあるが……。


 ——よし、開けよう


 いやいや、勝手に開けるのはマズイでしょ。


 ——勝手に建物中に入っている時点で、そんなことは今更であろうが


 そう言われるとそうなんですけどね……!!

 でもさ、流石に人としての良心というか、倫理観的に……。


 「ちょっとそこの君!!」


 あ、やべっ誰かに見つかった。声の方を振り返ると一人の男性が、こちらへ足早に迫って来ていた。


 ——シキは注意力が散漫だから


 誰のせいですか!?と、師匠に気を取られていると、先程の男性が俺の目の前に到着してコチラを睨んでいた。うげ……。


「勝手に一人でこんなところまで来たらダメだろう!!」

「あ、すみません、少し道に迷いまして……」


 俺はそっと目をそらしながら、苦し紛れにそう答えた。ここが何処だか分かってないし、一応嘘ではない。しかしこの男性の服装、随分とラフなTシャツにキャップをかぶっているな。会社員にしては随分と緩い服装に思えるけども……。


「はぁ、まったく仕方ないな……それじゃあ皆のところに案内するからついてきて」


 いや、皆のところって何処ですかね……。

 先程出した光る縁の糸は、この男性が向かう先へと続いている。ちなみに普通の人には見えないので、不審がられる心配もないとの師匠談である。


 ——まぁ丁度いいではないか、その男に付いて行ってみろ


 ……分かりました。どうせ他に当てもないですしね。というか一人で駆け出して行ったポメ太郎は何処に行ったんだよ!?


 ——まぁ糸の先だろうな


 ところでポメ太郎は普通の人の目には……?


 ——あやつはバリバリ見えるぞ、元が現世の存在であるのと、あの犬っころ自身が未熟だから姿を隠す術を持たぬ


 なるほど最悪な情報をありがとうございます!!

 くそっあの犬が誰かに見つかる前に回収する必要が出てきたぞ……。


 ——なんだったらもうとっくに見つかってるやも知れぬぞ?


 そういうこと言うの止めてくれませんかね!?


 ——いやー、楽しくなってきたではないか


 人の苦境を楽しまない……!!

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