第27話 ポメ太郎は後先考えずに駆け出すー主人公バディ異変調査回(漆)ー
「はい、それではポメ太郎からの謝罪も受け取ったので続き行きます」
「うむ」
——おう、頑張れ
「そういうわけで、次はこれかな」
俺はあるものを取り出してポメ太郎に見せる。
「むむ、それは今拾ったばかりの八尾姫様の簪か?」
「そうそう、これを使って何処に連れ去られたのかの辺りをつける」
「そんなことが出来るのか!?」
「できるんだなぁ、これが~」
——たった今教わったことを披露するはずなのに、そういう言動が出来るのは最早才能だな
いや、この犬には絶対このくらいやっておいた方が良いんですって。
——そうか、まぁ勝手にしてくれ
「ではいくぞ……我求めるは道標、この簪の持ち主の在処を指し示せ【縁の糸】」
「な、なんと糸状の光が現れたぞ!!」
「まだまだだ、今回はそこに師匠お手製の便利グッズを使って……開け霊道!!縁の先へと繋がれ」
現れた糸へと向かって俺は、飴を入れるみたいに何かを入れて捻られた、小さな和紙の包みを投げる。これは以前非常時用にと、用途も教えて貰えず渡されていたものだった。
いや、師匠は割とこういうことをするんだよな……。
——だって後で分かった方が楽しいだろう?
どうでしょうね……。
縁の糸と投げた包みがぶつかると、そこには霊道への入り口が出来上がっていた。よし、成功だな。
「な、なんと……」
「これでこの先に本人がいるか、少なくとも何らかの手掛かりがある場所に繋がっているはずだ」
「この先に八尾姫様が!?」
「いや、だから絶対いるとは限らないぞ、何かされている可能性もあるし」
「ならば一刻も早く、先に進まねばならぬではないか!!待っていてくださいませ、八尾姫様ー!!」
「あ」
ポメ太郎はそう叫ぶと一瞬にして今開いたばかりの霊道へと飛び込んでいったのだった。
「いやいや、勝手に飛び込まないでくれよ!!」
——まぁ腹をすかせた犬の目の前に餌をぶら下げたら、速攻で食いつくに決まっているからな……シキが悪い
「俺のせいなんですか!?」
あまりの言い草に、俺は思わず声に出して叫んでしまった。
——所詮ケダモノなのだから、お前に監督責任が発生するに決まっておろう
酷い話だ……。
——そんなことよりも早く追いかけた方がいいのではないか?あの神使モドキ、ちゃんと様子を見てないと次に何をしでかすか分かったものではないぞ
うわぁあああ、もう!!
師匠の言葉に促されて俺も慌てて霊道に足を踏み入れかけた、が。
——おい、まて、霊道が繋がっている先が室内とは限らないぞ。入口に置いてきた靴も持ってきた方が良いのではないか?
あ……。
——まぁお前が外を靴下で歩いても構わないのであれば、止めはしないがな
全然よくないですけども!?
俺はそこでくるっとUターンして、入口へと駆け出した。くそっポメ太郎が何をするか分からないから、急がなきゃならないっていうのに……!!
——はは、全くお前は締まらないやつよのぅ
誰のせいですか……!!




