第25話 ポメ太郎は謝れたり謝れなかったり ー主人公バディ異変調査回(伍)ー
よし……師匠から方法は教わったし、言われた通りにやるぞ。
——おう、いけー!!
俺が何かしようとしている気配を察したポメ太郎がこちらを見る。それに軽く頷くと、俺は辺りの気配を手繰るように集中しながら、こう唱えた。
「我求めるは確かな証、過ぎ去りしもの見える形で今ここに【過去見の影】……!!」
その瞬間、応接間に人影のようなモヤが目の前に現れた。
ふぅ……どうにか上手くいったな。
「こ、これは!?」
「僅かに残った気配の残滓を利用して、ここで起こったことを部分的に具現化したんだ」
具現化した痕跡を見るに、一つの人影が八尾雀姫の特徴に一致しているが、それ以外に誰かもう一人いたようだな。二つある座布団に向かい合って座っているのと、ここが応接間であることを考えると……。
「客として尋ねてきた誰かに、何かされたってことか?」
「な、なんだと!?」
「いや、まだ断言は出来ないけどな」
——なら、もう少し先の場面も見れないか試したらどうだ? 少し調節すればいけるはずだから
いや、そんな簡単にいいますけど……もう少し先、もう少し先……こうか!?
「!!人影が変わったぞ!?」
お、上手く行ったが…………これは。
「何ということだ、明らかに八尾姫様が攫われているではないか!?」
うん、そうだね。明らかにぐったりした様子の八尾姫っぽい人影が、もう一人の影に抱きかかえられて、部屋から出ていくところだね。
「ゆ、許せぬ!!というかこの影はイマイチ不明瞭だぞ!!もっと明確にしろ」
「いや、そういうモノなんで無茶言わないで下さい。そもそも自分では何も出来なかったくせに」
「ぬぐ、ぬぐぐぐ!!」
あ、ポメ太郎がまたぬぐってしまった……。
——こらこら、小動物を苛めるでない
だってコイツが無駄に偉そうだから、つい……。
「…………それで、この先はどうすればいい」
お?
——お?
「貴様に言われた通り、私が自分だけでは何もできないのは事実だ……だから助けてくれ」
「ポメ太郎……」
——感動的な瞬間だな
「なら先に、さっき嚙みまくったり、吠えまくってきたことを謝れ」
——全然そうでもなかったな
「…………」
ほら、この犬また黙り込みやがったよ。
——いや、本当にチクチク苛めるのはやめろよな?




