第18話 ポメ太郎は自分で足を洗えるタイプの犬 ー主人公バディ異変調査回(壱)ー
——さ、話も纏まったところで現地調査開始だ!
わ、また脳内に直接声が!?
というか話しかけてくるなら、一緒にくればよかったんじゃないですか?
——やだメンドイ、小型犬って小煩いし、それとこうやって話せることは漏らすなよ
……はい、分かりました。
「えーっと、それでここが失踪が起こっていう神社なんだよな?」
「見ればわかるだろう」
「分からないから聞いてるんだが?」
ポメ太郎の態度は相も変わらず悪い。
返事はしているが、その顔は思いっ切りそっぽを向いている。
「一応、中の様子とかを見たいんだけども」
「…………では社を案内するついてこい」
するとポメ太郎は明らかに渋々といった様子で歩き出した。
その後を歩きながら改めて周りもみる。空は最初見たときから変わらない青と紫のグラデーションだが、参道の石畳は特別な部分もなく割と普通に見える。
そこを極太紅白紐を首に巻いた毛玉、もといポメラニアンがトテトテと歩いているわけだが。ぱっと見は可愛らしいかも知れない、ただコイツは噛みついてきた前科もあるため、一切油断できない存在なわけだが……。
「ここが社殿だ」
建物の前まで到着すると、振り返りながら半目でコチラをじっとーと見てくる。
「本来ならば、貴様のような奴は上げたくないのだが仕方なく特別だぞ……勘違いするなよ」
「安心しろ、俺だって来たくて来たわけじゃないからな」
「ふんっ、中に入るときはちゃんと靴を脱ぐんだぞ!!」
「そんなの普通そうするに決まって……いや、犬のお前こそ汚れた足をどうするつもりなんだ」
「愚問だな!!」
大音量でそう吠えたポメ太郎は、勢いよく駆けだす。すると社殿に隣接するとある場所へすっぽりと収まった。あれは学校とかにある手洗い場的な、でも足元に水を溜める場所があるな……もしかして犬の足洗い場的なものか?
「こうして水を出して……」
ポメ太郎は器用に蛇口らしきものを捻って水を出し、少し溜めてから止めた。
「溜めた水で足を洗い……」
汚れを落とすためか、一生懸命足を動かし、ちゃぷちゃぷと水音を立てる。
「溜めた水は抜いてから……」
近くにある洗い場の栓と繋がる鎖を咥えると、これまた器用にそれを抜いた。
「最後にしっかりと足を拭く……!!」
仕上げとばかりに、洗い場の隣に用意された足ふき用らしきタオルに、ぐいぐいと足をこすりつける。
その行為に十分満足出来たらしいポメ太郎は、露骨なまでのドヤ顔で俺のことを見てきたのだった。
「どうだ人間!?凄いだろう!!」
「あ、うん……家庭犬だったら天才レベルっすね」
「そうだろう、そうだろう」
いやいや、今の誉め言葉でいいんかい!!
「ふふ、主様にもいつもお褒め頂いていたものだ……」
え、これを??もうそれは神使じゃなくて扱いがペットでは……でもこれ言うと絶対にキレるよな、黙っておこう。




