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キジン師匠の裏祓い+α  作者: 朝霧 陽月
第2章 救って巣くう人でなし編

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第17話 シワシワポメ太郎 ー新事件導入回(参)ー

「いてっ」


 転移直後、俺は上手く着地が出来ず見事な尻もちをついた。

 そんな様子を横目に、同じ条件にも関わらず、冷静に着地をした自称神使のポメ太郎は「ふんっ」と鼻を鳴らす。なんか言葉には出してないけど馬鹿にされている気がする!!


 念のため、尻もちをついたズボンの汚れをポンポンと払いつつ立ち上がる。


 さて、師匠の力でいきなり知らない場所に飛ばされた訳だが……ここは何処だろうか。

 屋外なのは確かだが、空が青から紫のグラデーションで雲が一切ない。たぶん現世ではない異界的な場所だろうな。そして目の前には緋色の鳥居に、それをくぐってその先にある建物まで真っすぐに続く石畳…………これはもしかして神社か?


「なんと、我が主の社まで送り返されてしまったのか!?」


 はい、喋るポメラニアンのクソデカい独り言のお陰で分かりました。

 ここはどうやらポメラニアンの神の神社みたいだねー。いや、これじゃ語弊があるか?

 正しくは、ポメラニアンの飼い主に当たる神の神社っぽい。


「なんと言うことだ、もう一度あの方の元へ行かなくては……いや待て、送り返された以上そのまま戻ったとしてもご不興を買うだけでは?」


 相も変わらず見た目だけは、ふわふわで可愛らしいポメラニアンっぽい神使。そいつは謎にぐるぐると円を描くように歩き回っている。どうやら考え事をする時に歩き回るタイプらしい。


 俺がまたなんとなくその動きをじっと見ていると、突然バシッと目があった。


「おい人間、貴様は鬼神様の知り合いであろう!?お力添えいただけるように説得に協力しろ!!」

「え……嫌だけども」

「なんだとぉ!?」


 すると明らかに興奮した様子のポメは、俺の目の前まで来てキャンキャンと吠えたてる。


「困っている者を見捨てようとするなんて、なんて薄情な人間だ!!この人でなし!!」

「いや、だってお前さっき噛みついて来たじゃん。加害してきた奴なんて普通助けないだろう」

「はぁああああ!?その程度の些事でゴチャゴチャ言うなんて器が小さいぞ人間!!」

「自分が噛んだこと些事って言うなよ……!?」

「些事は些事だ!!」


 この小型犬、メチャクチャ身勝手!!

 しかもキャンキャンキャンうるさいのなんのって……だから俺は耳を塞いで、なるべくそれを遮るようにそっぽを向きながら、叫ぶようにこう言った。


「そもそも師匠がああ言った以上、それに逆らっても聞入れてくれるわけがないだろうがぁっ!!」

「…………」


 あれ、急にキャンキャンした小型犬の吠え声が無くなって静かになったか?

 思わずポメの方を見ると、先程まで大興奮していたそいつは、ポカンとした顔でコチラを見つめている。


「鬼神様が師匠……だと?貴様はただの下働きや、小間使いではないのか??」


 あ、はいはい。以前の蟲男といい、コイツもそういう系の反応をするわけね……。

 と、言うか小間使っていう認識は地味に酷くないか?


「そーですー、一応あの鬼神様の弟子でーす」


 真面目に答えるのも癪なので、あえてテキトーにそう答える。そんな俺のことをポメ太郎は、とても疑わしそうな表情で見つめてくる。


「むぅ……」


 なんか知らんけど、ポメが苦々しげに『むぅ』って言ってる。


「むむむむぅう……」


 全然分からないけど『む』も顔のシワも増えている。


「むむむむむぅううううう~~~!!うぐっ!!」


 今までで一番シワシワに顔をしかめた上に、最後に何かしらを飲み込んだ感じがするな。


「…………仕方ない……鬼神様が仮にも弟子を寄越したということなら、ひとまず貴様に協力して貰おう」


 物凄い絞り出したような感じかつ、嫌そうな表情で俺のことを見ながらポメ太郎はそう言った。

 コイツ……それを決意するためだけに、あんなに苦しんでいたのか。正直、全然協力なんてしたくない。が、それをしなければコチラも師匠からお仕置きをされかねない。

 故に多少の不快感は飲み込んで、俺もこのクソ生意気なポメラニアンを手伝ってやることにしよう。


「……ああ、よろしくな」


 それに対して当のポメラニアンはというと、その気がなさそうに「ふん」と鼻を鳴らすことを返事代わりにしたのだった。

 コ、コイツぅ……やっぱり見捨ててぇ。


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