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第65話 〜赤い葉〜

 十月の第一週、月曜日の朝。


 目が覚めて、枕元の懐中時計を、握った。


 温かい。


 でも、いつもより、弱い。

 体温と、混じり合うような、ぼんやりとした熱。


 映像が、来た。


 東京競馬、第十レース。芝1,800メートル。

 六番の馬が、好位から、直線で抜け出していく。

 二着が三番。三着が九番。


 ぼやけている。

 でも、番号は、なんとか、読めた。


 *(六番、三番、九番)*


 ノートに、記録を、付けた。

 「十月一日 温/ぼやけ/東京競馬6-3-9」


 ペンを、置いた。


 窓のカーテンを、開けた。

 十月の朝の光が、九月とは、少し、違っていた。

 夏の白い光から、秋の、少しだけ黄色がかった光に、変わっていた。

 街路樹の葉の色も、ところどころで、変わり始めていた。

 完全な紅葉では、ない。

 でも、確実に、季節が、動いていた。


 *(赤い葉が、増えてきた)*


 時計を、テーブルに、置いた。

 翠色の蓋。

 ぼやけながらも、応えてくれる時計。


 *(今日も、ありがとう)*


 なぜか、感謝の言葉が、頭の中に、浮かんでいた。


---


 九時。

 吉野さんが、迎えに来た。


「会長、おはようございます」


「おはようございます。今日は、事務所に直接で」


「承知いたしました」


 車内で、窓の外を、見ていた。

 十月の月曜の朝。

 夏の終わりからの、爽やかな空気。

 歩道で、女性が、薄いコートを、肩に羽織っていた。

 子どもの服も、長袖に、変わっていた。


 *(夏が、本当に、終わった)*


 車内のラジオが、控えめに、流れていた。

 朝のニュース。

 季節の話題。

 今年は、紅葉が、例年より少し、早いらしい。


「会長、紅葉、見に行かれますか」


 珍しく、吉野さんが、話題を、振った。


「いえ、ここ数年は、行ってないですね」


「左様でございますか」


「吉野さん、紅葉、好きなんですか」


「ええ。毎年、家族で、京都に。今年は、十一月の三連休に、行く予定です」


「いいですね」


「会長も、ご一緒に、いかがですか」


「ありがとうございます。今年は、少し、難しいかもしれません」


「お忙しい時期、ですか」


「ええ。色々と」


 *(吉野さんが、こうやって、たまに、話題を、振ってくれる)*


 *(俺が、誘いを、断る時の言葉も、ちゃんと、選んでくれている)*


---


 十時。

 恵比寿のオフィスに、着いた。


 月次レビューの日。

 会議室に、入った。


 山下が、いつもの席で、書類を、整理していた。

 今日も、ファイルが、二冊。


「会長、おはようございます」


「おはよう」


「九月の数字を、お持ちしました」


 俺は、椅子に、座って、ファイルを、開いた。


 FORECASTの会員数、八千人を、安定して、超えていた。

 月商、七百七十万円。

 小林の新アルゴリズムが、十一月のテスト実装に、向けて、最終調整中。


 不動産。

 既存四物件と、品川マンション。

 月間賃料収入、二百六十五万円。

 稼働率、一〇〇パーセント。


 KY Live。

 佐々木のフォロワー、九月末時点で、十万二千人。

 水沢アン、一万八千人。

 水野まり、八千五百人。

 佐々木拓也、十万二千人。

 真鍋優奈、一万六千人。

 音楽系男性、一万四千人。

 月間収入、合計、約九十万円。

 赤字幅、月七十万円。

 藤原の予測では、来年三月までに、単月黒字化が、見えていた。


 ナカジマ精工。

 月次黒字、十一ヶ月連続。

 大手医療機器メーカーから、追加発注。

 超小型インペラの論文、査読、最終段階。

 来月、掲載予定。


 田島フーズ(KY Pet Foods)。

 月間売上、二千六百万円。

 月間営業利益、八十万円。

 シェルター向け無償提供、八月の八王子初荷から、九月の関東圏内三団体への拡大、順調。


「全体として、伸びていますね」


「はい。順調でございます」


「グループ全体の月次余剰は」


「九月末時点で、約六百万円。来月以降、追加出資の効果で、さらに、改善する見込みです」


「来週、五千万、入金します」


「承知しました。受け入れ口座は、KY Holdings の本口座で、よろしいですね」


「ええ」


 山下が、頷いた。

 いつものように、淡々と。


 *(淡々と、すごい仕事を、こなしていく)*


---


 ミーティングが、終わった。

 山下が、もう一つ、話を、出した。


「会長、もう一点、ご相談したいことが」


「うん」


「水沢様の、二回目のシェルター訪問配信。今週金曜の予定でございます」


「神奈川の、大和市だったか」


「はい。藤原さんと、スタッフ二名で、訪問されます。事務所として、何か、お手伝いすることは、ございますか」


「いえ、藤原と水沢に、任せていい」


「承知しました」


「ただ、配信は、こちらでも、見ます」


「では、URL を、お伝えします」


 山下が、頷いた。


 会議室を、出た。

 藤原が、自分のデスクで、配信スタッフと、打ち合わせを、していた。


「藤原さん」


「あ、会長」


「金曜の配信、頼みます」


「もちろんです。大和市の団体、すごく、温かい雰囲気らしくて。水沢さんも、楽しみにしてます」


「了解。当日、頑張ってください」


「はい」


 藤原が、頷いた。


 *(KY Live の運営、藤原に、完全に、任せられている)*


 *(俺が、口を出さなくても、回る組織が、できている)*


---


 午後。

 オフィスで、書類を、片付けていた。


 西村が、ソファに、座って、スマートフォンを、見ていた。


「会長」


「うん」


「来週、不動産の物件、見に行こう」


「どこの」


「恵比寿。瀬川さんのカフェの、新しい場所」


「どこに」


「商店街の、奥の方。今のカフェから、徒歩五分の場所。二階建ての小さな物件で、家賃が、安い」


「いつ、見に行く?」


「再来週の月曜、午後で、どう?」


「了解。組んどいて」


「うん」


 西村が、頷いた。


 *(西村が、瀬川さんのことを、ちゃんと、考えてくれている)*


 *(俺が、八月の頭に、軽く、相談しただけなのに)*


 *(西村は、いつも、こうやって、動いてくれる)*


---


 夕方。

 オフィスを、出た。


 吉野さんに、連絡を、入れた。


「今日、夕方、銀座のバーに、行きます。少し、待っててください」


「承知しました」


 車で、銀座へ、向かった。

 外苑の銀杏並木の脇を、通った。

 葉が、少し、色付き始めていた。

 まだ、全然、黄色じゃない。

 でも、確かに、変化が、始まっていた。


 *(季節は、ゆっくりと、動いていく)*


---


 夕方の六時。

 銀座、六丁目のバー。

 半年ぶりに、来た。


 里中から、LINEが、来たのは、先週末だった。


 *「桐島さん、お久しぶりです。今度、お時間あれば、銀座で、お会いしませんか」*


 俺は、すぐに、返した。


 *「来週月曜の、夕方なら、空きます」*


 *「では、月曜の六時で、六丁目のあそこ、いかがですか」*


 *「了解です」*


 短いやり取り。

 でも、半年ぶりの、再会の約束が、決まった。


 里中は、すでに、店の奥の席で、待っていた。

 黒いワンピース。

 肩が、出ている、夏寄りのデザイン。

 でも、襟元に、薄いストールを、巻いていた。

 十月の夕方の、ちょうどいい温度感。


「桐島さん、お久しぶりです」


「お久しぶりです、里中さん」


 席に、座った。

 ウイスキーを、頼んだ。

 里中は、ジンライムを。


「桐島さん、半年ぶり、ですね」


「正確には、五ヶ月ぶり、です」


「そうですか」


「九月のパーティーのLINE、ありがとうございました」


「ああ、あれ。でも、結局、会えなかったから」


「ええ」


「私、最近、忙しくて。今の会社で、新しい部署に、異動になって」


「お仕事、伸びてますね」


「ええ。お陰様で」


 里中が、ジンライムを、一口、飲んだ。


「桐島さんも、忙しそうですね。ペットフード、すごいですね」


「俺じゃないですよ。みんなの仕事です」


「いつもの、そのお答え」


「事実なんですよ」


 里中が、笑った。


「桐島さんって、本当に、自分の手柄を、自分のものにしない人ですよね」


「そういう、性格なんでしょうね」


「魅力的な性格です」


「ありがとうございます」


 俺は、ウイスキーを、飲んだ。

 夕暮れの銀座のバー。

 ジャズが、控えめに、流れていた。


---


「桐島さん、私、最近、考えてることが、あって」


「どうぞ」


「私たちって、なんで、続いているんでしょうね」


 俺は、グラスを、置いた。


 *(里中も、桑原も、アンも、みんな、同じことを、聞いてくる)*


 *(女性は、関係性の本質を、ちゃんと、確認しようとする)*


「続いてる、というか、繋がっている、という感じ、ですかね」


「繋がっている、ですか」


「ええ。深く付き合っているわけじゃない。でも、お互い、忘れていない。連絡を、入れれば、会える」


「そういう関係、ですね」


「俺、桑原さんとも、似た関係で。水沢アンとも」


「お二人のこと、知ってます」


「ええ」


「桐島さんって、特殊な人ですよね。三人の女性と、それぞれ、その関係性を、保てる」


「特殊、ですか」


「普通の男は、できないです」


 里中が、ジンライムを、もう一口、飲んだ。


「私、桐島さんに、独占されたいとは、思ってないんです。それは、はっきり、言える」


「ええ」


「でも、桐島さんと、こうやって、たまに、会えるのは、私の人生の中で、いい時間です」


「俺もです」


「だから、これからも、続けたいです」


「はい」


「半年に、一回くらいの、ペースで、いいので」


「了解です」


 里中が、にっこりと、笑った。


「あと、桐島さんが、本当に、誰かを、選ぶ日が来たら。私は、そっと、引きます」


「……それは」


「言わないでください。今、結論を、出さないでいい話です」


 俺は、頷いた。


 *(里中も、ちゃんと、見ている)*


 *(みんな、ちゃんと、見ている)*


 *(俺が、ふらふらしている、と思いながら、それでも、繋がってくれている)*


---


 二杯目を、頼んだ。


 里中が、仕事の話を、始めた。

 PR会社で、新しいクライアントを、担当することに、なった。

 外資系の、医療機器メーカー。


「あ、もしかして」


「ええ。実は、桐島さんの、ナカジマ精工が、関わっているお客さんでも、あって」


「えっ」


「クロイツ社、ですよね」


「そうです」


「私、そこの、日本法人の広報を、担当します」


「奇遇ですね」


「桐島さんとは、関係ないですよ。仕事は、仕事ですから」


「いえ、嬉しいですよ。里中さんが、関わってくれるなら、安心です」


「ご紹介、お願いします」


「もちろん」


 *(こんな偶然が、ある)*


 *(人と人の繋がりは、こうやって、思いがけないところで、重なる)*


---


 夜の九時。

 里中が、立ち上がった。


「私、帰ります。明日も、早いので」


「お送りします」


「いえ。タクシーで、帰ります」


 バーを、出た。

 銀座の夜の街。

 十月の夜風が、少し、冷たい。

 半袖の若者は、もう、いない。

 みんな、ジャケットを、羽織っていた。


「桐島さん、今日、ありがとうございました」


「こちらこそ」


「また、半年後、くらいに、連絡します」


「了解です」


 里中が、軽く、手を、振った。

 タクシーに、乗り込んで、行ってしまった。


 *(里中も、ちゃんと、続いていく)*


 *(半年に一回。それでも、続く関係というのが、ある)*


---


 吉野さんの車に、戻った。

 南青山に、向かった。


 車内で、ぼんやりと、考えていた。


 今日、一日。

 月次レビューを、して、藤原と話し、西村と物件の話をして、里中と銀座のバーで、再会した。

 時計の話は、誰にも、しなかった。

 でも、誰もが、それぞれの場所で、しっかり、動いていた。


 *(俺が、いなくなっても、みんな、それぞれの仕事を、続けていける)*


 *(俺の役割は、たぶん、もう、終わりかけている)*


 *(時計の役割も、終わりかけている)*


 *(じゃあ、俺は、これから、何を、するんだろう)*


 その問いに、すぐに、答えは、出なかった。

 でも、答えを、出す必要も、ない気がした。


 窓の外、銀座から、青山に、抜ける道。

 夜の十月の東京は、街の灯りが、夏より、少しだけ、暖かく、見えた。


---


 タワーマンションに、戻った。

 リビングに、入った。


 窓の外、東京の夜景。

 十月の夜風は、確かに、涼しい。

 窓を、少しだけ、開けた。

 すぐに、寒さが、入ってきた。


 *(もう、夜風は、涼しいんじゃない。冷たい)*


 窓を、閉めた。


 ソファに、座った。

 懐中時計を、テーブルの上に、置いた。

 翠色の蓋。


 握ってみた。

 ほのかに、温かい。


 *(今朝の温度が、まだ、残っている)*


 *(時計が、衰えながら、まだ、続けてくれている)*


 *(俺は、それを、感謝する)*


 冷蔵庫から、ビールを、出した。

 ソファに、戻って、飲んだ。


 スマートフォンに、アンちゃんから、LINEが、来ていた。


 *「金曜、神奈川行ってくるよ! 頑張る!」*


 *「了解。配信、見るね」*


 *「やった!」*


 *(アンちゃんが、走っている)*


 *(みんなが、走っている)*


 *(俺は、それを、見ている)*


---


 夜の十時頃。

 桑原さんからも、LINEが、来た。


 *「今夜、ふと、銀杏並木を、歩いていました。色付き始めていますね。秋が、来ましたね」*


 *「外苑、俺も、夕方、車で通りました」*


 *「桐島さん、銀座にいたんですね」*


 *「えっ、なんで、わかるんですか」*


 *「外苑から、銀座まで、車で、十分ですから」*


 *「……桑原さん、鋭いですね」*


 *「いえ。たまたまです」*


 *(桑原さんは、いつも、こういう、何気ない観察を、する)*


 *(俺の動きが、桑原さんには、見えている)*


 返信を、書いた。


 *「実は、里中という人と、銀座で、会っていました」*


 既読が、ついた。

 しばらく、返信が、来なかった。


 二分ほどして、返信が、来た。


 *「素直な方ですね」*


 *「桑原さんが、知ってる気がしたので」*


 *「水沢さんも、桐島さんが、誰と会ったか、知っていますか」*


 *「いえ。でも、隠してはいません」*


 *「私たちは、お互いに、桐島さんの状況を、知っている。それでいいんです」*


 *(桑原さんが、ちゃんと、整理してくれている)*


 *「ありがとうございます」*


 *「いえ。私が、勝手に、納得しているだけです」*


 ハートのスタンプが、一つ。


 俺も、ハートのスタンプを、一つ、返した。


---


 懐中時計を、もう一度、握ってみた。

 冷たくなっていた。


 でも、朝の温度のことを、思い出した。

 ぼやけながらも、来てくれた映像。

 六番、三番、九番。


 *(明日、東京競馬場、行ってみるか)*


 *(賭けるかは、わからない。でも、行ってみる)*


 *(懐中時計が、運んでくれる場所が、まだ、あるかもしれない)*


 ソファで、目を、閉じた。


 外で、十月の夜が、深まっていった。

 遠くで、車のエンジン音。

 もう、夏の蝉の声は、聞こえない。

 代わりに、何かの、夜の虫の声が、控えめに、聞こえていた。


 *(季節が、動いている)*


 *(俺も、動いている)*


---


 翌日、火曜日。


 朝、時計を、握った。

 ほのかに、温かい。

 でも、映像は、来なかった。


 *(温かいけど、映像なし。そういう日も、出てきた)*


 ノートに、記録を、付けた。


 *(東京競馬場は、また、別の日にしよう)*


 昼に、事務所に、向かった。


 夕方、川崎競馬のナイターを、見に行った。

 時計の温度は、朝のままだった。

 ぼんやりと、温かい。

 でも、映像は、ないままだった。


 賭けは、しなかった。

 ただ、レースを、見ていた。

 ビールを、飲みながら。


 *(時計が、衰えていく中で、こうやって、競馬場に、来るだけの夜も、悪くない)*


 *(自分の足で、ベンチに、座っている)*


 *(時計があってもなくても、ここに来られる)*


 川崎の夜空に、雲が、流れていた。

 十月の夜は、星が、少しだけ、増えていた。


---


 水曜日と、木曜日も、似たような、日が、続いた。

 時計は、温かいけど、映像が、来ない。

 あるいは、ぼやけたまま、結果が、ずれる。


 九月末から、明らかに、ペースが、落ちていた。

 でも、毎日、時計を、握る習慣は、止めなかった。


 *(時計が、温かい限り、俺は、それを、感じる)*


 *(衰えていく時計の、その熱を、ちゃんと、受け止める)*


---


 金曜日の夜。

 アンちゃんの、シェルター訪問配信が、始まった。

 神奈川県大和市。

 関東圏内三団体の、一つ。


 タワーマンションのリビング。

 スマートフォンで、配信を、見ていた。


 アンちゃんが、シェルターの庭で、犬に、囲まれていた。

 大型犬が、二頭。

 アンちゃんに、じゃれついていた。

 アンちゃんが、笑いながら、犬の頭を、撫でていた。


「皆さん、大和市の保護団体『あおい』さんに、来ています。代表の井上さんが、案内してくれます」


 四十代後半の、男性が、画面に、入ってきた。

 穏やかな顔。

 手に、犬のリード。


「井上です。今日は、KY Pet Foodsさんと、水沢さんに、来ていただいて」


「井上さん、ここ、何頭、保護してるんですか」


「犬が、六十二頭、猫が、二十八頭です」


「広い庭ですね」


「ええ。大和市の郊外で、土地が、安かったので。元は、農地で」


 配信が、ゆっくりと、進んでいた。

 同時視聴、千八百人。

 コメント欄に、応援のメッセージが、流れていた。


 俺は、最後まで、見届けた。

 配信が、終わった。


 アンちゃんから、すぐに、LINEが、来た。


 *「遊馬くん、見てくれた? 今日、すっごく、楽しかった!」*


 *「見てたよ。良かった」*


 *「井上さん、すっごい、優しい人で。藤原さんも、感動してた」*


 *「ありがとう、アンちゃん」*


 *「こちらこそ!」*


 *(アンちゃんが、輝いている)*


 *(自分の足で、立っている)*


---


 夜の十一時。

 ベッドに、入った。


 懐中時計を、ナイトテーブルに、置いた。

 翠色の蓋。


 握ってみた。

 今夜は、冷たい。


 *(今週、温かい日が、二日。冷たい日が、五日)*


 *(先月の三分の二程度の頻度)*


 *(来月は、もっと、減るかもしれない)*


 *(それでも、続いていく)*


 外で、十月の夜風が、ビルの間を、抜けていく音が、聞こえた。

 冬の予感が、混じる、秋の風。


 目を、閉じた。


---


**── 残高メモ ──**


| 項目 | 金額 |

|:--|--:|

| 9月最終週〜10月第1週 ギャンブル収益(温度低下のため少なめ) | +約140万円 |

| 生活費・銀座バー・タクシー等 | ▲約15万円 |

| 前話繰り越し(個人) | 約25,924万円 |

| **桐島遊馬 個人資金** | **約26,049万円** |


*時計の温かい日が、週2日程度に。鮮明度低下も継続。月収は、過去半年比で、約半分に。*


| 項目 | 金額 |

|:--|--:|

| FORECAST 10月月次売上(横ばい) | +約780万円 |

| 不動産賃料収入(10月分・5物件) | +約265万円 |

| オフィス賃料・人件費等(10月分) | ▲約390万円 |

| 宮本エンジニア給与(10月分) | ▲約58万円 |

| 既存融資返済(10月分) | ▲約180万円 |

| 新規融資返済(10月分) | ▲約284万円 |

| 品川マンション不動産ローン返済(10月分) | ▲約30万円 |

| 前話繰り越し(法人) | 約12,305万円 |

| **KY Holdings 法人口座** | **約12,408万円** |


*グループ全体の月次余剰、約600万円に改善(前月比+200万)。来週、桐島から法人へ追加出資5,000万を実行予定。*


| 項目 | 金額 |

|:--|--:|

| ギフト収入合計(事務所分10%・10月) | +約45万円 |

| 企業案件収入(事務所分30%・10月) | +約45万円 |

| 人件費・ライバーサポート等(10月分) | ▲約160万円 |

| 前話繰り越し(KY Live) | 約145万円 |

| **KY Live 法人口座** | **約75万円** |


*佐々木フォロワー、10万人突破。月間収入90万、赤字幅70万。藤原ディレクターの予測では、来年3月までに、単月黒字化見込み。*


| 項目 | 金額 |

|:--|--:|

| 受注加工売上(10月分) | +約440万円 |

| 大手メーカー継続取引(10月分) | +約125万円 |

| 人件費・諸経費(10月分) | ▲約470万円 |

| 前話繰り越し(ナカジマ精工) | 約4,962万円 |

| **ナカジマ精工 口座残高** | **約5,057万円** |


*月次黒字11ヶ月連続。超小型インペラ論文、来月、学会誌掲載予定。クロイツ社(外資系医療機器メーカー)からの追加発注、継続中。里中PR担当として日本法人広報を担当することが、判明。*


| 項目 | 金額 |

|:--|--:|

| 月間売上(10月分) | +約2,650万円 |

| 経費等 | ▲約2,490万円 |

| シェルター無償提供原価 | ▲約60万円 |

| 前話繰り越し(田島フーズ) | 約1,515万円 |

| **田島フーズ 口座残高** | **約1,615万円** |


*KY Pet Foods、関東圏内3団体への定期搬送、順調。次回、11月に、全国シェルター連絡会議を、開催予定。*


| 口座 | 残高 |

|:--|--:|

| 桐島遊馬(個人) | 約26,049万円 |

| KY Holdings(法人) | 約12,408万円 |

| KY Live | 約75万円 |

| ナカジマ精工 | 約5,057万円 |

| 田島フーズ | 約1,615万円 |

| **総資産(融資別)** | **約45,204万円** |


*融資借入残高:約23,981万円。品川ローン残高:約6,881万円。来週、桐島から法人へ追加出資5,000万を実行予定。里中彩との半年ぶり再会。クロイツ社(ナカジマ精工取引先)の日本法人広報を、里中が担当することに。*


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