アンパンマンとジャムおじさん
一ノ瀬
「そろそろ何か食べる?」
あおい
「そうだね、じゃあお店行こっか?」
一ノ瀬
「何食べたい?僕は、ピザにしようかなあ」
あおい
「じゃあ、私はクレープにしようかな」
一ノ瀬
「花咲、あそこのベンチで待ってて
あの、メリーゴーランドのとこ」
あおい
「あ、うん じゃあ先行ってるね」
(メリーゴーランドってなんか可愛い
白馬と白銀の馬車、キラキラしていて
どこか幻想的でお姫様になれちゃいそうな…
そんな夢を抱かせてくれる
子供の頃、こういうの好きだったな)
そんなことを思いながら座っていると、一ノ瀬が戻ってきた
一ノ瀬
「はい、これ花咲のね 飲み物これでいい?」
あおい
「あ、私のも買ってきてくれたの?ありがとう」
一ノ瀬
「うん笑 さあ、食べよう」
あおい
「でも、一ノ瀬くんがジェットコースター苦手なの意外だったなあ」
一ノ瀬
「ね?僕、完全無敵のヒーローなんかじゃないでしょ?
でもさ
そんなかっこ悪いとこも花咲には知ってもらいたいっていうか…
花咲には見せられるっていうか…」
(一ノ瀬くん?)
「花咲はどう思ってるかわからないけど
花咲とご飯行ったりするのってすごく…楽しくて
なんか生き返るって感じ?疲れが吹っ飛ぶって言うのかな…」
(う、うん…)
「ほら、アンパンマンだってさ
ジャムおじさんやバタコさんがいるから
いつでも困ってる人にあんぱんを分けてあげられるんだと思うんだよね
だから…花咲は僕のジャムおじさん?みたいな笑
ごめん…姪っ子がいまアンパンマンにハマってるから
笑
いい例えがそれしか浮かばなかった
つまり何が言いたいかっていうと花咲はそれくらい
僕にとって大きな存在で花咲との時間が大切だってこと…」
あおいは
小さく首をふる
あおい
「そんな…私何もしてないし、職場でもいい顔してるだけの人っていうか」
一ノ瀬
「そんなことないんじゃないかな
ここ数ヶ月一緒にいて、花咲の根っこの部分は何も変わってないって
そう思った
素直で純粋っていうか… 子供の頃好きだった花咲はいまもいる
そこにさらに、人のため
まあ自分のためでもあるのかもしれないけど
周りの事を考えて気配りもできる花咲もいて
僕はそういう花咲が…好きだよ
もっと自信持ってもいいんじゃないかな…」
あおいの目には涙が溢れていた
一ノ瀬
「ご、ごめんっ一人でしゃべってた…
いや、急にこんな話するなんて、びっくりするよな…
花咲…泣かないで」
一ノ瀬はそっとハンカチを渡した
あおい
「ううん、一ノ瀬くんの言葉が嬉しすぎて
何か涙出ちゃった笑
一ノ瀬くん優しいんだもん…笑
そんな風に言ってくれてありがとう」
一ノ瀬は少しホッとして
あおいの背中を優しく撫でた
「花咲、コーヒー飲む?」
あおい
「飲む笑 ねえ飲んだら観覧車行こう」
一ノ瀬
「うん、行こうか」
二人の思いがようやく一つになり回り始めた




