距離感
あの衝撃の2人飲み以来
仕事帰りのちゃんこ鍋屋は早帰り出来る日の恒例となりつつあった
それはあおいにとっていいリフレッシュにもなっていた
本当の意味で肩の力を抜くことができる時間だった
一人でドラマを見て好きなジンジャーエールを飲む時間も
前を通るたびに可愛くよってくる金魚と会話する時間も
リフレッシュにはなる
だがそんな一人時間にはない癒し効果があった
ただ…
仕事はやはりやりにくかった
べつに社内恋愛という訳でもないし
仮にそうでもあおいたちの会社は割とそういうのには寛容だ
なのに、意識しすぎるほうが変といえば変だ
だが…
先輩であること、一応まだ教育係であることなどもあり…
職場では同級生モードは封印した
いや、そのレベルじゃない
前にもまして、距離を保つことを意識した
一方、一ノ瀬は相変わらずだ
あおいが色々気にしている傍で
「先輩、コーヒー買ってきたんでどうぞ!」
「先輩、ランチ行きましょう?」
「先輩、今日疲れてますね?ほら、こうやって肩回して…」
ペットのような可愛さであおいに話しかけてくる
(一ノ瀬と花咲は仲良いな…笑)
課長や他社員の視線があおいにそう語りかけているようにも感じられた
あおいはとにかく表面上
これまでのあおいを保つことに全意識を集中していた
そんな感じだったが
一ノ瀬はそんなあおいの様子に対してなにか言ってくるわけでもなく…
なんだか不思議な距離感のまま
滞りなく日常を過ごしていた




