京、友達が出来る05
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「「「きょうふよぉーーーー!!」」」
ブツブツと考えていたことが腑に落ちた京は、フーちゃんこと不動明王と彩凰に‘‘どうよ‘‘と聞かせるために、あえて強い口調で言った。京の頭の上で寝床を整えていた彩凰は肯定するよと「ピィーーーィ」と鳴き、フーちゃんは気まずそう言う。
『………………良いかもしれないね…けどね………すでに表の世界に戻った事は忘れないでね』
「………え?」
フーちゃんに言われ周りを見渡すと、京を中心に西郷、沖田、黒田、斎藤が四方に顔を青くして尻餅を付いているように見えた。
(………組体操でもしてたのかしら……ならどんな技かしら…きになるわね。それに顔色もあまり良くないわ…三半規管でも弱いのかしら)と、とんちんかんな事を考えながら目の前の西郷へ声をかける。
「西郷君。組た………」組体操の技名を聞こうとしたのだが、目の前の西郷が突然、土下座をして謝ってくる。
「「ごめん京。俺たちが悪かった許してくれ」」
(……そこまでして技名を教えたくないのね。きっと運動会で披露する新技なんだわ…それなら詮索しない方がいいわよね………けれど土下座は素人ね、美しくないわ。こんな土下座を見せても相手の心は動かせないわ。ここはプロである私が西郷君の為に一肌脱いであげないとね)
多忙な中でもジャンピング土下座の修練を欠かさなかった京は、もし土下座大会が開催されたら芸術点、技術点とも満点を超える数字をたたき出すだろ。そんな京から見て西郷の土下座は正にずぶの素人、人前で見せるレベルにすら達していなかったからこそ、京は西郷の今後の事を考えて特訓しなければと決意する。
「西郷君。そこまでして組体操の新技を秘匿したいなら…詮索しないわ」
京は一度区切り言葉に力を入れる。
「けれど土下座はダメよ話にならないわ。そんな素人の土下座を見せて相手の心を動かそうなんて………………」
京が話終わる前に西郷が話しを被せてきた。
「組体操とか土下座と何言いてるのか全然分からないけど、違うんだ聞いてくれ俺はお前に言い過ぎた。ゴメン許してくれ」
ここで少し時間を遡り、京がシャーリィの恐怖から思考世界に逃げ込んだころ西郷、沖田、黒田、斎藤の少年四人は、京が大きい方を漏らして惚けってしまったと思い込み「大丈夫だよ、気にしないで」「少し漏らしたぐらい気にするな」と励ますように声をかける中、斎藤が言う。
「京ちゃん。こいつ西郷なんて授業中にう◯こ漏らしたんだぜ。ビックリだよな」
と笑って見せる。キングの称号は京ではなく、西郷にこそ相応しい正に漢の中の漢。King of Kingsだった。そんなキング西郷が自慢するように言う。
「俺のお漏らしは、つまらない授業を強要するセンコウ…いや大人達、この社会に対する反抗なんだよ」
今にも盗んだバイクで走りだしそうな事を言うが、反骨心をもっと違うところで使うべきなのでは………今後に期待したい西郷へ黒田が肩に手を置いて関心したように言う。
「お前のお漏らしにそんな深い理由があるなんて…知らなっかったよ………」
黒田は言葉を区切り語気を強くした。
「だけど!!クラスメイトに迷惑かけたらダメだろう。お前が詰まらなくても他の子は真面目に授業聞いてただろ。お前のせいで授業が中断したんだぞ、何でもお前基準で考えるな」
黒田に気圧される西郷だが、キングはこんなことでは怯まない。
「…おぉ…おう。なら今度は体育の授業の時してやるよ」
西郷らしいと言えば西郷らしいが……黒田はつい切れ気味なる。
「あ゙ぁ゙………一応聞くが…何で体育なんだ」
「教室は匂いが籠るけどよ、外なら籠んないだろ。だってよ………」
と言って京に顔を向け匂いをクンクンと嗅ぐ。
「こいつ臭くないだろ」
黒田は西郷に言われ匂いを嗅ぐ(…確かに臭くない……それよりも…ほのかに香る甘い匂いがする。そんな昭和のアイドルでもあるまいし…そんなバカな話があるわけがない)黒田はさっきから「京ちゃんごめんよぉ、僕が必ず責任取るから」と半泣きになりながらも訴え続ける沖田に顔を向ける。
「沖田。しっかりしろ京は本当にもらしたのか?お前が言い始めたんだぞ、一度京の匂いを嗅いで確認してみろ」
「な゙ぁ゙……な゙に゙い゙っ゙…でんだよ。僕が京ちゃんにそんなことできるわけないだろ」
半泣きなりながらも沖田は黒田に反論するが、黒田に頭を掴まれて強制的に匂い嗅がさられる。斎藤も「それなら俺も」と匂いを嗅ぎ西郷、黒田も確認の為にクンクンと四人で京を囲み匂いを確認していると、少年達の足元に弾丸が撃ち込まれた。
ここで再び雑賀に消滅の危機が訪れたのだ(ガキどもが姫様の匂いを嗅ぐなど不敬にも程がある)この場を放置などしたことが晴信の耳に入れば雑賀は処罰される、自分の危機を回避するために行動を起こす。
進入規制を解いた後に雑賀の応援に入った、数名の根来衆に指示を出し雑賀達は装弾数33発のサイレンサー付き拳銃から次々と弾丸を撃ち込む。
少年達は「なんだよ」「どうなってんだ」と踊る様に躱し、偶然にも京を中心にして四方に立つが、今まで締まりのない口でアホの子みたいに惚けていた京から、殺気が放たれ表情が別人の様に豹変した。
その目は、この世に生きる者を抹殺することが思考の喜びと言う程に凶悪な目をし、口角を上げニヤリとしながら、生き血を求める様に舌で唇をなめる、正に凶悪な悪魔が………本当に凶悪な何者かに憑依された様だった。
この頃、脳内…思考世界で京は赤黒いゲルに完全に侵食されていた事を知る由もない少年達は、恐怖の余り足がすくみ動くことが出来ずにいた。ただその場に立ち尽くす少年達に更なる恐怖が襲い掛かる。
豹変した京はいきなり苦しみ始めたのだ。その様は、今にも抹殺したい衝動を抑えているのか……それとも拘束され動きをとれずにいるのか……突如「ぐぉおおーー」と悶え始めると、少年達はひたすらに謝る。
「ゴメンよ、匂いを嗅いで」
と普通に謝る者がいる中で。
「ごめんなさい。ずっと匂いを嗅いでいたいなんて考えて」
と下心を暴露する者や。
「お前が漏らしたって、言い始めたのは沖田だからな」
と人に罪を擦り付ける者いれば。
「キングは俺じゃない。キングはお前だ」
と何を言いたいか分からない者いる。
少年達が必死に謝る中で、京が強い口調で言う。
「「「きょうふよぉーーーー!!」」」
少年達は死ぬほどに驚き、その場で尻餅をついた。
話は西郷が土下座して謝る所まで戻る。
「組体操とか土下座と何言いてるのか全然分からないけど、違うんだ聞いてくれ俺はお前に言い過ぎた。ゴメン許してくれ」
「………西郷くんが…私に何を言い過ぎたの?覚えていないのだけど」
「…そ…それは………………」
京に問われ、言うべきかどうか悩んでいると沖田が西郷の右横で土下座をして謝ってくる。
「違うんだ京ちゃん。西郷は悪くない。悪いのは僕なんだ。僕が……僕が…僕が京ちゃんと少しでも長く二人でいったかったから、わざとユックリ歩いたせいで間に合わなかったんだ!!全部僕がいけないんだ」
「………………沖田くん。私の何が間に合わなかったの」
何を二人が必死に謝っているのか理解できない京に、西郷の左横で土下座して斎藤が沖田を庇う。
「京ちゃん。沖田を怒らないでくれ、悪気は一切なっかたんだ」
「………何で私が沖田くんを怒らいないといけなの?意味が分からないのだけど……けど沖田くんの気持ちは…少し嬉しいかも」
京が照れるように頬を赤らめるが、黒田が「何で俺まで」とブツブツと言いながら沖田の隣で、全く心のこもらない土下座をして言う。
「沖田の勘違いから始まったんだよ。京がお漏らししったって」
「???????…………いつ、どこで、だれが、何をしたの?……お。き。た。くん」
好感度が少し上がった沖田だが、残念なことに好感度はゼロを突き破り奈落まで落ちで行く。
アワアワアワと口を開くが恐れの余り言葉が出てこない沖田に代わり、西郷が代弁する。流石西郷、漢である。
「京。お前がウ〇コもらしったて」
西郷の言葉で理性が飛んだ京は顔を落としブツブツと何かを唱えると、突如顔を上げ正に不動明王のような怒気がこもった表情を見せる。
ゴォゴォーーと響かせながら京の背後に業火が吹き出し火炎光背が現れた。霊視できない少年達にさえ見えたのだから、凄まじい業火だ。
「だれがぁーー脱糞したってぇーー」
京は目の前で座る、怯えてはいるが何故か目を輝かせる西郷の胸倉を左手で掴み力ずくで引き起こすと、右手の拳で西郷の顔を貫こうと拳に力を入れる。
西郷は自ら地雷を踏んでしまったのだ。三方ヶ原のあの日以来、武田家臣団や関係者の間では‘‘脱糞‘‘は禁語になっていたのだ。そんな中で知らなかったとは言え西郷は違った。正にキング……イヤ勇者西郷は全てを超えて行く者かもしれなかたが………ここでこと切れてしまうのか、京の剛健で殴られれば頭蓋骨を粉砕しながら、頭部は体から離れ後方へ吹き飛ぶだろう。
沖田、黒田、斎藤が「「「「やめろぉーーーーー」」」」と必死に叫ぶが。
「「「「だぷんなんかしてないもぉーーーーーーん」」」」
叫びながら拳を突きだそうとした瞬間……爆音が轟き京は驚きの余り拳を止めた。
雑賀は拳銃を素早くホルダーにしまうと、常に携帯しているロケットランチャーを構えると京と西郷の顔の間を狙い、ためらうことなく40mmロケット弾を発射した。
「「「ズドォーーーーン」」」と激しい発射音を轟かせながら、京と西郷の顔の間をすり抜け、「「「バァゴォォーーーン」」」とすざましい破壊音を轟かせ標的の公衆トイレは粉砕された。
正に神業だが、戦国の世から火縄銃、大筒を扱う才能に恵まれた雑賀が450年以上も火器を扱ってきたのだ、火器の歴史が雑賀孫一そものと言っても過言ではない。今の雑賀なら5km先の狙撃も可能だろう。
もしドローンとAI支援が入れば、その距離は想像を絶する。
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