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トロル退治2

現在、シェルターは怪物共の攻撃で陥落寸前。


本格的な保護シェルターじゃなく簡易の物資保管庫として使われるやつに逃げ込んだのが

いけなかった。


保護対象のリチャード管理局長


他に航海士の男2人と女性1人が救出対象



一応、≪アラクネ≫と事前に打ち合わせを済ませる


「言っておくが、私は整備士で別に兵隊ではない」


作戦決行前にには伝えておく。


「一番大事なのは我が身だし、計画がうまく行かなかった場合はすぐ撤退する。いいね?」


かなり情けない発言だと自負していたが、キリルと≪アラクネ≫は真剣に聞いてくれた。


ここで呆れた表情を向けられたら正直(へこ)む。


「そのかわり、共に生き伸びる方法が取れるように力いっぱい頑張ろう」


「わかったわ」


『賢明なご判断かと、退路の確報は現在続行中でございます』


よし、作戦実行!


まずは、ライフルの狙撃で数を減らす。

ライフルの発射音が殆どしないし、敵は陥落寸前のシェルターに夢中だから助かる。

端っこにいたり、後ろ側の目標を優先で狙う。

目標は出来るだけ気づかれないように仕留める。


正確に


「パーーーシューーーッ」


バレたら一気にこっちに来るだろうから


慎重に



「パーーパーーーシュッ」


トリガーを操作する。


幸いなことに出発前の小部屋で、ライフルのエネルギ補給は済ませてある。

≪アラクネ≫が忠告してくれなかったら危なかったけどな。


それでも予備弾倉なんかないし、残弾数は減る一方だ。


弾倉を半分程度使うと流石に敵さんも気がついた。


ミスった数を考えても10っ体以上は仕留めた。

悪くない成果だが、残りの全個体が攻撃の向きを一気に変えた。


おうおう、猛ダッシュで接近して来る。

残りまだまだ30っ体以上、囲まれたら確実に死だ。


「早い!!」

「後退!!」


なりふり構わず後方の狭い通路に逃げる。


長い銃身のライフルなども捨てる。


気のせいか怪物共、ちゃっかり俺が捨てたライフルを目で確認してから追って来た。


やはり、経験から警戒してるな。


狭い通路だと俺達も移動が制限されるが、小型のゴブリン共は全然スピードが減らない。


嬉々として通路に入り込むゴブリン達。


「≪アラクネ≫ 今だ!!」


『隔壁緊急閉鎖、スピード最大、障害物無視』


俺達が逃げ込んだ狭い通路は元々配線整備のための目的の他に緊急時の避難通路でもある。

当然、隔壁があるし、細長い道であるため隔壁も数が多い。

むしろ隔壁が一番多い所に細工して今回のトラップを仕込んだ。


「クヮァアア」

「クカアーーケホッツ」


奇怪な悲鳴と共に隔壁に挟まれるゴブリン共。

運が良いやつは完全に挟まって即死。

体の一部だけ挟まり損傷したやつらは奇声を発しながら転がっていた。

完全な無傷な奴らもいるが隔壁の間に少数で分離出来た。


「キリル、行くぞ」

今回の俺は長い金属角材で前衛担当だ。

キリルが後ろからライフサポートバンドのスタンガンを連射する。


打ち合わせとおり、隔壁閉鎖攻撃から生き残ったやつが優先だ。


こっちは二人で二人とも飛び道具持ち、隔壁で敵は4~6個体に分断出来た。


後は確実に各個撃破するのみ。


スタンガンで動きをとめて

角材でとどめ。


角材で攻撃をふさいでスタンガンで倒す。


たまに隔壁をわざと開けて更にトラップに誘う。


キリルはちょっと震えていたのが噓みたいに沈着に戦った。

俺も最初こそ、角材でゴブリンの頭を潰すのに若干の抵抗感を感じたが

もう慣れた。


そうやって続けて行くと


「はあ、はあ、≪アラクネ≫残りはどうだ?」


『作戦はほぼ完全成功でございます』


「予測はしたが、やっぱり完全じゃないんだな」


『トロルが道が狭いからか、またシェルターの方に戻ってしましました

シェルターに穴が開きました』


まずいな。

急ごう。


「≪アラクネ≫ お願いしたもの構築できたか?」


『指定されたエリアに構築済みでございます』


キリルと俺は急いで残りのゴブリンを片付ける。


…………2匹、一匹、これで終わりっと。


残りはトロルのみ。



まずは先ほどゴブリンの油断させるため捨てたライフルを回収。


前回試さなかった目らしき部分や、脳があるか知らないが可能性として狙撃してみる。


「カチッカチッ」


くそ、もう残弾数ゼロか。


全くの効果なし。

あれって生物か?

このライフルの威力が単に足りないかもだけど、それ以前にこいつは痛覚がまったくないみたいだ。


飛んでくる腕の攻撃を避ける


実は、キリルが隣で半分くらい腕の攻撃や飛び道具攻撃を牽制してくれている。


移動速度が遅いだけで攻撃速度が遅いのではない。


1人だとやられていたかも。


ライフルが聞かないのは実験済み


ドアで圧殺を試みるにはあの巨体を誘い込める場所が近くにはない。


もうちょっとだ。


あと少し。



やっと、≪アラクネ≫が下ごしらえして来た場所に秀道出来た。


今回は≪アラクネ≫を呼ぶ必要はない。


俺は小部屋で組んだ個人用システム整備端末を操作した。


「動力供給開始、電圧セット」


俺達を攻撃しながら寄って来たトロルの足元が光った。


漫画の魔法陣にも似た円型のそれは船内照明やドア駆動、その他諸々の機器駆動のための

動力ラインを集結させて形成したものだ。

その数は1万を超える。

俺たちは小部屋からシェルターまで移動する間≪アラクネ≫にお願いして頑張って集めさせた。


いまだに生命維持系統と動力系は≪アラクネ≫が権限を持っているのがカギだった。


ライン1っ本ずつのエネルギはそこまで強くはない。

しかし、それが10000本集まって、しかもリミッター解除してコンデンサーユニットやアンプで補助・増幅すれば


瞬間的に


雷電(ライデン)


が撃てるようになる。


「くだばれ!!!!!!!!!」



床の円から眩い光が生じたと思ったら

轟音と共に周囲を真っ白し照らした。


「トコオオオオオオオオオオオオオン」


急激な電荷の移動で空気に亀裂が走る


トロルを確認する。


流石にトロルでも全身が爛れ、悶えていた。

比較的細い腕の先端は皮膚が解けてるし、かなり戦闘力は低下したと言えよう。


良かった電撃は通じるんだ。


俺は何故か、若干引き気味のキリルの無事を確認した後


続けて


2撃目、3撃目を入れた。



勿論


更に電圧を上げて。


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