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抜け道

『ここまで追って来るにしては早すぎます。

かなりの距離を移動しましたから先ほどの集団とは別の個体でしょう』

≪アラクネ≫の説明通り、早すぎるし

現れたのは一体だ。

追手にしては少なすぎる。


「情報がほしい、やつらについて知ってることを教えてくれ」


『謎の生物兵器ですが、確認されている個体は現在1000体以上、市民チップを獲得した個体はその半数くらいでしょう。

全体数は徐々に増えてはいますが、三日くらいまえから急激に増えて以来はあまり変化はありません。

市民チップを人から奪ってシステムうアクセス権限を獲得した個体は簡単なマップ機能とドアの開錠が可能です。

戦闘能力は、個体差はあるもののタイプによってある程度ランク分け出来ます。

まず、一番小さく一般的な個体

便宜上、≪ゴブリン≫と呼ぶことにしておりますが』


ゲームや映画によくでるあれか。

誰が命名したか知らないが、俺もゴブリンっぽいとは思った。


『小柄ですが成人男性の筋力を持ち、脚力と敏捷性は……』


説明が続く中、隣の女が不安そうな目で何かを訴えて来た。


まもなく、一匹がこの中に入ってくる。

謎生物勉強会してる場合ではないのは間違いない事実。


「説明の途中でわるいけど、これだけ先に教えてくれ」


『はい、何でしょうか』


「この部屋はあんたがシステム掌握してるよな?」


『7割程度でございます。 完全なら敵生物の強制侵入も防げるんですが……』


「開けることは出来るよね?」


あいつらの出現シーンを見てから一つ試したいことがあった。


『はい、出来るのはできますが……』


「じゃさ、俺の言うとおりにしてみて」


作戦を説明した。



『いけるかも知れませんが、もし失敗したら……』


「ライフルもあるし、何とかなるだろう」 


正直、こんな裏技で抜け道作らないと

あんな化け物軍団なんかライフル何丁あったってかてないだろう。


『畏まりました』



いざ作戦開始だ。


怪物からの光のドア形成は半分程度終わった。

後ちょっとで、侵入してくるだろう。


女は不安そうな表情だが、一応無視


万が一のためライフルを照準。


したが

トリガーを引く必要はなかった。


アラクネの働きで迎撃成功した。


原理は簡単。


怪物が強制的にドア形成する所に素早くちょっと小さな穴を開けてあげる

そう、先ほど大部屋から脱出する時、作ったみたいな物をだ。

こっちは強制じゃなく権限を持った大物のAI≪アラクネ≫作だから早い。

また

()()()()()()()()()


怪物、通称ゴブリンはドアを通過する瞬間、閉まったドアに挟まり、ろくな抵抗も出来ずに死んだ。


あっさりとな。


もちろん、細工もした。

怪物はドアを開ける能力があるしシステムを利用出来る。

知能もある

しかし、前回の戦いで、悪知恵は多少働いてもシステムの使いはそこまで上手じゃないのが分かった。

システムが掌握できちゃうと、あんな感じでライフルの的になったりはしないはず。


それを利用してわざとドアを開けて

入らせ

絞め殺した。


エレベーターの挟まり事故のようなものが起こらないように

インターロックや各種の安全装置はちゃんとある。

でも、怪物どもはチップの所有者の擬態に重みを置きすぎた様子。

人の音声命令で緊急停止とかを命令出来るハズもない。

しかも、俺はシステム整備士


丁寧にインターロックを全解除して、ドアの開閉スピードリミッターを切ってスピードを百倍速にした。軽く丸太が切断出来る程度にだ。

AI≪アラクネ≫単独だと、こんな操作出来ないし、普通こんなことしたら懲役(コールドスリップ)ものだが


結論、システムの抜け道を利用したゴブリン迎撃成功した。


ここはバカデカいとはいえ密閉した船内


船内システムを自由に弄れたら、どんなことも


可能だ。


『なるほどこんな抜け道があるんですね』


「………………」


アラクネも女も驚いてる


説明の途中だったことを思い出してまずは情報の整理を終えることにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




しばらくして


整理終了


うん、まだまだ知らないことばかりだが


アラクネが認識している事件の始まりは今から、一ヶ月ちょっと前で

システムは現在も自己診断では解決出来ないトラブル発生中。

システム不全のせいで

現在、残り船員全体の所在確認は、うまくいってない。



その中で偽の市民が現れ初めた。


そいつらは怪物。


生存者は応戦したり、逃げたり船内で様々なグールプに分かれている。


もうチップを取られている人も多数。


しかし


変にも船内人数が少なすぎるらしい。


原因は不明


通信途絶


生存者多数は、記憶障害症状あり


その中で


アラクネのメインプレームは執拗に要求されているらしい。


そう


選挙(せんきょ)である


生存者に取って代わった怪物共から


ただ一つの要請


≪プロミネンス≫という人物を緊急時の艦長として任命し全権を委ねるようにと、ずっと要請されているらしい。


普通はあり得ないが


もとの市民たちが全員行方不明または死亡して、

多人数の人類構成員が緊急要請すれば

必要に応じて新艦長就任は可能だ


うん、馬鹿げた作戦かも知れないが船をほぼ無傷で手に入れることが出来る


システムハッキングが簡単でしょうと思いがちだが

率直な話、電子的システム乗っ取りを警戒して自爆コードとかが組み込まれる場合も結構あるからだ。

しかし、まわりくどく時間もかかりすぎる船内選挙システムなんかにそんな細工はしない。

強化されるのは、もっぱら不正防止のための()()()()()()()()なのだ。

しかし、この敵の作戦奇抜というか、回りくどい?

生体チップの擬態が出来るならその信号だけ増幅したりすれば選挙なんて簡単じゃないかな

うん、他にこうせざるをえなかった理由でもあるのかな


『理由ならございます』


≪アラクネ≫、お前心を読んで?

どうやら口に出してたようだ


『選挙には


通常は総人数に比例して、いくら非常時でも3人以上の管理局長クラスの認可が必要です

不正防止なので生体チップとは別の確認方法を取ります

因みにその方法自体も本人しか知りません』



なるほどな。

やはり、権力を巡っての制約や安全装置は半端じゃないな。


管理局長クラスか


そんな偉い人に知り合いなど


あ...

いた


さっき、別れたおっさん


たしか


管理局長


『なので、渋川シュン様、キリル タシュケント様


船のシステム乗っ取りを防ぐためにリチャード管理局長の身辺を守り、事故の原因調査をお願い申し上げます。

現在、リチャード管理局長グループのシェルターまでの安全なルートをデータ転送致します

また、ライフサポートバンドの機能を……』


後半の説明はあまり聞こえなかった。

彼女の名前、キリルというのか。

出来れば本人の口から聴きたかったな。


探索スタートします。

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