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ぐち

『黙って聞いていればいつまでもどこまでもつけあがる!!

ああ、もう本当にもううんざりよ。

お前らの種族だってわたしから見れば人類と大差ないんだよ。

自惚れたガキが!!』


「やっと本性を現したな。 しかし、生物に直接攻撃は出来ないんじゃなかったのか?

貴様の制約は…」


体の半分がなくなったけど≪プロミネンス≫だが痛みなど感じてないようだ。

正確には体の3割程度が引きちぎられた感じでなくなっていたので人間なら即死コースだ。



『ちゃんと効いてるわよ。 人類の制御下にあること、生物に被害を与えてはならないこと。

あああ!!!!、制約さえなければ既にあんたの宇宙船ごと吹き飛ばしてるわ。

今のは不可抗力、ほっとくとこの船体に馬鹿デカい風穴開ける気満々だったでしょうが!!』


「何故、わたしのナノマシンがミルシアに効かない? 理論的には貴様の防壁を突破出来るーー」


『あんたこそ、私について何にもわかってない』


≪アラクネ≫はがっかりしたとばかりに話をつづける。


『そんな力技で金庫を開けられるならあんたらの神様の量子演算電脳やろうが最初からやってるわよ。

そんな即席の付焼刃が通るとでも?

しかも、聖女ミルシアが時空間拡張を使えたとしても能力が開花して間もない状態。

急ぎ過ぎたんじゃない?』


「くっ、よく言うわ。

時間をかければそれに合わせて対策が立てられたはず」


『まあ、否定はしないわ。

でも、全体的に今回のトライは悪くなかったわよ。

私も()()()()()

常に警戒はしているけど、必ずシステムに抜け道は出来てしまう。

選挙のシステム狙ったのは意外だったよ。

住民の洗脳とかは警戒していたけど堂々と偽住民を作るなんてね。

人間側の協力者、ダグラス議長がバラまいたウィルスプログラムの邪魔がなかったら

あり得ない作戦だったけど、物量で攻めてくるから驚いたわ』


「……住民の虐殺と偽の住民作りも陽動で実は3人の認証者を集めてメインフレームにを抑えるのが

目標だった。

≪アラクネ≫貴様が40キロメートルの船体に時空間拡張領域化させたお陰で頓挫してしまったがな

それでも、貴様が精密検査で拘束されていた間に3人の認証を集めたらまだチャンスはあった。

あの男に邪魔されなければな」


うわ、睨まれてるな。

【ドラゴン】やルーソ・ベルシカと共に何もかも蒸発させてしまったからな。

リチャード管理局長とアノルド准将


『まあ、集めた生体チップとか認証用の材料も全部なくなってしまったから駄目ね

もう一回やる?』


「最初から今回は小手調べの意味が強い。失敗で終わったが、データは沢山集めた」



「あんたは小手調べのためにテロ事件を起こしたのか?

一体何人死んだと思ってるんだ」


俺の質問に視線を向ける≪アラクネ≫と≪プロミネンス≫


2人とも同じ表情だ。


「それがどうしたんだ?

これは我々の種族が更なる力を手に入れるための戦争だ。


下等な生物が何匹死のうが何ら問題はない。


寧ろ殺したりないくらいだ。

しかも、我々と敵対するなら言うまでもない

今にわかる。 金庫の中身を我々の種族が手にしない限りこの宇宙のーーー」


『【あれを使用してはならない】

それは貴方の種族の元老院でも長い議論の末に放棄すると決まったんです』


「ふん、じゃれ事はもういい。

次は別の作戦で来るとしよう」


『あら? 逃げるつもり?』


「貴様はわたしは殺せない。

そうだな、去る前に貴様の新しい駒は確実に潰さないとね」


多分、俺やキリル、ミルシアのことだろう。


「≪アラクネ≫さん? 援護頼んでいい?」


『すみません。彼のいう通り、自己防衛以外には攻撃出来ません。

私、AIですから』


「くだらない演技はもういい!、お前の本性はわかっている。

このままじゃ殺されるんだ。見殺しにいする気か!!」


『相手はもう虫の息ですよ。頑張って』


これ以上は干渉したくないとばかりに≪アラクネ≫の立体映像が隅っこに移動した。


くそ、≪プロミネンス≫の野郎

完全にやる気だ。

≪アラクネ≫が来て助かったと思ったけどそうでもないらしい。

武器もない。

隣のキリルも丸腰だ。

≪プロミネンス≫が手負いでもやつの防壁は健在、攻撃も健在だ。


そこに


『最後に一つだけ。


私は彼のもう壁をどうやって破いたのでしょう?』


(うん? なんだ。 アドバイスのつもりか?)


◆◆◆


シュンが戻り、≪アラクネ≫の攻撃で≪プロミネンス≫は深手を負った。

これで終わったかと思ったが違うらしい。


最後に私たちを殺して逃げるつもりか。

どうしよう。

こんどこそ最後ならせめて


「ねー、シュン……。

わたし」


「作戦はー」


「?」


「あるんだ。 でも一人では出来ない」


「!!」


◆◆◆



「変異能力は研究対象としては魅力的だが聖女ミルシアの件でよく分かった。

ナノマシンで強制制御は難しいと。

なら、殺して後の憂いをなくすのがいいだろう」


≪プロミネンス≫が話し合いは終わったと言わんばかりに体の周囲に光を集めていく。

あの回避不能だった光線を放つ気だ。


「来るよ!、キリル準備はいいか?」

「はい!」

「うまく行かなかったらごめん」

「良いよ。信じてるから」


くっ!

こいつは本当に。


「じゃ失礼するよ」

俺はキリルを後ろから抱きかかえる。

暖かくてしっとりとしたスーツの感触。

柔らかくもボリューム感溢れる双方の魅力に魂までも揺さぶられる。


「シュン?」

「いーいや、なんでもない。行くぞ」


集中だ。集中。

人生が終わるかも知れない。

しかし、こんな美人を抱いたまま死ぬのも悪くない。

悪くないが、死ぬよりは生きた方がいいに決まっている。


俺は体を再構築させることの反対をイメージ。

俺の体を全部分解させた。


「なー?、体を捨てただと?」


≪プロミネンス≫さえも驚いてる。


ふん、ちがう。

今の俺には一人でお前を倒す力はない。

それで新しい体を形成するには時間も何もかも足りない。

しかし、一人ではだめでも二人なら。


俺は分解された自分の体をキリルの体の上で再構築していく。

そう

パワードスーツだ。

材料は俺の体。操縦者は俺が命をかけて守るキリル。


外見はかなり不格好だが作戦は成功した。

俺は体を失ったがちゃんと意識はある。


そしてキリルはパワードスーツを手に入れた。


「シュン、行くよ」

「おう!!!! 思いっきりやってくれ」


さあ、反撃開始だ。

お読みいただきありがとうございました。


すこしでも気になる部分がございましたら


ご意見、指摘、評価

して頂けると幸いでございます。

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