異星人との対話
改造の途中でやめて傷の回復も終わってない元の体、
そして出来立ての戦闘用の体
二つを同時に動かせないが試してみたが、上手く行かない。
一旦元の体のコントロールは諦めて新しいボディに全意識を集中させると、まるで魂が引っ張られるような奇妙な感覚と共に意識が乗り移ってしまった。
体の乗り換えに成功した瞬間だった。
元にも戻れるか試してみたかったが、それよりも外の様子が気になって仕方がなかった。
そして、時空間拡張の入口が開き、【ドラゴン】との闘いが始まったわけだ。
実は恥ずかしい話、新しい体のベースとなった生体兵器の影響なのか
闘争本能だけが過剰に刺激され、【ドラゴン】と戦い始めて≪プロミネンス≫負けるまで
記憶がはっきりしていない。
時空間拡張の中に元の体を置いてきたことすら思い出せなかったくらいにだ。
力に振り回されるとは誠、恐ろしい。
後は作戦の開始だ。
急いで意識を元の体に戻そうとしたが、時空間拡張の中に影響か全然上手く行かなかった。
ミルシアに頼んで時空間拡張を少しだけ開けて貰ったら瞬く間に元の体へと意識が吸い込まれた。
≪プロミネンス≫にバレてたら一環の終わりだったが彼は何かを作るのに夢中になっていた。
あいつが傲慢な奴でよかった。
こうして俺は元の体に無事生還出来たのだ。
一見、不死身の変わり身術のようだなっと誤解されるかも知れないが、とんでもない。
この体の乗り移し、途轍もなく危険なのだ。
意識だけとなって時空間拡張を通過する時にはっきりと感じた。
別の体に入ってた時間が長ければ長いほど、その分俺の意識への負担が増加すると。
もしも、戦闘用の体が≪プロミネンス≫に負けて破壊されなかったら、俺は元の体に戻るタイミングを
失い永遠に怪物になっていたかも知れない。
噴き出る冷や汗が止まらなかった。
「まあ、こっちに戻ったのはいいけど、これじゃ動けないな」
今の俺は生きてはいるが、右腕は切り飛ばされたままで作り直しの途中だったので酷い外見状態だ。
いわば、ホラー映画のあれだ。 半分食い荒らされたゾンビ。
これじゃ、キリルの所には戻れない。
さっさと最低限の修復をして例のものを作ろう。
作るのはもちろん、対≪プロミネンス≫秘密兵器だ。
◆◆◆
「我々は人などではない。
お前らのいう異星人というものだ」
≪プロミネンス≫の説明は自分は人間じゃないとの告白からスタートした。
「不思議な力、異星人なら納得ですね。
しかし、なぜ異星人が≪アラクネ≫なんか欲しがるんですか?
あ、そういえば【ドラゴン】みたいに昔の大戦時の使われた生体兵器を使ってましたね。
もしかして、科学の水準は我々と同じ?」
「何を馬鹿なことを!!! あれは本来我々の技術だ」
「は?」
「異星人科学伝授説ーー」
「その通り、現在の人類の科学は我々が提供したテクノロジーに基づいている」
キリルも聞いたことがあった。
長い人類の歴史の中で幾度もなく暴発的な科学の進歩が行われて来たがそこには影があると。
何者かの背後の存在だ。
特に人工重力発生装置の開発を含めて数多くの科学技術には影の存在があった。
気密維持のため秘密裏に研究するとはいえ、あまりにも突発的には世に現れる新技術。
そこまではいい。
しかし、これらの革新的技術は時間が経過しても全然進歩しないのだ。
もうすこしで夢のワープが実現可能になると思ったが
すでにそんな楽観的な希望は何十年も続いている。
同じ場所で地団太を踏んでいると言ってもいいくらいだ。
「じゃ、貴方だちは人類の科学より随分と進んだ文明をもっているってことですね?」
「その通りだ。
今の人類がここまで進化出来たのも我々の導き無しではあり得ないことだった」
そんなに凄いならすでに、ワープが可能なんですね?
なら時空間拡張だって出来るでしょう?
何故、ミルシアさんの力が必要なんですか?」
どうせ≪プロミネンス≫は何らkの監視を通して聖女の力が時空間拡張なのは知っていたはずだ。ここにいきなり現れたのは間違いなくワープだ。
「人類の歴史に干渉し始め、既に千年単位の時間が経過した。
我々が今まで接触した生命体は猿から進化したお前らだけではない。
我々は自分たちの紀元をも忘れるくらいの長い時間を宇宙で旅して来た。
しかし、本当の意味の知的生命体にはあって無いのだ」
「もしかして人間が初めて遭遇した知的生命体だったのですか?」
「馬鹿は休み休み言え。聖女という肩書のわりには愚かだな」
「……」
(つまり、彼らからすると人間は知的生命体ではないのね。悲しい程に人間とそっくりだわ)
知的生命体の概念は曖昧だ。
蟻にだって知能があり、学習能力がある。
イルカや象などはかなりの知能と言語を持つことが確認された。
単なる知能や、学習能力だけならAIだって知的生物だ、
しかし、人間はそのどれも知的生命体と認めていない。
もっとも知能が高く人類に親しみやすいクジラさえも、ただの動物とみなし営利目的で簡単に殺す。
そこに同じ知的生命体としての尊重など存在しない。
人が求める知的生命体とは、自分らより劣る存在ではない。
最低でも同じくらいの知能を持ち、無視できない程の何かがないとだめだ。
人は自分より劣るものを決して仲間と受け入れない。
そう、
同じく≪プロミネンス≫から見れば人類もその程度の劣る生物なのだ。
「人類は多少は知能があって色々使い道はあるが、所詮はその程度。
苦労をしてまで、手に入れるほどの長所も無い種族だ。
特に肉体は軟弱で精神は欲に塗れている。
同族への嫌悪や残忍性は類を見ない程に際立つ。
まあ、欲が強い分、強い生命力だけは認めるがな」
「人類が同族殺しの戦争をやったり、犯罪を犯しているのは事実です。
認めましょう。しかし、それは全人類ではなく僅かな一部にすぎません。
すべての人類を貶める発言は撤回してください」
「君は? キリルとかいっていたな。
ふん、人類の歴史の中で戦争や他民族への侵略行為が絶えた時があったか?
その争いの数々を僅かな一部だと?
それこそが、自分らの過ちを認めない傲慢で低俗な種族の証だ」
(何か人類に恨みでもあるのかな?)
「しーしかし、ですね。 人の本質は平和を好みます。
悲しい戦争が数多くあったのはーーー」
「貴方の種族は同族同士の戦争などしないんですか?
人類を残忍だといってましたよね。
じゃ、生体兵器は? それあんたらが作った物でしょう?」
(やばい、ミルシアがぶっ千切れている)
「ふん、あの兵器は技術はわれらのものだが化け物に仕上げて、戦争に使ったのは人類だ。
元々はクローンの製造技術の一環だった」
「でも、それをわざわざ持ち出してこの船、宇宙蜘蛛にせめて来たのは貴方ですよね?
どれだけ被害が出たと思うのですか」
「そうよ、そうよ。 今回だってあんなデカい化け物ー」
「ミルシアさん、【ドラゴン】です」
「そう、【ドラゴン】が出て本当に危なかったんだから!!!!」
≪プロミネンス≫はミルシアの言葉にちょっと呆れたような顔になった後答えた。
「お前ら、忘れてないか?
私は出来れば内密にごとを進めたくてあの女傭兵を雇用したし、【ドラゴン】を呼び出したのも地球人のあの女だ」
「「あ!」」
申し訳ございませんが退屈な説明編が続きます。
面白味のないパートですが敵の目的はそろそろ明らかになります。
ご容赦ください。
内容へのご指摘、評価、改善案
ありましたらいつでもご教示願います。
よろしくお願いします。




