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崩壊


崩壊音が今も続いているし、連続的に爆発と小さな倒壊、破裂の騒音が鳴り響く。


さっきまで≪オライオン≫本部がいた場所は跡形無い。

付近一帯が巨大な瓦礫の山と化した。


大量に発生した埃と残骸の飛散物で視界が遮られた。

何層にも及ぶ外壁ブロックのほんの一部とはいえ、大質量の塊が落下崩壊したことにより

人工重力や空気などの環境要素まで異常が発生していた。


最悪の事故だ。

下敷きになったものはまず助からない。

今生きていたとしても救出と復旧にどれくらい時間が掛かるか検討も付かない。


この区域は壊滅した。


突然現れた【ドラゴン】と

これに相対した勇敢なる者【ルーソ・ベルシカ】によってだ。


この事故を後日人々はこう評価した。


『むしろ【ドラゴン】をそのまま暴れさせた方が被害が少なかったかも』



◆◆◆


「うまくいったな」


ここに到着する前から準備を始めていた。

遠隔で≪オライオン≫本部周辺の交通管制ドローンを操って見ていたのだ。


軍の動き、ルーソ・ベルシカの動き


そして、キリルの動きも見ていた。


さすがにドラゴンまで現れた時は驚いたけどね。

すでにここら一帯の建物、動力、通信、ドローンすべてのシステムは掌握済みた。


だから、ルーソ・ベルシカが怪物どもをこちらに()()()()際にちゃんとあいつらの動きも見ていた。

理由は知らないが跳躍には宇宙蜘蛛の内部システムを経由する必要があるらしい。

いい機会だがら、怪物共のデータもちゃんと取り構造も把握できた。

作ろうとすれば作れるくらいにだ。


【ゴブリン】、【スライム】、そして【ドラゴン】さえも。


俺はそれぞれの怪物を弱点を分析してトラップを生成に取り掛かった。


しかし【ゴブリン】、【スライム】を殺すためのトラップは使えなかった。


軍の奴らがほぼ倒してくれたから使う必要がなかったのだ。


後は【ドラゴン】、うまい具合に軍と相打ちになってくれたらなーー

などと思ったらあっさりと負けてしまった。


このままだとキリルに助けると約束した聖女まで死んでしまう。


急いで顔を隠したキリルに出て貰った。

ルーソ・ベルシカに認識されるようにデータを修正し、

ドラゴンを自分で倒すと啖呵を切って見せた。


本物のルーソ・ベルシカは今回の件でさぞ勇名を轟かすこととなるだろう。

何せ【ドラゴン】を倒しちゃうんだからな。


無敵を誇る【ドラゴン】をどうやってって?

仕かけは手間が掛かるけど

難しくはない。


ここは宇宙蜘蛛の居住区の中でもかなり老朽化が進んだ危険地域だ。


宇宙蜘蛛の内部は機械や配管などの構造物でいっぱいになっている。

普段は立体映像とかで外からは見えなくなっているだけた。

かなり老朽化が進み今にも()()しそうな危ない場所だった。

これを利用しない手はない。

上手くいけばこの一帯は大混乱状態になり軍も追ってなど送る状態じゃなくなる。


作戦のためには兎に角、手間が掛かった。

システムが古すぎて自動命令とか聞かない場所が殆どだ。

俺は地域一帯では数が足りないから、もっと遠くから作業用のドローンを片っ端から

引っ張ってきて工作にあたらせた。


ざっと2800機のドローンがピエトロス大佐がゴブリンと遭遇する前から天井でずっと作業中だった。

≪オライオン≫本部の【空】部分をパージして落とす準備をだ。


面積としては四角い枠型で広さ100メトルくらいのブロックを切り離すように命じた。


安全装置とか承認とか警報アラーム?


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



障害を全部無視して巨大な自由落下式の超質量兵器の誕生だ。

それを使えばここ一帯は完全に地獄となる。


しかし

これだけでは足りない。

トカゲ野郎は超エネルギを使うスーパー生物。

かすり傷も追わない可能性だってある。


そうだ。スーパーではなくしてしまおう。


2段構えで作戦を実行した。

まずは【スライム】が跳躍してくる際に盗み見たデータを元に

スライムように浸透できるナノマシンを作成。

ドラゴンに吸い込ませた。

キリルがライフルで撃った弾の正体がこれだ。

ナノマシンの機能は体内エネルキーの制御妨害。

その一点のみにして効果を極大化させた。

即席で作ったから寿命は数十分くらいしかもたない。

いわば、ウィルスのようなものだ。


そして、接触によりエネルギーの制御を邪魔する力場を構築。

【雷電】とかを放つ際に動力を放出するのとは反対で割と簡単に出来た。

上に乗ると際限なくエネルギーが吸われる。

地面に設置して【ドラゴン】が上に乗るように誘導した。


どちらも命にはなんの影響もない。

本来の力が使えないだけだ。


そして、どちらが効いたのが知らないが。

作戦は上手くいった。


ナノマシンの毒で弱らせ

雷電とチェーンライトニングで移動先を誘導して

地面のトラップでさらに弱れせ

頭の上に天井を落としてやった。


煙幕を出してから地下に避難した俺は無事聖女も拾った。



【ドラゴン】は死んだかな?

周辺を探知して見る。


天井と一緒に落下してしまったドローンが沢山あるから彼らを利用すれば簡単だ。


ほう、【ドラゴン】は生きていた。

しかし、さすがに無傷ではないので瓦礫に埋もれたまま自己回復を待ってるらしい。


ああ、やはりな。


生きていてくれた。

これで保険で必死に作っておいた仕掛けが無駄にならずにすむ。

まずはキリルの無事を確認しよう。


「キリル、聞こえるか?」


「聞こえるわよ、でもこの作戦無茶苦茶過ぎるよ。

作戦通り地下に逃げ込めたけど、衝撃で死ぬかと思ったわ」

「今の深さなら大丈夫だよ」

「でも、不思議ね。

本当に跳躍が使えるようになったのね?」


そう、教団の皆を逃がしたり、聖女を救ったり、キリルが急に【ドラゴン】から消えたり

全部俺がやったことだ。


端末や認証なしでも思うがままにシステムに介入、命令出来るようになった今

宇宙蜘蛛のシステムには何故か【短距離瞬間移動】すなわち短距離ワープ機能が隠されていることがわかった。

≪アラクネ≫もそうだが、この宇宙蜘蛛には秘密が多い。

手足のようにシステムに介入出来るとはいえ、まだまだ分からないことだらけだ。

因みに俺のシステムへの理解が足りないのか長距離移動はまったく出来ない。

精々100メトル以内の短距離さえも準備にかなり時間が掛かるが逃亡には丁度いい。


今よりもっと宇宙蜘蛛のシステムを上手く使えるようになれば

≪アラクネ≫のメインプレームさえも手に入れられるのかな……。


とにかく、今は【ドラゴン】を始末してからキリルと合流だ。


「作戦はこれでほぼ終わった。後はーー」




「あら、もうお芝居は終わりなの?」


「!!??」


後ろからした声に振りかえるが、すでに見覚えのある黒いナイフが迫っていた。


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